実務見解/法令ニュース

知的財産局、2017年第3四半期の特許出願案件と特許証の交付の概況を公表

発明、実用新案、意匠の新規出願案件は、計18,765件(+4%)。そのうち、発明特許11,631件(+7%)、実用新案4,937件(-2%)、意匠2,197件(+1%)である。

発明特許出願案件のうち、台湾出願人による出願数は4,718件(+16%)、外国出願人による出願数は6,913(+2%)。外國出願人による発明特許出願数トップ5は、日本(3,162件)、米国 (1,476件)、韓国(520件)、中国(484件)、及びドイツ(289件)である。

発明、実用新案、意匠に関する特許証が交付された案件は、計18,202件(+2%)。そのうち、発明特許11,148件(-2%)、意匠1,749件(-0.2%)、実用新案5,305件(+12%)である。 

知的財産局、2017年1月乃至2017年10月の特許審査ハイウエー(PPH)の出願案件の統計を公表

台湾-米国のPPH出願案件は、2027件である。

台湾-日本のPPH出願案件は、2594件である。

台湾-スペインのPPH出願案件は、1件のみである。

台湾-韓国のPPH出願案件は、38件である。

知的財産局、2017年1月から10月までの発明特許加速審査(AEP)出願案数の統計データを公表

2017年1月から10月までの特許加速審査(AEP)出願案は計305件がある。そのうち、台湾出願人からの出願案数は154件、外国出願人からの出願案数は151件である。出願人の国別により、外国出願人からの出願案件数の上位4位は、日本(69)、米国(29)、オランダ(8)及びドイツ(7)である。また、上述305件の出願案において、事由1(外国対応出願が当特許庁の実体審査により査定されたもの)によって出願されたのは182件であり、その初回通知(審査意見又は特許査定)の平均期間は71.2日であり、事由3(商業上の実施に必要なもの)によって出願されたのは90件であり、その初回通知の平均期間は131.3日であり、事由4(発明はグリーンエネルギー技術に関連するもの)によって出願されたのは24件、その初回通知の平均期間は99.7日である。

知的財産裁判所から、実用新案の請求項に記載される材料の技術特徴が請求しようとする物の構成特徴に影響を与えない場合、比較しないこととすると改めて説明

専利法第104条に従い、実用新案の標的に関して、実用新案は自然法則による技術思想であって、物の形状、構造又は組合の創作である。実用新案は、ほかの物の形状、構造又は組合の改良ではなく、材質の変更しか有しない場合、その材質の変更を実用新案の進歩性有る根拠として主張できない。

知的財産裁判所より106行専訴字第15号の裁決において、証拠2より掲示された「接着方式」と係争実用新案の請求項の「粘着方式」は、ともに接着手段であり、接着の材料である「接着剤」が異なっているが、この「接着剤」の材料は、周知の材料であり、物の形状、構造又は組合に対して変化を起こさないので、その材料の技術特徴を比較する必要がなく、係争専利の進歩性有る根拠とすることもできない。

知的財産局、2017年第3四半期の商標出願案件統計を公表

知的財産局が公表した2017年第3四半期の知的財産権統計データによると、商標の出願件数は計22,168件であり、昨年同期に比べて12%增した。台湾人による出願数は16,230件(昨年より12%增)、外国人による出願数は5,938件(昨年より11%增)。外国出願者の上位3カ国は中国(1,197件)、米国(991件)、日本(974件)、韓国(499件)、及び香港(404件)であった。

経済部、2017年9月12日に「非伝統的商標審査基準」を公表

現行商標法18条によると、商品または役務の出所を識別できるいかなる標識は登録し保護される客体になることができ、条文で列挙した文字、図形、記号、色、立体の形状、動態、ホログラム、音声又はその混合式の視覚・聴覚で感じられる標識に限らず、その他の嗅覚、触覚、味覚で感じられる標識は識別性の要件に一致すれば、商標として登録し保護される。そのため、経済部は従来の「立体、色及び音声商標審查基準」を「非伝統的商標審查基準」と修正し、「連続図形」、「気味」及び「位置」等の形態の商標の審査内容を新たに設けた。当該新基準によれば、非伝統的商標を審査する際、知的財産局は下記の3つの要素を検証する:1)商標の表現方式:商標の図、商標説明及び商標見本、2)識別性、3)非機能性。

「Rowana及びその図」商標と「RIMOWA及びその図」商標の構成は近似しており、登録してはならない

知的財産裁判所は、知的財産局の商標(係争商標)登録取消の異議処分を維持した。裁判所の判決の判断は下記のとおりである:一、係争商標と商標の外国文字の「RIMOWA」と「ROWANA」は同じく6つのアルファベットにより構成され、その中に4つのアルファベットは同様であり、しかも両者とも冒頭は「R 」で最後は「A 」であり、外見と読み方上は中度近似商標に該当する;二、両商標とも「旅行鞄、スーツケース」等の同一又は高度類似商品の使用に指定される。したがって、係争商標はスーツケース又は又は関連広告に使用されると、関連消費者に混乱させるおそれがある。なお、当該判決によれば、双方の証拠を考慮した上、既に台湾において広く使用され著名になる「RIMOWA」商標は比較的に消費者に知られており、なお、被異議人は別の「ROWANA」登録商標を使用し際楕円形の図形を付けたため、商標と極めて類似し、異議人より商標取消を申立てられ、被異議人は既に「RIMOWA」商標の存在を知ったので、今回再び類似の係争商標を申請し、善意であると認めることができず、法により当該商標を登録してはならないという。 

