「専利法一部分条文改正草案」(専利は特許、実用新案、意匠の総称)が行政院を通過した。この草案では、登録査定後の分割の適用範囲及び期間を拡大したほか、無効審判の審理機能を高め、同時に実用新案の訂正案の審理方式も改正した。また、意匠権の存続期間を延長し、専利包袋の保管スペース問題も解決する。この草案では、さらなる完全な専利保護制度の確立と、国内産業の技術イノベーションの促進が期待されている。

経済部はこの改正案について次のように説明した。

現行の専利法では、特許出願案は、初審査による登録査定書の送達後30日以内に限り分割出願することができたが、草案では、期間を拡大し、特許出願案は、初審査による登録査定書又は再審査による登録査定書の送達後3ヶ月以内に分割出願できることになる。また、実用新案も分割出願の適用対象となる。さらに、無効審判の審理機能を向上させ、無効審判の審理過程において、無効審判請求人が請求理由及び証拠を何度も補充提出し又は権利者が何度も訂正請求を提出することで、事件の審査効率が悪化し、権利の安定性に悪影響が出るのを避けるために、草案では、無効審判請求人の請求理由又は証拠の補充提出期間を、現行の専利法第73条、第74条の1ヶ月から、3ヶ月に延長し、期間を過ぎても提出しない場合は、審酌しないとの規定に変えた。

また、現行の実用新案は実体審査を経ないため、実用新案の権利範囲が任意に変更されることで第三者の権益に影響が出ることを避けるため、実用新案の訂正請求期間を、その実用新案の無効審判事件の審理中、実用新案の技術報告請求の受理中又は訴訟係属中など実体的な問題において紛争があるときに限り、訂正請求をすることができるとし、且つ現行の専利法第118条の形式審査を実体審査に変更するとともに、台湾の意匠産業の発展を促進するために意匠権の存続期間を同法第135条に規定の12年から15年に延長した。

専利の紙文書は、永久保存しなければならないが、数量が膨大であることから、専利包袋の保管スペース不足の問題が深刻になっている。その問題を解決するために、草案では、現行の専利法第143条の包袋永久保存の規定を、保存価値があるものは永久に保存し、その他は保存期間を30年以下とした。

 

 

 

「進化したいなら、「我要学習去」(私が勉強しに行きます)で学ぼう。もっと楽に学習できる」。「インターネット+」教育プラットフォームの「我要学習去」の運営者である快歩(廈門)網路科技有限公司(以下、「快歩公司」という)は、「我要学習去」を商標として登録出願したが、北京市知識産権法院に顕著な特徴に欠けると判断され拒絶査定された。法院は、「関連公衆は、第20689817号商標「我要学習去」(以下、「係争商標」という)を容易にキャッチフレーズとして認識するため、顕著な特徴を備えておらず、しかも快歩公司が提供した証拠も当該係争商標が指定役務に使用したことで顕著な特徴を獲得したことを証明するに足るものでない」と認定した。上訴後、北京市高級人民法院は、快歩公司の上訴を棄却し、商標評審委員会(以下、「商評委」という)による係争商標の登録を認めないとした復審決定を維持する判決を下した。

快歩公司は、2013年10月に登録、設立した。同社には「我要学習去」、「快学幇」と「愛青苗」の三つのブランドがある。2016年7月に、快歩公司は、訓練、教授、学校(教育)、補習(訓練)など第41類の役務を指定して、係争商標の登録出願をした。

中国商標法第11条第1項第3号の規定によると、顕著な特徴に欠ける標識は商標として登録することができない。また、『商標審査と審理基準』の規定によると、商品と役務の特徴を示すフレーズ又は文、一般的な広告宣伝用語は、顕著な特徴に欠けるものに当たる。当該事件の主な争点は、係争商標の「我要学習去」を指定役務において登録出願した場合に、よく使われるキャッチフレーズ又はスローガンに該当し、識別力に欠けるかということである。

関連するフレーズ又は文が独創的かどうか或いは流行しているかどうかは、商標登録に必要とされる顕著な特徴を有するかどうかの判断基準ではない。関連するフレーズ自体の内容が既に関連公衆にキャッチフレーズ、スローガンとして見られている場合、商標登録の基本条件を満たしていないことになる。当該事件では、法院は、「我要学習去」は客観的事実であって奇抜な文言ではないと判断した。

キャッチフレーズ、スローガンが商標として識別力に欠けるかどうかは、係争商標と指定商品又は指定役務の関係を考慮する必要があり、具体的に係争商標のフレーズ又は文が、指定商品又は指定役務の分野でよく使用されている用語かどうかを調べなければならない。もし、あるキャッチフレーズが、事業活動でよく見られるもので、関連公衆が容易にそれをスローガン又は経営理念を表すキャッチフレーズと認識し、商品又は役務の出所を識別する標識と見なさない場合、識���力に欠けるため商標として登録することができない。当該事件の場合、係争商標の「我要学習去」が表す意味は、指定した訓練、教育など第41類の役務と明らかに密接に関連しているため、係争商標をこの分野で使用した場合、関連公衆にキャッチフレーズであると容易に認識され、役務の出所識別機能を果たすための役務提供主体との対応関係を形成することができない。

宣伝効果があるキャッチフレーズ、スローガンは、特定の主体により長期に亘り、大量に使用されることで商標の備えるべき顕著な特性を形成できた場合、関連公衆に商標の標識として認識され、商標として登録し使用することができる。しかしながら、実務では、この種の証拠資料に対する審査が比較的厳しく、一定の数量が求められるだけでなく、係争商標が比較的高い知名度を有するかどうか、既に出願主体と唯一の対応関係を形成しているかどうかも特に審査される。

