2021年4月25日、国家知識産権局知的財産権発展研究センターは「6G通信技術の特許発展状況の報告書」を発表した。報告によれば、6G通信技術分野において、世界全体での特許出願件数は3万8千項(ファミリ単位)を超え、そのうち中国の特許出願は35%(1万3千項余り)を占め、世界トップの地位となった。
6G通信技術分野では、中国は2009年以降、特許出願件数が急速に増加し始め、アメリカ、ヨーロッパ、日本、韓国などの国・地域を著しく上回り、世界の中で最も特許出願件数の貢献率が高い国になっている。
世界の6G通信技術イノベーションは海外企業が先頭に立っているが、中国の大学や科学研究機関もまた6Gイノベーションの主要な勢力となっている。世界の特許出願件数トップ10の出願人には、日本、アメリカ、韓国の各3社が含まれており、中国電子科学技術大学は第8位となった。
【6G基幹技術に係るグローバル特許出願件数の割合】
【6G基幹技術に係る中国特許出願件数】
【6G基幹技術に係る特許出願件数TOP10の出願人】
●6G基幹技術に係る特許の発展状況
報告書はさらに、テラヘルツ技術、地上・海・空・宇宙の統合技術、決定論的ネットワーク(Detnet)技術、AIに基づくエアインタフェース技術の4つの基幹技術の発展状況に着目して分析を行った。また、特許出願件数における中国の比率は以下の通りである。
【基幹技術に係る中国特許出願件数の比率】
1.テラヘルツ技術について
テラヘルツ技術に関する世界全体の特許出願総数は計7,737項となり、そのうち中国からの出願は世界トップ(3,118項、およそ3,634件)で、世界全体の出願総数の40%を占めている。アメリカは1,585項で2位となった。この技術分野で、世界特許出願件数トップ10の出願人のうち、中国の出願人は6社を占め、いずれも大学と科学研究機関であり、そのうち電子科学技術大学と中国計量大学はトップ2にランクインされている。
2.地上・海・空・宇宙の統合技術について
6G通信の主な発展の方向性に、地上通信ネットワーク、衛星通信ネットワーク、および深海・遠洋ネットワーク構築の融合による空・宇宙・海・地上を統合させたグローバル接続を実現することがある。なかでも衛星通信技術分野において、世界全体での特許出願総数は計25,509項であり、そのうち中国からの特許出願は31%を占める9,159項となり、世界トップの地位を占めている。
3.決定論的ネットワーク(Detnet)技術について
信頼性が高く、遅延が少ない決定論的ネットワークは、6G時代に整備され幅広く適用されると予想される。決定論的ネットワーク分野において、世界全体での特許出願総数は計1,034項となり、そのうちアメリカからの特許出願は世界トップで(573項)、中国からの特許出願は232項(およそ387件)にとどまっている。世界全体の特許出願総数に対し、中国の出願は23%を占めている。
4.AIに基づくエアインタフェーステクノロジーについて
通信の物理層において無線伝送をAIによるディープラーニングと結びつけることが6Gの今後の流れとなると予想される。現在、世界全体での特許出願総数は566項であり、そのうち中国からの特許出願の割合は75%に達し、世界トップとなっている。この分野において中国の出願人は大学や研究機関が主流であり、東南大学、中国電子科学技術大学、南京郵電大学がトップ3となっている。
ソース:http://www.ilinki.net/company/newsdetails?cid=1&id=55283