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Morrison & Foerster LLP | Japan | 2 Oct 2018

国際的腐敗行為防止事件の展開2018年7月の10大ニュース

多忙な社内弁護士やコンプライアンスの専門家に全体像を掴んでいただくため7月の国際的腐敗行為に関する事件の展開のうち最も重要なものについて要約と一次情報源のリンクを提供する米司法省DOJ刑事局を率いるのは誰か近時の米最高裁判例に基づき時効成立として却下されたFCPA執行に係る訴えとは汚職容疑でブラジル当局と和解した洋上石油会社はその答えはこの2018年7月の10大ニュースの中にある 1. DOJ刑事局の新司法次官補の指名承認 2018年7月11日Jeff Sessions司法長官は上院が刑事局新司法次官補AAGBrian Allen Benczkowski氏の指名を承認したことを発表したFCPAの刑事エンフォースメントは刑事局詐欺部の専権事項であるためこの承認は腐敗行為防止に関わる者にとっては特に重要である公判検事ではなかったもののBenckowski氏はDOJ内の他のポジションで経験を積んできた2008年から2009年まで司法長官室や司法副長官室の統括官を歴任しまた刑事法制課主席副司法次官補アルコールタバコ火器及び爆発物取締局統括官DOJ法政策室事務局長兼シニアカウンセルも務めたBenczkowski氏は当初2017年6月にAAGに指名されたが弁護士時代にロシアの銀行を代理したとの民主党の懸念によりその指名承認は引き延ばされていた最終的な投票は終了し民主党上院議員1名のみが反対したトランプ政権下のこれまでのDOJ官職の任命と同様Benczkowski司法次官補の指揮下でFCPAエンフォースメントが優先事項ではなくなると考える理由はない例えば2016年11月のJeff Sessions司法長官の指名や2017年4月のRod Rosenstein司法副長官の指名承認 2. FCPA違反企業に対する執行方針が買収後の会社に適用されるとDOJ高官が発言 DOJ刑事局司法副次官補DAAGMatt Miner氏は2018年7月25日のワシントンD.C. 講演においてM&A関連でも2017年11月に発表されたFCPA違反企業に対する執行方針の適用があることを力説したとりわけMiner氏はM&Aに関連して不正行為が発見されその後当該不正行為を開示するとともに協力を提供することはFCPA違反企業に対する執行方針の条件に合致しておりDOJとしては承継会社に本方針の原則を適用するつもりであることをはっきりと示した換言すると不正行為を焙りだす徹底したデューディリジェンスを行い当該行為をDOJに報告しかつ是正措置被買収会社における強固なコンプライアンスの実施などを行っている買収会社は本方針の恩恵を受ける資格があるということである状況によっては買収前に徹底したデューディリジェンスを行うことができない場合があることを認めたうえでMiner氏は買収後のデューディリジェンスの際にかかる行為が発見された場合にも本方針が適用される点も強調したMiner氏はまた最後にこの手続きが利用さたのは2014年であったことを述べFCPA意見確認手続を利用するよう企業に奨励した2014年の手続きではDOJはM&Aデューディリジェンス中に対象会社による不適切な資金供与の可能性を発見した多国籍企業に対してはエンフォースメント手続を行わないという意向を表明した詳細についてはクライアントアラートをご参照くださいMiner氏の発言は概ね歓迎すべき内容であったがいくつかの疑問も残しているMiner氏が講演の最初の方で指摘したようにFCPA違反企業に対する執行方針に基づく不起訴処分は不正利得の吐き出しディスゴージメントを条件とするMiner氏の発表は買収会社は常にDOJに報告した買収前の不正行為について利益を吐き出す必要があることを意味するのだろうかそうであればこれは過去の慣行から幾分逸脱しているDOJはこれまで常にではないもののこのような不正行為についてのエンフォースメント手続を追及することを完全に見送ることが多かった実際Miner氏が引用した2014年の意見確認手続ではDOJはエンフォースメント手続を追及しないという決定に対し買収会社又は対象会社が不正利得を吐き出すことを条件としていないとはいえM&Aに関連するDOJのエンフォースメント方針を明確にしたこの取組みは歓迎すべきであり買収会社が買収前及び買収後にデューデリジェンスを行い早急に対象会社を買収会社のコンプライアンスプログラムに統合することの重要性を明らかにしたものだ 3. 連邦判事ヘッジファンド元役員に対するFCPA手続を却下 2018年7月12日ニューヨーク州東部地区連邦地裁のNicholas G. Garaufis判事は時効成立を理由にOch-Ziff Capital Management LLC.