本件は審理の結果、商標局が係争商標は顕著な特徴に欠ける標識にあたるため、商標として使用してはならないとの理由で係争商標の登録を認めないとする決定を下した。快歩公司はこれを不服として、商評委に復審(拒絶査定不服審判に相当)を請求したが、商標評審委員会は拒絶査定を維持する審決を下した。その後、快歩公司は北京知識産権法院に行政訴訟を提起した。

快歩公司は、「係争商標は使用により比較的高い知名度を有し、既に当社と唯一対応する関係を形成している。「我要学習去」はよく使用されるフレーズではなく、識別力を有しており、「我要学習去」に類似したフレーズも既に登録されている。係争商標の登録が認められない場合、プラットフォームのユーザーの利益を害し、更には公共の利益を害することになる」と主張した。

北京知識産権法院は、審理した結果、「係争商標の「我要学習去」は、既存の一般的な文言であり、関連公衆はそれを商標として認識することが難しい。係争商標は、指定役務において使用した場合に役務の出所を識別する機能がなく、顕著な特徴に欠ける標識に当たるため、商標として登録及び使用することができない。同時に、快歩公司が提出した証拠は、係争商標が使用により比較的に高い知名度を有し、それにより顕著な特徴を備えたことを証明するに足るものでなく、しかも、係争商標の登録を認めるかどうかは公共の利益の範疇にない。また、商標審査と審理は個別事件審査原則に則っており、他の商標の登録状況を、当該事件の係争商標の登録を認めるかどうかの根拠とすることはできない。」との見解を示し、快歩公司の請求を棄却する一審判決を下した。

快歩公司は、一審判決を不服として、北京市高級人民法院に上訴を提起した。審理の結果、北京市高級人民法院は、快歩公司の上訴を棄却し、一審判決を維持する判決を下した。

 

 

【出典:Qualcommウェブサイト】

2018年12月10日に、米国クアルコム(Qualcomm)は、中国福州中級人民法院が、Appleによるクアルコムの2つの特許の侵害を認めて、Appleの4つの中国の子会社に対しiPhoneの販売差し止めを命じる2件の予備的差止命令(Preliminary Injunctions)を出したと発表した。差止対象は、iPhone 6S、iPhone 6S Plus、iPhone 7、iPhone 7 Plus、iPhone 8、iPhone 8 Plus及びiPhoneXなど計7機種であり、この7機種の販売数は、iPhoneの中国での販売数の10%~15%を占めている。クアルコムはこれら2つの特許は既に中国国家知識産権局によって有効と認定されており、Appleの前記の全機種のiOSにおける機能がクアルコムの2つの特許技術を侵害していると主張した。

この2つの非標準必須特許は、ユーザーが写真のサイズや見え方を調整して再フォーマットする機能に関するものと、ユーザーのスマートフォンでアプリケーションを表示、操作する時にタッチスクリーンを使用してアプリケーションを管理する機能に関するものである。

2018年11月30日に法院が下したこの裁定は、中国では始めてのものであり、この予備的差止命令は、Appleとクアルコムとの間の長期にわたる法的紛争の最新の展開でもある。ここ数年、クアルコムは中国での特許侵害について、Appleを相手に既に十数件もの訴訟を提起してきた。この2件の特許のほかに、クアルコムの特許のその他の類似紛争事件も、中国や世界のその他の管轄区域で審理中である。

クアルコムは自社のウェブサイトで、「クアルコムは常にお客様との関係を重視し、長年にわたり信念を把持してきた。Appleはクアルコムの知的財産権の恩恵を受け続けているにもかかわらず、クアルコムに賠償することを拒否している。中国法院の差止命令はクアルコムの特許ポートフォリオの強さをさらに証明するものである」と主張した。

中国はAppleの主要市場の一つであり、Appleの2018年の営業収益の20%近くは中国市場からもたらされたものである。Appleは、権利侵害とされている2つの特許は、旧バージョンのiOS 11を搭載したiPhoneのみに使用されており、現在販売されているiPhoneは全てiOS 12を使用しているので、クアルコムの特許を侵害していないとして、この販売差止令の範囲について疑問を呈した。

Appleは、「Apple製品の販売を差止めるというクアルコムの行動は、世界の監督管理機関によって違法行為が調査されている同社の危険な動きの一つである。iPhoneの全機種は今後も引き続き中国で購入することができる。」との声明を発表した。声明発表のほかに、Appleは翌日(12月11日)、販売差止命令を覆すために、直ちに法院のこの裁定に対して上訴を提起した。

実際、Appleとクアルコムの紛争には長い歴史がある。かつて両社は密接な協力関係にあり、クアルコムがAppleにチップを提供していた。しかし、Appleはクアルコムが市場の独占位を利用して不当なライセンス料(10億ドル)を請求したとして、スマートフォンのチップのライセンス料の支払いを拒否し、クアルコムを相手に訴訟を提起した。

クアルコムは、Appleによるライセンス料の支払い拒否を不満として、米国国際貿易委員会(ITC)にiPhoneの輸入差止を求めた。これにより、両社は果てしない法律戦に突入した。2017年9月、クアルコムが、同社の技術を使用したiPhoneの中国での「製造・販売」の全面差止を求めて北京知識産権法院に訴訟を提起しことで、戦火が中国全土に広がった。

