7月は、非常に蒸し暑いハノイでこの記事を書いている。

ベトナム は今、強い意欲と勤勉な国民、そして多額の外国直接投資(FDI)に支えられ、どんどん開発が進んでいる。もちろん日本企業に よる投資も多い。当社もそうした日本企業のいくつかと、この国で の投資のサポートについて話し合っている。今回は少し趣向を変え て、ベトナムの投資について書いてみたい。(ナイジェル・コリン ズ/M&A専門弁護士)

ベトナムでの投資については既に色々と書かれているが、私たちが直面する問題 は主に以下のようなものだ。

  • さまざまな取引のしくみに関する判例がないことが投資家には不安となる。
  • 現地通貨ベトナムドン建ての株式投資については為替レート上の懸念がある。
  • 日本企業の対外投資では常にそうだが、当事者間の期待の違いに対処する困難 もある。
  • 独禁法上の問題。「当該の合併」が何を意味するのかが明確でない場合があ る。
  • 取引進行が全般的に遅くスケジュール通りに進まない。どんな取引でも時間的 な余裕を見ておく必要がある。
  • 標的企業に関する信頼できる公開情報が少ない。
  • 他の国と同様、買収後の組織統合に苦労することもある。現地文化に対する深 い理解とコネクションの確立が必須となる。

現地特有の問題への対処能力を持つだけでなく、買収を承認した日本の本社のた めにも取引をきちんと成立させることのできるパートナーやチームを選ぶこと が、ベトナム市場ではことさら重要となる。

欧州のM&A市場では、多くの案件が控えているようだが、6月に成立した取引 の件数は通常より少なかった。このうち興味深い事例を紹介する。