エイドリアン・ジョイス弁護士は、西村あさひ法律事務所の英国法パートナ ーで、海運、オフショア及びエネルギー案件を専門としており、傭船、船舶 ファイナンス及びエネルギー・インフラ案件に関して豊富な経験を有し、所 有者、傭船者及び融資者に対してアドバイスを行っております。最近では、 多くのLNG船舶のファイナンス、セールアンドリースバック、事業再生及び 世界初のサステナビリティ・リンク船舶リースを含むグリーン・シッピング (環境に配慮した海運)に関する助言を行っております。 ジョイス弁護士は、海運及びエネルギー・インフラ案件の第一線の弁護 士として認められており、「Chambers 2021」において「インターナショナ ル・アセット・ファイナンス」分野及び「プロジェクト&エネルギー」分野 に、また、「The Legal 500」において、「プロジェクト&ファイナンス」分 野及び「バンキング&ファイナンス」分野の「Leading Individual」にラン クインしています。 渋川孝祐弁護士は、西村あさひ法律事務所のパートナーで、アセット・ファ イナンス及びその他のストラクチャード・ファイナンス取引に関して20年以 上の経験を有しており、船舶、海上コンテナ及びその他のアセット・ファイ ナンス取引に関して、日本の銀行、リース会社、その他の金融機関及び海運 会社に対して定期的にアドバイスを行っています。 また渋川弁護士は、「Who’s Who Legal」や「IFLR 1000」等の多くのリ ーガル・ディレクトリにおいて、業界のエキスパートとして認められ、2021 年には、IFLR Asian Future Leaderを受賞しております。また、日本とニュ ーヨーク州の両方において弁護士としての資格を有しております。 アシュリー・サットン弁護士は、西村あさひ法律事務所の東京事務所のアソ シエイトであり、同事務所のファイナンスグループのメンバーです。サット ン弁護士は、特に船舶及び航空機の分野におけるクロスボーダーのアセッ ト・ファイナンス取引に関して豊富な経験を有しています。 写真: shutterstock.com/ FOTOGRINによる 日本 1 あなたの国における海運業界(それを支えるサービス業者を含 みます。)の現状はどのようなものですか? 日本においては新規の造船の注文は落ち込んでいます。日本造船工業会の 2021年統計によると、2019年には348件の新規注文があったのに対し、2020 年の新規注文は188件のみでした。これは、2016年の新規注文数(183件)に近 い数字です。もっとも、日本の海運業は、全体として好調を維持しています。 海運の需要は高く、日本は、発展中の新しいグリーン・テクノロジーの分野 において主導権を握っています。 2 あなたの国に影響を与えている海運市場の支配的な傾向はどのよ うなものですか?新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響 はどのようなものですか? 厳しい環境にも関わらず、新型コロナウイルス感染症拡大の中での消費者需 要の高まり等が要因でコンテナ輸送価格が過去最高額に達したため、日本の 船主は良好な状況にあります。主要な海運ルートの指標となるFreightos Baltic Indexは、2020年から2021年までの間に3倍となり、中国からアメリカ 西海岸行きの航海で7,000米ドル近くに上りました。同様に、欧州行きの傭 船料は、2020年においては僅か1,600米ドルでしたが、2021年では10,000米 ドルを超えました。 しかしながら、新型コロナウイルス感染症の世界的流行による出荷遅延 や供給チェーンの途絶は、国内外の企業に影響を与えました。例えば、世界 最大の自動車製造会社の一つであるトヨタ自動車株式会社は、部品を入手で きなかったため、タイと日本の工場における稼働を停止しなければなりませ んでした。 3 あなたの国の海運市場に影響を及ぼす可能性のある最近の国内 外の政治又は法制上の進展はありますか? 国内の立法 海上運送法、内航海運業法、造船法、船舶安全法及び船員法等、日本におけ る多くの海事法の改正を含む、海事産業の強化を目的とした一連の法案が、 2021年5月に可決されました。これらの法案の主な焦点は、(1)日本における 造船及び海運業分野の競争力の強化及び(2)船員の労働慣行改革及び内航海 運業の生産力向上です。