技術的な観点からすると、クアルコムが持っている特許は、3G/ユニバーサル移動通信システム規格(UMTS)と4G/LTE規格を採用する全てのスマートフォンに対し、その技術を使用する「ライセンス料」を徴収することができる。そのため、Apple製品はクアルコムのチップを使用しているか否かにかかわらず、このライセンス料を支払わなければならない。Appleはこのことに対して非常に不満を抱いており、クアルコムが自社のチップ事業を違法な方法で育成していると考えている。

この事件は中国の法院で起こったものではあるが、「米国企業が米国企業を訴える」事件である。Appleとクアルコムは、両社とも世界のエレクトロニクス業界で中核的な地位にある国際的なテクノロジー大手メーカーであり、今の米中貿易戦争の最中、どんな小さな異変でもサプライチェーン市場全体に影響を与える可能性がある。

実は、特許ライセンス料に関するクアルコムとAppleの間の紛争について、2017年10月に台湾公平交易委員会も、クアルコムが台湾・韓国のスマートフォンメーカーに不当な特許ライセンス料を請求したとして、234億台湾ドルの罰金に処す裁定を下したことがある。中国では罰金額が60.88億人民元で、韓国では1.03兆ウォンであった。

事件は雪だるま式に発展し続けてきた。2018年12月14日の台湾鉅亨網の報道によると、12月13日にクアルコムは、Appleに更なる圧力をかけて、和解交渉に持ち込むため、2018年に新機種のiPhone XS、iPhone XS Max及びiPhone XRの販売差止を求めて、中国法院に新たな訴訟を提起した。

Appleは、中国法院の判決結果に基づくと、Appleのスマートフォンはソフトウェアをアップグレートすれば、販売差止命令を回避できると発表した。しかしながら、クアルコムは、差止命令は製品自体に対するもので、オペレーティングシステムに対するものではないとして、Appleの説明を否定した。それと同時にクアルコムは12月12日に法院にiPhone8の開封と販売の録画証拠を提出し、販売差止命令を受けたスマートフォンを販売し続けるAppleの行為は、中国法院が下した販売差止命令に違反していると主張した。

12月13日の英国『フィナンシャル・タイムズ』は、クアルコムが同じ特許に関して、Appleの3つの新機種iPhoneについて、北京法院、青島法院、広州法院に訴訟を提起したことで、この一連の訴訟が世界最大のスマートフォン市場(中国)におけるAppleスマートフォンの信用と販売に打撃を与えるだろうと報じた。ただ、英国『フィナンシャル・タイムズ』が入手した法院の裁決のコピーには、iOSの具体的なバージョンについての言及はなかった。

ドイツのある法院でも、Appleによるクアルコムの5つの特許に対する侵害訴訟を審理中である。これらの特許はiOSのspotlight検索とバッテリー管理機能に関するものである。

これらの訴訟について、多くの特許代理人が独自の見解を出している。Appleはクアルコムに賠償を払い、スマートフォンの販売差止めは公衆の利益に合致しないと主張して、最終裁決に対して上訴を提起できると考える者もいれば、中国が販売差止命令を発することは、Appleによるクアルコムの知的財産権に対する侵害を確信したことの表れであると考える者もいる。産業界は、Appleが公然と法院の差止命令に違反し続ければ、Appleと中国政府との関係がさらに悪化するとみている。

Appleはクアルコムとの権利侵害訴訟から脱却するために、チップの独自研究開発に着手し、クアルコムの所在地であるサンディエゴで通信モジュール関連の人材を募集する準備を開始した。さらにはIntelとの協力を放棄して、自社の開発製品をiPhoneに使用して、製品ライン計画の完成度を上げる考えである。実際に、Appleは自社製チップの製造を目指して、2014年から次々とクアルコム及びブロードコムからワイヤレス通信関連のエンジニアを積極的にヘッドハンティングしてきたが、iPhoneに内臓されている通信モジュールのチップの複雑さから、関連人材を採用したとしても長い時間が必要で、少なくとも2021年までは大きな進展はないとみられている。したがって、2020年に発売される最初の5G iPhoneは、Intelの5Gチップを採用する予定である。

ある研究では、Appleの研究開発が成功すれば、世界的なチップサプライメーカー、特にクアルコムとIntelに影響が出るだろうと指摘している。AppleはIntelのチップに切り換えたが、Intelの部品性能は、クアルコムの部品に及ばず、クアルコムのチップのダウンロード速度はIntelのチップより40%も速く、アップロード速度も20%速いとの研究結果もある。そのため、Appleが独自でチップの開発研究を始めたことは意外なことでもない。

 

【出典:北大法寶】

『規定』には主に次の4点が含まれる。

一、手続的規則:申立主体、管轄法院、申立書の記載事項、審査の流れ、復議、行為保全措置の執行等を含む。

二、実体的規則:行為保全の必要性の考慮要素、担保、行為保全措置の効力の期間等を含む。

三、行為保全の申立に誤りがあるとの認定及びそれを原因とした賠償請求訴訟、行為保全措置の解除等。

四、異なる類型の保全処理の同時申立及び以前の司法解釈の処理等その他の問題。

2001年、『知的財産権の貿易関連の側面に関する協定』における臨時措置に関する規定を履行するために、中国専利法、商標法と著作権法等において、訴訟前の知的財産権侵害の差止に関する規定が追加され、知的財産権の訴訟前の行為保全制度が確立した。同時に、最高人民法院は、『最高人民法院による訴訟前の専利権侵害行為差止の法律適用問題に関する若干規定』(20017月施行)と『最高人民法院による訴訟前の登録商標専用権侵害行為差止及び証拠保全の法律適用問題に関する解釈』(20021月施行)を発表した。

