2018年11月13日に行われた国務院政策定例会議で、『専利代理条例』の改正が2018年9月6日の国務院第23回常務会議で採択され、2019年3月1日から施行すること(国務院令第706号)が発表された。今回の改正は専利代理の質向上を目的としており、また、行政の許可がなければ業務を行えない業種いわゆる登録会計師(公認会計士)、律師(弁護士)、医師(医者)は「医人」や「登録人」などと呼ばれることはないことを考慮し、さらに欧米などの先進国の専利代理業者の呼称を参考にして、「専利代理人」の呼称を「専利代理師」に変更するとともに、専利代理業への参入障壁を下げて、「黒代理」(資格を有しない者が専利代理業務を行う違法行為)を抑止する。今回のもう一つのポイントは、専利代理援助サービスなどの推進である。

 国家知識産権局の賀化副局長は、会議で『専利代理条例』改正の状況を紹介し、国家知識産権局条法司の宋建華司長、司法部立法三局の金武衛副局長と一緒に記者からの質問に答えた。賀副局長の説明によると、今回の『専利代理条例』の改正は、専利代理業界の実際状況の変化に基づいて、国務院の重要な政策を徹底的に実施し、「放管服」(行政簡素化と権限委譲、管理監督の強化、サービスの最適化)改革の要求に適合させ、ビジネス環境を最適化し、市場活力と社会創造力を刺激し、専利代理制度を改善し、業界の健全な発展を促進させることを目的としたものである。

 専利代理業界への参入障壁の引下げは、主に次の三点がある。

 一、専利代理機構の設立審査制度の改革。現行の条例で規定された専利代理機構の設立審査を専利代理業務の従事審査に変更して、工商登記の後に行うものとし、「先照後証」(営業許可証を先に取得し、その後関連する行政許可証を取得する)を実施するものとした。

 二、審査許可プロセスの簡略化。改正後の条例では、改正前の専利代理機構の設立申請は省、自治区、直轄市などの専利管理機関の審査、同意を得る必要があるとの内容が、専利代理業務に従事する場合は、国務院の専利行政部門が直接審理するとの内容に変更された。同時に、実務における専利代理機構の支部機構設立に関する審査が廃止された。

 三、専利代理機構の営業条件の緩和。改正後の条例では、専利代理機構の組織形態をパートナーシップ、有限責任公司などとすると規定され、現行条例に規定されたパートナー、株主、専利代理資格証及び従事経験を有するとした要件に関して改正された。これにより専利代理機構の組織形態の規制が緩和され、パートナーと株主の要件に対して必要な余地が残された。

 賀副局長はまた今回の改正の全体的な構想を次のように説明した。

 一つ目は、行政を簡素化して権限を委譲し、イノベーションと起業を支援し、公衆の負担を軽減し、市場の活力と創造力を刺激することである。具体的には、代理機関の設立審査機構について省級の初審を廃止し、代理機構の組織形態に対する要件を緩和し、受験の申込条件を簡素化し、代理師資格の申請には従事経験を必須とするなどの要件を廃止し、不要な証明書類の提出を廃止する。

 二つ目は、権限委譲と管理を統合し、日々の監督管理を強化し、市場秩序を規範化し、イノベーション主体の合法的権益を保障することである。具体的には、管理部門が代理機構と代理師の業務活動を抽出検査方式で検査、監督し、検査及び処理の結果を社会に公表し、イノベーションを支援し、代理機構と代理師による零細企業及び弱者層への代理援助サービスの提供を奨励し、業務規範を整備し、代理機構による利益衝突審査制度の構築を義務付け、代理機構と代理師の違法行為に関する法的責任を整備する。

 三つ目は、サービスを最適化し、公衆の利便性を高め、サービス効率を向上させることである。具体的には、管理部門が専利代理に関する公共情報の公表を強化し、公衆が代理機構の運営状況及び代理師の業務活動状況を確認できるように検索サービスを提供し、代理師及び代理機構の届出、審査許可の一括オンライン化を実現する。

 今回の『専利代理条例』の改正では、五つの側面で直接又は間接的に専利代理の質向上を目指している。

 第一に、『専利代理条例』の第16条に、専利代理師の署名責任が追加され、専利代理師が取扱いについて署名した専利代理業務に対して責任を負う義務があることが明確に規定された。その目的は、代理師の責任意識を高めることで、より効果的に委任者の合法的権益を保障し、専利の質を向上させることにある。

 第二に、『専利代理条例』の第20条に、専利代理援助サービスの内容が追加された。国は、専利代理機構による特定の層への代理援助サービスの提供を奨励して、零細企業、無収入・低所得者層の専利出願を支援する。

 第三に、『専利代理条例』の第23条に、専利代理機構が情報を公開する内容が追加され、国務院専利行政部門と地方省級専利業務管理部門が代理専利機構と専利代理師の従事関連状況を公表することが規定された。その目的は、公衆に優秀な代理機構を知っても��い、専利代理サービスをさらに最適化することにある。

 第四に、『専利代理条例』の第21条に、業界の自律に関する内容が追加され、専利代理業界組織に会員の自律管理を強化することが義務づけられた。全国的な業界組織は主に中華全国専利代理人協会のことをいう。また、地方の専利代理業界組織も多くの省で設立されている。新たな条例では、専利代理業界組織に専利代理師の業務訓練を実施し、職業倫理と業務規律に関する教育を強化し、業界自律規範に違反した会員に懲戒処分を課すことが義務付けられた。

 第五に、『専利代理条例』の第22条は、更に政府の監視管理を強化する内容となり、国務院専利行政管理部門と省級専利業務管理部門に対し代理機構と代理師の業務活動を抽出検査方式で検査、監督することが義務づけられた。違反の状況を発見した場合は、直ちに法律によって処理しなければならない。

 賀化副局長は、専利代理の質に関する質問への回答の中で、「専利の質を向上させることは、国家知識産権局の重要な業務の一つである。専利代理はイノベーション成果を専利権に転換する重要な部分である。統計データによると、2018年10月末現在、計42,569人が専利代理人の資格を取得し、業務を行っている専利代理人は計18,468人であり、専利代理機構は計2,126である。

 改正『専利代理条例』の発表施行後、国家知識産権局はできる限り迅速に関連部門の規定改正業務を完了させ、専利代理管理システムの整備などソフトとハードの関連作業を行い、業界の監督管理レベルと業界のサービス能力を引き続き向上させ、改正条例の円滑な実施を確保する」と述べた。