米国で事業を展開して行く上で、雇用者はあらゆる法的問題に直面する可能性があるということを念頭においておく必要があります。その中でも、重要とされているのは、連邦法及び州法上において対象従業員が差別から保護されるということです。 即ち、ハラスメント及び敵対的な職場関係を構築しない様な職場及び従業員からハラスメント及び敵対的な職場に基づいての請求を受理した場合、如何なる対策を取るべきかについて、米国法の概要を説明いたします。本ニュースレーターは大まかに二つの項目に分けて説明します。第1項目では、米国法の差別・ハラスメント法(連邦法及び裁判判例による当該連邦法の解釈)について、紹介します。第2項目では、企業側は当該ハラスメント及び差別を受けた場合、如何なる抗弁があるのか又どのような対策を講じれば良いのかについて説明をします。

1. 米国連邦法の差別・ハラスメント法について

通常、米国の各州では従業員と会社側の雇用関係はAt Willであり、従業員をいつでも、如何なる理由に関わらず会社側は従業員を解雇するとが出来ます。しかし、(1)雇用契約書がある 場合はその契約書の条項に基づき解雇手続きを踏まなければならない及び(2)差別目的による 解雇理由は法律上、禁じられています。法律上、保護の対象を受けることが出来る対象者は(1)性別(2)人種、(3)国籍、(4)年齢、(5)障害、並びに(6)宗派です。

連邦法では更に、ADA(Americans with Disabilities Act)では障害を抱えている名目で解雇をすることは禁じられており、障害をかかえているとの理由で採用をしないことも禁じられています。障害を抱えている従業員が働きやすい職場・施設を設ける義務が雇用主にはあります。

またADEA (Age Discrimination in Employment Act)では40歳以上の従業員を年齢を 理由に解雇をすることを禁じています。

(A) 差別・ハラスメントについて

差別は職場でのハラスメントの一部でセクシャルハラスメントも含みます。例えば、会社側は人種、性別、又は障害の理由により採用しなかった場合に差別のクレームを請求されれる場合もあります。ハラスメントの法的性質が異なり採用後、保護の対象を受ける権利がある対象者(年齢、性別、人種等)が職場でハラスメントの対象となった場合に請求する場合もあります。

(B) セクシャルハラスメントは多くに分けると二つあります。

1. Quid Pro Quo(代償的セクシャルハラスメント)とはなにかと言いますと、従業員の仕事を何か不適切なものと交換条件をすることになります。例えば、会社で昇格する為には又は報酬を上げるから性的関係を持たなければならい、又はデートに誘う等のセクシャルハラスメントのことを表します。具体的には、不快な気持ちにさせる、性的な要求(行動、言葉によるものを含み)その性的要求が仕事の一部又は条件となる場合又はその性的要求を断ること又は受け入れることが職場での仕事の評価につながる場合のことを表します。

Quid Pro Quoハラスメントの場合は通常のハラスメントとは若干異なり、以下の要件を満たすることが必要になります。

(1) 加害者は会社で権力(例えば、原告の上司である事)があることが前提となります。

(2) 被害者は請求する場合、そのハラスメントを受け入れた場合又は断った場合でもで請求することが考えられます。

(3) 加害者が実際にハラスメント行為により利益を得たあるいは損失をしたことを証明することが必要です。

2. Hostile Work Environment(敵対的な職場)とは性的関係を持たなければ ならいこととは異なり、日常的の職場関係で発生するハラスメントを示します。言葉又は行為により、従業員が遂行する職場の任務に不合理的に阻止又は妨害すること又は脅迫的、敵対的又は不快な職場が築きあがる場合を示します。Hostile Work Environmentハラスメントの場合、立証しなければならない要素は以下の通りです。

(1) Severe (激しい、重大な)ハラスメントを受けたこと。これも、時と場合によりますが、一度でも激しい行為・行動があった場合(性的暴行等)でもこのクレームの要素が満たされる場合もあります。

(2) Pervasive(又は、それほど酷くはないけれども、継続的又は日常的に行われる場合) にはこの要素を満たすことも考えられます。

(3) 職務又は任務の遂行を妨害する又は阻止する。

(4) 主観的に不愉快または侮辱的な気持を相手に与える。

(5) 客観的な合理性があること。

セクシャルハラスメントの請求は以下の要件を満たす必要があります。

(A) 性別によるもの:当然ながら、法律は理想、快適又は完璧な職場を約束しているものではありません。従って、ある従業員がただ自分の職場が嫌だからと 、敵対的な環境で働いているとの主張は法的には合理性がありません。 しかし、問題となるのは例えば自分がある人種だから差別の対象となり、同僚で別の人種の従業員は違う扱いをされていることです。その様な主張がある場合、真剣に対応する必要があります。しかし、ただ仲間の従業員が優しくしてくれてないなどのクレームは法的合理性がかけて根拠が無いものと見做されます。