2012年に改正した『中華人民共和国民事訴訟法』第100101条には、訴訟中と訴訟前の行為保全に関する規定が追加され、行為保全制度が全ての民事分野に拡大された。改正した民事訴訟法を徹底的に実施するため、最高人民法院は、『最高人民法院による「中華人民共和国民事訴訟法」の適用に関する解釈』、『最高人民法院による人民法院の財産保全事件の処理における若干問題に関する規定』を制定し、更に行為保全制度を整備した。

非全面的調査の不完全な統計によると、201320175年間で、中国全国の法院が受理した知的財産権の訴訟前の侵害差止事件は157件、訴訟中の侵害差止事件は75件で、裁定維持率はそれぞれ98.564.8%であった。行為保全措置は、知的財産権の権利者が侵害行為を迅速に抑制し、直ちに司法救済を獲得することにおいて一定の役割を果たしている。

中国では知的財産権に関する紛争が頻繁に起こっていることから、中国最高人民法院審判委員会会議で2017717日に『訴訟中の財産保全の申立を起因とした損害責任紛争の管轄問題に関する回答』が採択された。『回答』では、当事者の訴訟を円滑にするため、訴訟中の財産保全の被申立人、利害関係者が、『中華人民共和国民事訴訟法』第105条の規定により提起した、訴訟中の財産保全申立を起因とする損害責任紛争訴訟は、訴訟中に財産保全の裁定を下した人民法院が管轄することが明確に示された。

今回、知的財産権の訴訟前の行為保全の効力について十分検討し明確な期間を規定したことで、知的財産権の保全制度がより完備されたものとなった。

201821

知的財産権紛争の行為保全事件を正確に審査し、当事者の合法的な権益を即時的且つ効果的に保護するために、『中華人民共和国民事訴訟法』、『中華人民共和国専利法』、『中華人民共和国商標法』、『中華人民共和国著作権法』等の関連法律の規定に基づき、審判と実際の執行作業を考慮して、本規定を制定する。

1

本規定において知的財産権紛争とは、『民事案件事由規定』における知的財産権及び競争をめぐる紛争をいう。

2

知的財産権紛争の当事者が判決、裁定又は仲裁裁決の発効前に、民事訴訟法第100条、第101条の規定に基づき行為保全を申立てた場合、人民法院は受理しなければならない。

知的財産権許諾契約の被許諾者が訴訟前に知的財産権侵害行為の差止命令を申立てる場合、独占許諾契約の被許諾者は、単独で人民法院に申立をすることができる。排他的許諾契約の被許諾者は、権利者が申立てをしない状況で、単独で申立をすることができる。通常許諾契約の被許諾者は、権利者から明確に自己の名義で提訴する権限を付与されている場合、単独で申立をすることができる。

3

訴訟前の行為保全の申立は、被申立人の住所地にある知的財産権紛争の管轄権を有する人民法院、又は事件について管轄権を有する人民法院に対してしなければならない。

当事者が仲裁の約定をした場合、前項に規定された人民法院に行為保全を申立てなければならない。

4

人民法院に行為保全を申立てる場合、申立書とそれに対応する証拠を提出しなければならない。申立書には次の事項を明記しなければならない。

(一)申立人と被申立人の身分、送達住所、連絡先

(二)申立をする行為保全措置の内容及び期間

(三)被申立人の行為によって申立人の合法的権益が回復困難な損害を被る又は事件の裁決が執行困難となる等の損害を被ることの具体的な説明を含む、申立の根拠となる事実、理由

(四)行為保全のために提供する担保の財産情報又は資本信用証明書、又は担保の提供を必要としない理由

(五)その他の明記が必要な事項

5

人民法院は、行為保全措置を講じる裁定を下す前に、申立人と被申立人に尋問しなければならない。但し、状況が緊急の場合又は尋問が保全措置の執行に影響を及ぼす可能性がある等の場合はこの限りでない。

人民法院は、行為保全措置を講じる裁定を下した場合又は申立を却下する裁定を下した場合、申立人、被申立人に裁定書を送達しなければならない。被申立人に裁定書を送達することが保全措置を講じることに影響を及ぼす場合、人民法院は、保全措置を講じた後で即時に被申立人に裁定書を送達することができるが、遅くとも5日を超えてはならない。

当事者は、仲裁の過程において行為保全を申立てる場合、仲裁機関を通じて人民法院に申立書、仲裁事件受理通知書等の関連資料を提出しなければならない。人民法院は、行為保全措置を講じる裁定を下し又は申立を却下する裁定を下した場合、裁定書を当事者に送達するとともに、仲裁機関にも通知しなければならない。

6

次のいずれかの事情を有し、直ちに行為保全措置を講じなければ申立人の利益を十分害する場合、民事訴訟法第100条、第101条に規定する「緊急の状況」に該当すると認定しなければならない。