の元役員2名Michael L. Cohen氏及びVanja Baros氏に対するSECの執行に係る訴えを却下した2017年1月SECはOch-Ziff及び子会にアフリカの数カ国の公務員に対する賄賂を支払わせた疑いでFCPAに基づきCohen氏とBaros氏を提訴したと発表した本件を却下するにあたりGaraufis判事はSEC v. Kokesh 事件における連邦最高裁の2017年6月判決に依拠した同判決でSECのディスゴージメント手続は28 U.S.C. 2462に定める5年の消滅時効出訴期限民事制裁金民事罰又は没収を求める行政行為に適用されるの対象であるとされた同判事はKokesh判決を拡大適用し請求された差止命令は少なくともある意味では被告を罰する機能を果たしそれゆえ行政罰といえるから5年の時効はSECのCohen氏及びBaros氏に対する訴えに適用されその無効取消原因となると結論付けたCohen事件はFCPA関連では最初であってもSECの執行に係る訴えに対するKokesh判決の効果に取り組んだ最初の事件ではないKokesh判決がSECの執行に与える影響について審理が行われた最初の事件ではない2017年12月ニュージャージー州地区連邦地裁はKokesh判決の適用を拡大して法令遵守obey the law作為的差止と低額株の禁止を求めた訴えを時効成立として却下している対照的に2017年6月第8巡回区連邦控訴裁はKokesh事件は法令遵守作為的差止に適用されないと判示したこのように裁判所がどのようにKokesh判決を適用するかについて対立が表面化しているようであり最終的には最高裁に判決の再考を求める可能性もあるより直接的にはSECの主張は時機を失していたか否かというCohen事件の争点で中心となったのは当該事件におけるSECの時効停止合意tolling agreementの条件であったこれはSECがFCPAその他の調査において企業や個人から広範囲の時効停止合意を求めるにあたってより慎重になることを示唆している 4. スイスの銀行とその香港子会社が雇用慣行が関係するFCPA違反容疑について和解 2018年7月5日SEC及びDOJはCredit Suisse Group AGクレディスイスとその香港子会社が2007年から2013年までに中国の公務員の友人や親族を採用したり昇進させたりすることで中国国有企業との銀行取引を獲得するスキームに当該子会社が関与した容疑について和解に同意したと発表した子会社はこの実務慣行により4,600万ドル以上の利益を得たとされるDOJとの3年間の訴追免除合意NPAの一環として子会社は約4,700万ドルの罰金の支払いに応じSECによる行政上の排除措置命令の一環として親会社はディスゴージメント2,490万ドルのと延滞利息480万ドルの支払いに応じたこれは2016年11月の息子と娘Sons and Daughters事件以来の縁故採用に関する和解事案であるしかしこれが最後とならない可能性がある2015年8月の10大ニュースで述べたとおり報道によるとこの数年間SECは金融サービス業界の採用慣行を徹底的に調査しているこの和解は採用インターンシップ研修プログラムは米国のエンフォースメント機関が引き続き重点的に取り組む分野であることから企業は今後も慎重を期すべきであることを示す直近の例となる 5. シカゴの蒸留酒メーカーインドにおけるFCPA違反容疑について和解 2018年7月2日SECは2006年から2012年まで受注処理加工許可及びラベル登録の増加会社の蒸留酒製品販売の円滑化を目的としてインド子会社が公務員に対し不適切な資金供与を行った容疑についてBeam Suntory Inc.が520万ドルのディスゴージメント917,498ドルの審理前利息及び200万ドルの民事制裁金を支払うことに同意したと発表したSEC命令によるとこの行為はFCPAの会計条項違反とのことである同社は容疑の認否は明らかにしていないこれと並行した和解がないことと民事制裁金が課されたことを踏まえるとDOJはおそらく親会社を贈賄罪で起訴するための管轄権が存在しないことを理由に不起訴処分としたようである 6. 汚職容疑のオランダの石油ガス会社がでブラジル当局と合意 以前にお伝えしたとおりオランダの洋上石油ガス会社SBM Offshore N.V.