先日、北京知的財産法院から知的財産裁判の典型事例が公表され、法に基づき被告・北京秀潔新興建材有限責任公司に対し、同公司の製造・販売するコンクリート界面処理剤の商品について「墻錮」の字句の使用を直ちに停止し、原告・美巣集団股份公司の経済的損害及び合理的な支出1000万元を賠償するよう命じる判決が下された。

情報によると、これは、北京知的財産法院の創設以来、商標権侵害事件で命じられた最高の賠償額であるという。

侵害の賠償額と訴訟のための合理的な支出の負担を大幅に引き上げることで侵害行為に対する威嚇力を強化することは、北京知的財産法院が現在行っている重要な試みである。

「墻錮」の商標権侵害事件が特例という訳でなく、北京知的財産法院は、「蒙克雷爾(モンクレール)」の商標権侵害事件においても、商標法に規定されている法定賠償額の上限300万元で賠償額を決定しており、ゲーム「全民武侠」の著作権侵害事件においても、先例の裁判で採用されている認定基準に従って、第一審人民法院が事件の証拠を勘案して被告に150万元の賠償を命じた判決を法に基づき支持している。

関連のデータが示すところによると、2014年以前、全国の人民法院における特許権侵害事件の平均賠償額は約8万元であったが、北京知的財産法院の関係責任者の話によると、2015年の同法院における平均賠償額は45万元まで達していて、司法による保護水準が大幅に向上しており、知的財産の価値を認定して保護する上での司法の役割が効果的に発揮されているという。

また、知的財産権侵害の賠償額を引き上げることに加え、司法機関は、情状の重い悪意による侵害行為に対する懲罰的賠償の適用を強化し、権利者が侵害行為を差し止めるために支払った合理的な支出を侵害者に負担させることにも努めている。

今年3月、広東省高級人民法院の龔稼立院長は、法律の改正過程で知的財産権侵害の懲罰的賠償制度を導入し、反復侵害、大規模侵害、侵害を業とするような侵害の悪意が明白な侵害者に対して、法定の裁判手続に従って、実際の損害や侵害による得た利益の具体的な金額を明らかにしたり、又は法定賠償額を合理的に決定する方法を適用する以外にも別に一定額の懲罰的賠償を命じることを人民法院に認めることで、悪意による侵害行為に効果的な制裁を加えることを提案している。

その後、深圳市では懲罰的賠償制度を構築する上で大胆な試みがなされており、パブリックコメントがされた『深圳経済特区の知的財産保護活動を強化する若干の規定』では、悪意により知的財産権が侵害されたとき、人民法院は、様々な要素に基づいて賠償額を権利者が実際に得るべき賠償額の2倍から3倍に引き上げることができるということが明らかにされている。

話によると、北京知的財産法院でも悪意による侵害行為に対する懲罰的賠償の適用強化が検討されているという。

北京知的財産法院の関係責任者が記者に知らせたところによると、同法院で「動的平衡弁」の発明特許権侵害事件が審理されるに際して、被告の事業規模、主観的悪意、特許製品及び被疑侵害製品の単価、業界利益などの要素が総合的に考慮された結果、特許法に規定されている100万元の法定賠償額の上限を超えて、経済的損害150万元及び訴訟のため支出された合理的な費用5万元を賠償すべき旨が被告に命じられたとのことである。四方如鋼公司が悪意により知的財産訴訟を提起したことの損害賠償責任について遠東水泥公司が訴えた事件では、北京知的財産法院は、四方如鋼公司が正当な理由を欠くと明らかに知りながら遠東水泥公司に対して悪意により特許権侵害訴訟を提起して、遠東水泥公司に弁護士費用等の経済的損害を被らせたと認定し、これを賠償するよう四方如鋼公司に命じている。

出所:人民日報