(一)申立人の営業秘密が不法に開示されようとしている

(二)申立人の公表権、プライバシー権等の人身権が侵害されようとしている

(三)係争知的財産権が不法に処分されようとしている

(四)申立人の知的財産権が展示販売会等の時間的制約がある場所で侵害されている又は侵害されようとしている

(五)時間的制約がある人気番組が侵害されている又は侵害されようとしている

(六)速やかに行為保全措置を講じる必要のあるその他の状況

7

人民法院は行為保全の申立を審査するとき、次の要素を総合的に考慮しなければならない。

(一)申立人の請求に、保護を請求する知的財産権の効力が安定しているかどうか等を含む、事実の基礎と法的根拠があるかどうか

(二)行為保全措置を講じなければ、申立人の合法的権益に回復困難な損害が生じる又は事件の裁決が執行困難となる等の損害が生じるかどうか

(三)行為保全措置を講じないことで申立人が被る損害が、行為保全措置を講じたことで被申立人が被る損害を超えるかどうか

(四)行為保全措置を講じることが社会の公共利益を害するかどうか

(五)考慮すべきその他の要素

8

人民法院は、申立人が保護を請求する知的財産権の効力の安定性を審査し判断するとき、次の要素を総合的に考慮しなければならない。

(一)その権利の類型又は属性

(二)その権利が実体審査を経たかどうか

(三)その権利が無効宣告を受けたか又は取消手続中であるかどうか、及び無効宣告を受ける又は取消される可能性があるかどうか

(四)その権利について帰属紛争が存在するかどうか

(五)その権利の効力を不安定にさせる可能性のあるその他の要素

9

申立人は、実用新案権又は意匠権を根拠として行為保全を申立てた場合、国務院専利行政部門が作成した検索報告書、専利権評価報告又は専利復審委員会による当該専利権の有効を維持する旨の決定書を提出しなければならない。申立人が正当な理由なく提出を拒否した場合、人民法院は、その申立を却下する裁定を下さなければならない。

10

知的財産権及び不正競争紛争の行為保全事件において、次のいずれかの事情に該当する場合、民事訴訟法第101条に規定する「回復困難な損害」に当たると認定しなければならない。

(一)被申立人の行為は、申立人が享有する信用又は公表権、プライバシー権等の人身的性質の権利を侵害し且つ回復困難な損害を与える

(二)被申立人の行為は、制御不能な侵害行為につながり且つ申立人の損害を著しく増大させる

(三)被申立人の侵害行為は、申立人の関連市場の占有率を明らかに減少させる

(四)申立人にその他の回復困難な損害を与える

11

申立人は行為保全を申立てる場合、法律により担保を提供しなければならない。

申立人が提供する担保額は、差止命令を受ける侵害行為に関わる商品の販売収益、保管費用等の合理な損失を含む、被申立人が行為保全措置の執行によって被る損失に相当するものでなければならない。

行為保全措置の執行過程において、被申立人が申立人の担保額を超える損失を被る可能性がある場合、人民法院は申立人に対し相応の担保を追加するよう命じることができる。申立人が追加を拒んだ場合、保全措置を解除する又は一部解除する裁定を下すことができる。

12

人民法院が講じる行為保全措置は、通常、被申立人が担保を提供することによって解除されることはないが、申立人の同意がある場合はこの限りでない。

13

人民法院は行為保全措置を講じる裁定を下す場合、申立人の請求又は事件の具体的状況等の要素に応じて保全措置の期間を合理的に確定しなければならない。

知的財産権の侵害行為差止裁定の効力は、通常、事件の判決が発効するまで維持しなければならない。

人民法院は、申立人の請求、担保の追加等の事情に応じて、保全措置を継続する裁定を下すことができる。申立人は、保全措置の継続を請求する場合、期間満了前7日以内に提出しなければならない。

14

当事者が行為保全裁定を不服として復議を請求した場合、人民法院は復議請求を受理してから10日以内に審査し裁定を下さなければならない。

15

人民法院が行為保全を講じる方法及び措置は、執行手続きの関連規定したがって処理する。

16

次のいずれかの事情に該当する場合、民事訴訟法第105条に規定する「申立に誤りがある」に該当すると認定しなければならない。

(一)申立人が行為保全措置を講じてから30

(二)行為保全措置は、保護を請求する知的財産権が無効宣告された等の理由で、最初から不当であった

(三)被申立人に対する知的財産権侵害又は不正競争の差止命令を申立てたが、発効した判決では侵害又は不正競争にあたらないと認定された

(四)申立に誤りがあることに該当するその他の事情

17

当事者が行為保全措置の解除の申立をし、人民法院が申立を受理して審査した結果、『最高人民法院による[]の適用に関する解釈』第166条に規定された事情に合致すると判断した場合は、5日以内に解除する裁定を下さなければならない。

申立人が行為保全の申立てを取下げ又は行為保全措置の解除を申立てたとしても、それによって民事訴訟法第105条に規定された賠償責任は免除されない。

18

105条の規定により提起した賠償請求訴訟についてて、申立人が訴訟前の行為保全申立をした後に訴訟を提起しなかった又は当事者が仲裁の約定した場合、保全措置を講じた人民法院が管轄する。申立人が既に訴訟を提起した場合は、それを受理した人民法院が管轄する。

19

申立人が行為保全、財産保全又は証拠保全を同時に申立てた場合、人民法院は、法律により異なる類型の保全申立について個別に条件を満たしているかを審査し、裁定を下さなければならない。

被申立人が財産の移転、証拠消滅等の行為を実行して、保全の目的が実現できなくなることを避けるため、人民法院は事件の具体的な事情に応じて、異なる類型の保全措置の執行順序を決定することができる。