(B) 歓迎されてない行為:ある人に取っては喜ばれることでも、同じことを他の人にした場合、歓迎してもらえないので、この要素を立証することは難しい場合が多いです。セクハラセクシャルハラスメントの請求をする側は客観的及び主観的にその行動・行為を歓迎しなかったことを証明しなければなりません。

2. 企業側は当該ハラスメント及び差別を受けた場合、如何なる抗弁があるのか、又どのような対策を講じれば良いのかについて

これも最高裁判所の判例上で決められてますが、以下2つの要件を満たせば会社側に抗弁があります:(1)社内のポリシー(社内規定)があること;及び(2)そのポリシーがあるのにも関わらず被害者はポリシーを利用しなかった。

会社側としてでは抗弁を有効に活用する場合には何をすれば、いいのか?

先ず、ポリシー事態を従業員に配布することが重要です。例えば、一定の期間に配布する、又は入社した従業員に対してポリシーを配ることも大切です。森の中で木が一本、倒れたとしても誰も聞こえ無い様にポリシー事態が会社の全ての従業員に伝わっていなければ無意味と考えられます。従って、会社側としては、従業員がポリシー事態があることを知っていること並びに従業員に対して教育を定期的に実施することが重要です。

また、ポリシー事態に従うことです。これも、証拠、記録づくりとなり、従業員がポリシーなんか知らなかったと言う主張を防ぐことも考えられます。ポリシーがある場合それに厳密に従う必要があります。例えば、ポリシーを違反した場合、懲戒処分になると記載されている場合、目をつぶって見てみないふりをすることにより、言うまでもありませんが、問題が拡張し、授業員の信頼を失うだけでは無く、ポリシー事態が存在していないことと同様に見做さる場合もあります。また、会社は従業員のクレームを無視したり、請求することを防止したりする行為を避けなければなりません。会社側が重視するべき事項としては、クレームを主張した従業員に対して、罰則または報復措置を講じないことが考えられます。

実際に従業員からのクレームがあった場合、では会社側はどうすればいいのか?

大概の場合、会社は有利な情報を持っている従業員とのみ情報取集する傾向に向きます。それは、勿論、魅力的ですが、それは避けるべきで、全ての従業員から情報を取集することが大切です。

また、加害者と被害者側ともにDUE PROCESS 権利がある(適切かつ正当な手続きにより判断が行われ��いる事)が重要です。両方に今後の調査の流れを時系列で説明し、調査の結果を踏まえて報告し、いかなる処分が下されるかを判断することも大切です。 その判断に至るのが例え難しいからと言え、避けるべきではないです。証拠が無いまたは水掛け論の場合でも、ハラスメントを主張してきた従業員に証拠、調査、記録の分析をした結果、今回、判断に至ることは出来なかったが、もし今後、問題があれば、相談窓口があることを伝える必要があります。

もし、調査の結果、実際にハラスメントが行われていたと判断した場合、会社側は是正措置を講じる必要があります。それは、ハラスメントを止める事と今後、似たような事例を抑制することにもつながることも考えられます。

会社はクレームがあった場合、もぐらの山を無視することは避けるべきで、小さいことでも、無視せず対象することが重要です。小さいことでも、放置すると大きく膨らみ、訴訟になり得る場合もあります。

ポリシー事態になにが含まれるべきなのか?

ポリシー事態に他の方法でハラスメントを報告することが出来ることが記載されることが重要と考えられます。例えば、会社側がトラブルに巻き込まれる理由の一つは一番目のステップとして上司に報告をしないといけない対策を取っている場合です。その場合、上司自身が部下にハラスメントをしている時、適切な措置があるとは当然、言えないからです。

会社としてはいくつかの報告の選択肢を設けることが重要と思われます。また、ハラスメントの請求があった場合、迅速に調査をする必要があります。ハラスメントの請求をしたからといって、その従業員に対して報復をしてはなりません。

ポリシーに全て保護対象者が含まれていることが重要となります。即ち、性別、年齢、人種等の保護対象者となる者たち全てが含まれている事が重要となります。また、他のポリシーに関連していることも重要です。例えば、雇用の機会均等、透明性で請求が出来る仕組み又はハラスメント以外の クレーム対策についての仕組みが講じられていることが大切です。

しっかりしたポリシーがあることにより、問題が拡大する前に早期解決が出来、リーガルリスクを最小減にすることができるかと思われます。

本ニュースレターは如何なる法的アドバイス・助言をも持ちません。当該ニュースレターは、一般的な情報のみ記載されており、配布しております。個別の法律相談につきましては弁護士にご相談いただければと存じます。