は贈賄の見返りとしてペトロブラスから契約を取り付けた容疑について2016年7月に複数のブラジルの政府機関との間で処分減免リニエンシーについての合意に至ったところが2016年9月2日にSBM Offshoreはブラジル連邦検察局第5室がリニエンシー合意を却下したと投資家らに伝えたその後2017年11月SBMと子会社は企業として2億3,800万ドルの罰金の支払いなどについてDOJと合意したDOJのプレスリリースによるとDOJはブラジル連邦検察省Brazilian Ministerio Publico FederalMPFへの支払予定罰金額などをDOJに支払われたものとみなして罰金額を算定した2018年7月26日ブラジル連邦総監督省Ministry of TransparencyCGUはSBMがCGUブラジル連邦総弁護庁Attorney General's OfficeAGU及びペトロブラスとのリニエンシーに合意したと発表したこの合意に基づきSBMは総額約1億8,900万ドルの罰金を支払うことになるがMPFはこの合意の当事者に含まれていない 7. ベネズエラの元公務員贈賄スキームにおけるFCPA違反及びマネーロンダリングについて有罪答弁 2018年7月16日DOJはLuis Carlos De Leon-Perez氏ベネズエラの元公務員で米国とベネズエラの二重国籍を保持がテキサス州南部地区連邦地裁でベネズエラの国有エネルギー会社Petroleos de Venezuela S.A.PDVSAの職員に賄賂を贈るためのスキームにおける役割に関しFCPA違反の共謀罪の訴因1件及びマネーロンダリングにおける共謀罪の訴因1件について有罪答弁を行ったと発表した有罪答弁合意書によれば2011年から2013年の間De Leon氏は他の者と共謀してPDVSA事業の見返りに賄賂やキックバックを支払うようPDVSAの業者に促していたDe Leon氏は一連の金融取引を通じて賄賂を隠匿するための国際的なマネーロンダリングスキームについても認めたDe Leon氏への判決言渡しは2018年9月24日に予定されているDOJによるPDVSA贈賄事件の捜査に関連してこれまでに12名が有罪答弁を行っている2018年2月及び2018年4月のPDVSA捜査に関する当事務所の直近の記事をご参照ください 8. ベネズエラの国営石油会社からの横領資金のマネーロンダリング容疑で8名が起訴 2018年7月25日DOJはフロリダ州南部地区連邦地裁で贈賄及び詐欺によるPDVSAから横領した資金のマネーロンダリングの共謀罪で8名元PDVSA職員第三者たるマネーローンダリングのプロまたベネズエラのエリートと称されるが起訴されたと発表した被告人のうち2名Matthias Krull氏及びGustavo Adolfo Hernandez Frieri氏は上記容疑で逮捕されたが残りの被告人は未だ逃走中である訴状によるとこのマネーロンダリングスキームの背後には米国内外の資金運用会社証券会社銀行及び不動産投資会社が存在しておりスキーム全体がマネーローンダリングのプロのネットワークとなっていた 9. 米国フロリダ州スペインのメディア企業国際的なサッカー連盟の捜査関連の容疑について和解 2018年7月10日DOJはUS Imagina, LLCUS Imaginaが有線通信不正行為の共謀罪の訴因2件について有罪答弁を行ったと発表したこの事件ではカリブ海サッカー連合Caribbean Football UnionCFU及び中央アメリカの4カ国の全国サッカー連盟の幹部に対しワールドカップ予選のメディア販売権の見返りに賄賂として650万ドル以上が支払われたとされるスキームにUS Imaginaの上級幹部2名及びスペインの親会社の上級役員が関与したとされるこのスキームへの幹部の関与に関連してUS Imaginaのスペインの親会社であるImagina Media Audiovisual SLImagine MediaはDOJとNPAを締結した有罪答弁合意に基づきUS Imaginaは刑事没収530万ドルのほかCFU及び複数の中央アメリカ全国サッカー連盟に対し損害填補として総額660万ドル以上を支払うことに同意したまたUS Imaginaは罰金1,290万ドルの支払いにも同意しているこれについてはNPAに従ってImagina MediaがUS Imaginaに代わって支払うことに同意 10. ニュージャージー州のエンジニアリング建築建設管理会社とのDPAの終了 2015年7月Louis Berger Internationalはインドインドネシアベトナム及びクウェートにおいてFCPAに違反して外国公務員に贈賄を行った容疑についてDOJと3年間のDPAを締結したニュージャージー州地区連邦地裁のMark Falk治安判事は2018年7月24日付の決定においてDOJの訴追請求状却下が相当か否か国が審理するために6カ月の継続を求める申立てを認めた1DOJの申立てはDPAの期間満了から6カ月以内に会社に対する刑事訴追請求状の取下げを申し立てるとしたDPAの条件と合致しているしたがって継続は必ずしも会社がDOJからほかにも不正行為に関与しているその他DPAの条件を遵守していないという嫌疑をかけられているというわけではない他の事件ではそのような理由による期間延長の申立てが行われているがそうでなくとも本件などの場合においてはDPA及びこれに伴う決定で定められた延長期間にはDPA又はNPAが終了してから初めて問題が表面化することがあるというDOJの経験が反映されているのである

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