20

申立人は、行為保全を申立てる場合、『訴訟費用納付弁法』の行為保全措置申立に関する規定に従って申立手数料を納付しなければならない。

21

201911日から施行する。最高人民法院が以前に発表した関連の司法解釈が本規定と一致しない場合は、本規定を基準とする。

 

【出典:国家知識産権局ウェブサイト】

2018年12月5日に、中国国家発展改革委員会は、38部門と連名で通知―発改財金〔2018〕1702号『知的財産権(専利)分野における深刻な信用喪失主体に対する共同懲戒の実施に関する協力覚書』―を発表した。その内容は、知的財産権に対し深刻な侵害行為を行った個人及び機関に対し、一種類又は複数の広い範囲の懲戒措置を講じるというものである。

実は、内容が膨大で58頁もあるこの通知は、既に2018年11月21日に発表されていたが、国家発展改革委員会のウェブサイトで発表されたのは12月5日だった。これは、米国のトランプ大統領と中国の習近平国家主席が2018年12月1日にアルゼンチンで米中貿易戦争の交渉ための会談を行ったことと関係している。今回の米中貿易戦争の主な対立点は、知的財産権問題であり、双方が90日以内にこの問題について合意に至らなかった場合、米国は2千億米ドル分の中国からの輸入製品に対し関税率を10%から25%へ引き上げるとしていた。そのため、中国政府は緊急に知的財産権の監督管理措置を強化し、罰金の引き上げを行った。

双方は、知的財産権保護の強化、技術移転の強要、非関税障壁などに関連した「構造改革」などについて、協議を行うことに合意した。

この通知には、次の内容が含まれている。

  • 中国国家知識産権局は、全国信用情報共有プラットフォームを通じて、法律・規定に基づき、定期的にこの覚書を締結したその他の部門及び機関に知的財産権(専利)分野における深刻な信用喪失(権利侵害)主体のリストを提供するとともに、監督管理を強化し、「法律に基づいて厳重に」違法行為を処罰する。
  • 部門を跨いだ共同懲戒措置には、政府の資金による支援の制限、政府の資金の申請に対する審査の厳格化又は支援の削減、補助金と社会保障資金による支援の制限や、信用喪失状況を金融信用情報基礎データベース及びインターネット信用調査システムに組み入れて、金融機関の融資・与信の際の参考とすることが含まれる。
  • 知的財産権信用喪失主体の非金融債務融資ツールの発行について管理を強化し、規定により関連情報の公開を強化する。同時に、この種の情報を、株式、転換社債の発行審査及び中国の全中小企業の株式の公開譲渡審査の参考とする。
  • 知的財産権の信用喪失主体は、法律により金融機関の実質的支配者、取締役、監査役及び上級管理者に就くことが制限される。金融機関の従業資格を申請する場合は厳しく審査され、既に金融機関の従業者になっている場合は重点的な注意が払われる。

各部門及び機関は、知的財産権(専利)分野における深刻な信用喪失主体に対する共同懲戒作業の実施に関し、以下について合意に達した。

一、共同懲戒の対象

共同懲戒の対象は、知的財産権(専利)分野における深刻的な信用喪失行為の主体的実施者である。当該主体的実施者が法人の場合、共同懲戒の対象は当該法人��びその法定代表者、主な責任者、直接の責任者及び実質的支配者である。当該主体的実施者が非法人組織の場合、共同懲戒の対象は非法人組織及びその責任者である。当該主体的実施者が自然人の場合、共同懲戒の対象は本人である。

知的財産権(専利)分野における深刻的な信用喪失行為は、以下のものである。

  1. 繰り返しの専利侵害行為。各地域の知識産権局が調解又は行政決定により、専利侵害行為が存在すると認定した後も、侵害者が再度同じ専利権を侵害した場合、侵害側に繰り返しの専利侵害行為があるとみなす。
  2. 法律に基づく執行を拒否する行為。既に発効した専利権侵害・模倣行為に対する行政処理決定又は行政処罰決定の執行を拒否する行為、及び地方の知識産権局の法律に基づく調査の実施、証拠収集を妨害する行為は、法律に基づく執行を拒否する行為とみなされる。
  3. 専利代理の深刻な違法行為。専利代理機構が国家知識産権局の確定した経営異常名簿に記載された後、名簿に記載された日から3年を経過しても関連規定を満たさない場合、専利代理に深刻な違法行為が存在するとみなす。
  4. 専利代理人資格証書の名義貸し行為。専利代理人資格証書を変造し、転売し、貸与(有償、無償)したり、又は資格証書、登録証、職印をその他の方法で譲渡するなど。
  5. 正常でない専利出願行為。国家知識産権局に『専利出願行為の規範化に関する若干規定』(国家知識産権局令2017年第75号)にいう正常でない専利出願に属すると認定された行為。
  6. 虚偽文書を提供する行為。権利者が専利出願又は関連事務手続きを行う過程において虚偽の資料又は虚偽の証明書を提供した場合、虚偽文書を提供する行為とみなす。

上記の深刻な信用喪失行為の認定は、『国家知識産権局による知的財産権システムの社会信用制度構築作業の実施に関する若干事項の通知』(国知発管字〔2016〕3号)及びその他の関連文書に基づいて確定する。