最高行政裁判所、商標は日本企業ピップ株式会社の4つの先行商標と近似するとして登録不可と判断

最高行政裁判所の判断は下記のとおりである:商標(係争商標)の図における日本語の「」(Yi-Li-Pan)は異議を申立てる商標1の「」における日本語のの読み方(Yi-Li-Ki-Pan)と類似し、なお、その中国語の「易利絆」は異議を申立てる商標2の「益立絆」の読み方と完全に同様であり、異議を申立てる商標3の「易利氣」の最初の中国語文字の「易利」の読み方及び外見と同様であり、係争商標は異議を申立てる商標4の「ELEKIBAN」の外見と異なるが、両者の読み方はほぼ同様であり、なお、両当事者の商標は同じく「医療用湿布」等の同一又は類似商品の使用に指定され、さらに、異議を申立てる各商標は係争商標の登録日前に既に消費者に広く知られているので、知的財産局の係争商標取消の処分を維持した知的財産裁判所の判決は法令に違反しておらず、上告人(被異議人)の上告を棄却した。 

法律コラム

公平交易委員会が米クアルコム社を処罰したことについて

台湾公平交易委員会(日本の公正取引委員会に相当、以下「TFTC」という)は、2年8ヶ月間の自発調査を経て、今年10月11日に決定を下し、米クアルコム社(以下「クアルコム社」という)がCDMA、WCDMA及びLTE等の移動体通信ベースバンドチップ市場において独占地位を占めながら、下記のような不公正な競争手段をとったことは、ベースバンドチップ市場の公平な競争秩序を害し、公平交易法第9条1号の規定に反するとして、新台湾ドル234億元(約870億円)の課徴金の支払を命じた:(1)競争事業者に対し、標準必須特許(Standard Essential Patents)ライセンスの付与を拒否した上、制限条項を定めるよう要求した;(2)携帯電話メーカーに対し、「ライセンス契約を締結しなければ、チップを提供しない(No license, No chips)」の方針を取った;(3)同業者の競争を排除し、自らの商業取引形態を安定させるために、特定の事業者と排他的取引値引条項を含む契約を締結した。

市場の不公正な競争を排除し、台湾におけるモバイル通信産業の競争を促進させようとし、TFTCは課徴金の支払を命じたほか、クアルコム社に対して、(1)同業者、携帯電話メーカー及びその他の関連する事業者と締結した不正競争契約条項の適用を停止すること;(2)善意及び信義則、平等原則に基づき、期限内にチップの同業者及び携帯電話メーカーと関連する特許ライセンス契約について交渉すること;及び(3)上記交渉の状況を定期的にTFTCに報告すること。

クアルコム社が長年行ったグローバル特許ライセンスのスキームは、TFTCから台湾の公平交易法に違反すると認定されただけでなく、TFTCが自発的に調査を着手した当初から、中国国家発展及び改革委員会は既に2015年2月にクアルコム社の下記行為が、CDMA、WCDMA、LTE移動体通信標準必須特許市場及びベースバンドチップ市場での独占地位を濫用することに該当すると認定し、中国人民共和国独占禁止法等の規定に違反したとして60.88億人民元(約1,030億円)の課徴金を課した:割りに合わない高いライセンス料の請求、正当な理由なしに移動体通信の標準必須特許でない特許との抱き合わせ販売(tie-in)、且つライセンス契約を締結しなければチップを提供しない等。また、韓国公平交易委員会(以下「KFTC」という)も2016年12月に、クアルコム社がチップの競争事業者に標準必須特許のライセンスを拒否した行為は公平、合理的かつ無差別な条件(Fair, Reasonable And Non-Discriminatory、以下「FRAND」という)に違反するほか、チップの提供を手段として、携帯電話メーカーに不公平なライセンス契約を強引に締結させること、且つセットのライセンスのみを提供し、携帯電話メーカーに一方的に決められたライセンス条項を強引に受け入れさせ、さらに無償のクロスライセンスを要求することは市場地位の濫用となり、不公平な競争行為に該当し、「韓国独占管制及び公平交易法」等の規定に違反したと認定し、8.5億米ドル(約950億円)の過料を課した。KFTCは上記過料のほか、クアルコム社に対し、チップ競争相手及び携帯電話メーカーと友好的に交渉してFRANDを満たすライセンス条項を締結するよう要求し、且つ定期的にKFTCに交渉状況を報告する義務を与えた。

以上のように、クアルコム社の移動体通信分野におけるグローバルライセンススキームは多数の国の競争法主務官庁の調査で違法と認定された。TFTCの処分を見れば、TFTCの処分目的は、当該処分を通じて、クアルコム社とチップ競争事業者及び携帯電話メーカーが関連する特許ライセンス契約を改めて交渉させ、抜本的なライセンス契約の修正により、クアルコム社の不公平競争手段を停止させ、関連する産業の公平競争を確実に促進させることである。これは台湾国内の携帯電話チップ供給者、携帯電話ブランド業者、携帯電話メーカー等に対して実に重要な影響を有する。本件はTFTCの標準必須特許のライセンスに対する初めての処分であり、国際間の競争法主務官庁の法律執行傾向に一致するだけでなく、台湾でその他類似する不公平な取扱を受ける事業者に対しも救済手段を提供することになる。