二、情報共有及び共同懲戒の実施方法

国家知識産権局は、全国信用情報共有プラットフォームを通じて、法律及び規定により定期的に、本覚書を締結したその他の部門及び機関に知的財産権(専利)分野の深刻な信用喪失主体のリストを提供するとともに、「信用中国」ウェブサイト、国家企業信用情報公示システム、国家知識産権局政府ウェブサイトなどで社会に公開する。その他の部門及び機関は、本覚書の規定に従って共同懲戒措置を実施し、各機関及び部門は、実際の状況に基づいて定期的に実施状況を、全国信用情報共有プラットフォームを通じて、国家発展改革委員会と国家知識産権局にフィードバックする。知的財産権(専利)分野の深刻な信用喪失主体のリストから削除された機関又は個人に対して、関連部門は即時に共同懲戒措置の実施を停止しなければならない。

三、共同懲戒措置

各部門は、関連する法律、法規、規則及び規範的文書の規定により、共同懲戒対象に対し一種類又は多種類の懲戒措置を実施する(関連の根拠と実施部門は[添付文書]参照)

(一)国家知識産権局がとる共同懲戒措置

  1. 監督管理を強化し、法律により違法行為を厳しく処罰する。
  2. 各知的財産権保護センター及び迅速権利保護センターの専利の迅速な権利付与と権利確定及び迅速な権利保護ルートの適用資格を取り消す。
  3. 国家知識産権の模範企業及び優勢企業の申請資格を取り消す。
  4. 国家専利運営試行企業の申請資格を取り消す。
  5. 専利出願時に、専利費用の割引、優先審査などの優遇措置を与えない。

(二)部門を跨いだ共同懲戒措置

  1. 政府の資金の支援を制限する。政府の資金の申請に対する審査を厳格化し又は支援度を引き下げる。(実施部門:財政部、国家発展改革委員会、各級人民政府)
  2. 補助的資金及び社会保障資金の支援を制限する。(実施部門:国家発展改革委員会、財政部、人力資源社会保障部、国有資産監督管理委員会)
  3. 法律によりサプライヤーとして政府調達活動に参加することを制限する。(実施部門:財政部)
  4. 信用喪失状況を金融信用情報データベース及びインターネット信用調査システムに組み入れる。(実施部門:人民銀行などの関連部門)
  5. 金融機関の融資与信時の重要な参考とする。(実施部門:人民銀行、銀行保険監督管理委員会)
  6. 法律により企業債券発行の申請を受理しない。(実施部門:国家発展改革委員会)
  7. 信用喪失主体の非金融債務融資ツールの発行について管理を強化し、更に登録発行に関する作業要求に従って、情報公開と投資家保護メカニズムを強化し、関連リスクを防ぐ。(実施部門:人民銀行)
  8. 信用喪失情報をその他の会社の信用類債券公開発行の許可又は登録の参考とする。その深刻な信用喪失情報を、株式、転換社債の発行審査及び全国中小企業株式譲渡システムでの上場・公開・譲渡の審理時の参考とする。
  9. 金融機関の設立を制限し、法律により金融機関の実質的支配者、取締役、監査役及び上級管理者に就くことを制限する。金融機関の従業資格申請に対して審査を厳格化し、既に金融機関の従業者になっている関連主体については重点的に注意する。銀行カード清算機関、非銀行決済機関の設立を制限する。銀行カード清算機関、非銀行決済機関の持株比率が5%を超えないよう制限する。銀行カード清算機関、非銀行決済機関の実質的支配者、取締役、監査役及び上級管理者に就くことを制限する。(実施部門:国家発展改革委員会、銀行保険監督管理委員会、証券監督管理委員会、人民銀行、市場監督管理総局など金融機関の任職資格に対し承認権限を有する部門)
  10. リスクプライシング原則に基づき、財産保険料を引き上げたり、保険などのサービスの提供を制限したりするよう金融機関に指導する。(実施部門:人民銀行、銀行保険監督管理委員会)
  11. 上場会社又は非上場公開企業の買収の事中・事後の監督管理について重点的に注意する。(実施部門:証券監督管理委員会)
  12. 外貨限度額の承認及び管理時の重要な参考とする。(実施部門:外国為替局)
  13. 国内の国有持株上場会社の株式インセンティブプランを停止し又は株式インセンティブ対象の権利行使資格を終了する。(実施部門:国有資産監督管理委員会、財政部)
  14. 信用喪失情報を国内の上場会社の株式インセンティブプランの実行又は関係者が株式インセンティブの対象になる事中・事後の監督管理の参考とする。(実施部門:証券監督管理委員会)
  15. 信用喪失情報を非上場公開会社の重大資産再編審査の参考とする。(実施部門:証券監督管理委員会)
  16. 信用喪失情報をファンド販売資格審査の参考とする。(実施部門:証券監督管理委員会)
  17. 法律により国有企業の法定代表者、取締役、監査役に就くことを制限する。(実施部門:中央組織部、国有資産監督管理委員会、財政部、市場監督管理総局などの関連部門)
  18. 同一期間内の最低生活保障、医療扶助、臨時扶助などの社会扶助対象、保障性住宅などの保障対象の認定、及びその扶助保障資格の審査の際の重要な参考とする。(実施部門:民政部、住宅都市農村建設部、医療保障局)
  19. 深刻な信用喪失主体に対し、認証機関の資格取得を制限し、認証証書の取得も制限する。(実施部門:市場監督管理総局)
  20. 重点監督管理対象として、日々の監督管理を強化し、抽出検査の割合と頻度を高める。(実施部門:農業農村部、市場監督管理総局、食品薬品監督管理総局、税務総局、応急管理部、林業草原局、中央宣伝部などの関連部門)
  21. 深刻な信用喪失主体の貨物輸出入に対する監督管理を強化し、一定期間内において深刻な信用喪失主体による輸出入関連の貨物の生産、販売を禁止する。(実施部門:市場監督管理総局)
  22. 税関による認証企業の認定を制限し、税関による認証企業の管理適用を申請した場合、認証を許可しない。既に認証企業になっている場合は、規定により企業信用等級を引き下げる。(実施部門:税関総署)
  23. 税関関連業務を行う時に、その輸出入貨物に対し厳格な監督管理を実施し、抜取検査を強化し、監督検査又は後続検査した貨物の内容及び件数の統計をとる。(実施部門:税関総署)
  24. 政府の供給する土地の取得を制限する。国有林地の使用を制限する。重点林業建設プロジェクトの申請を制限する。国有草原の占有承認を制限する。重点草原保護建設プロジェクトの申請を制限する。(実施部門:国家発展改革委員会、自然資源部、林業草原局、農業農村部)
  25. 科学技術プロジェクトの申請を制限し、その深刻な信用喪失行為を科学技術信用記録に記入する。(実施部門:科学技術部)
  26. 専利に関わる違法行為で、生産・販売が停止された商品の広告宣伝を制限する。既に広告がされている場合は、直ちに一時停止しなければならない。(実施部門:国家新聞出版広電総局)
  27. 信用喪失当事者の付加価値電気通信業務経営許可申請及び非営利目的のインターネット情報サービス届出を厳しく審査する。(実施部門:工業・情報化部)
  28. 公務員又は公的機関の職員としての採用を制限する。(実施部門:中央組織部、人力資源社会保障部などの関連部門)
  29. 人民法院により関連規定に基づく消費制限措置がとられた場合、又は信用喪失被執行者リストに入れられた場合は、飛行機の搭乗、列車のソフトスリーパー、G列車の全ての座席、その他の列車の一等以上の座席などの高消費及びその他の生活及び仕事に必要でない消費行為を制限する。(実施部門:最高法院、交通運輸部、民用空港局、鉄路総公司など関連部門)
  30. 不動産の購入及び国有財産権の取引を制限し、旅行、休暇など生活及び仕事に必要でない消費行為を、一定の範囲内に制限する。(実施部門:文化観光部、自然資源部、国有資産監督管理委員会などの関連部門)
  31. 表彰、奨励の取得を制限する。既に取得した表彰、奨励は取り消す。(実施部門:中央宣伝部、中央精神文明建設指導委員会弁公室、国務院貧困者支援開発指導チーム弁公室、全国総工会、共産党青年団中央委員会、全国婦女連合会、中国科学技術協会及びその他の関連部門)
  32. 深刻な信用喪失主体が個人の場合、法律により公的機関の法定代表者として登記することを制限する。深刻な信用喪失主体が機関の場合、当該機関の法定代表者に対し公的機関の法定代表者として登記することを制限する。(実施部門:中央機構編制委員会弁公室)
  33. 信用喪失主体の信用喪失情報をインターネット新聞情報サービス機関を通じて、社会に公開する。(実施部門:中央ネットワーク安全・情報化委員会弁公室)

四、その他の事項

各部門は、本覚書を積極的に実施するために密接に協力し、実施細則と業務手順を制定して、2018年12月末までに、知的財産権(専利)分野の深刻な信用喪失主体に対する共同懲戒を実現する。

本覚書を締結した後、各部門、各分野の関連法律、法規、規定及び規範的文書の改正又は調整が、本覚書と一致しない場合、改正後の法律、法規、規則及び規範的文書を基準とする。実施過程における具体的な運用上の問題については、各部門が別途協議を行って解決する。

 

【出典:国家知識産権局ウェブサイト】

国務院常務会議で、国務院の李克強総理は、北京、天津、河北、上海、広東などの8つの地域では、既にイノベーション促進のための改革措置が試行されており、201713項目の改革措置が既に中国全土に推進されていることを説明した。これにより、次に新たな23項目の改革を更に広範囲に普及させることが決定した。

中国全土に普及させる内容は主に次の通りである。

一、科学技術成果の実用化奨励を強化する。企業に転換した研究機関と公的機関の管理職、研究員が「技術株+現金株」の方式で株を保有することを許可する。科学技術成果実用化の全プロセスに参与する技術管理者を配置する。大学、研究機関が発注などの方式で企業の技術的進歩に参与することを奨励する。

二、科学技術への融資サービスをイノベーションする。資産が少ない企業、利益を創出していない企業を含む中小の科学技術企業向けの融資ルートを開発する。政府株式ファンドによるシードステージ、アーリーステージの科学技術企業への投資を推進する。イノベーション・起業団体は、投資元本及び同時期の事業資金融資の利息に基づき、政府投資ファンドが保有する株式の買い戻しを約定することができる。イノベーション主体の権利侵害による損失を低減するために、専利執行保険、専利権被侵害損失保険などの保険商品の開発を奨励する。

三、科学研究の管理を改善する。国有科学研究機器設備の市場化による運営を推進して、共用化を実現させる。イノベーション政策決定のフォールトトレラントメカニズムを構築する。それと同時に、もともと先に個別の地域で試行されていた3つの改革措置、即ち科学研究者に一定割合の職務成果の所有権を与えること、地域の株式市場にテクノロジー・イノベーション専用ボードを設置すること、地方の大学が独自に人材を採用し職称評定することを許可することを8つの先行試行地域全てに拡大することを推進��る。常務会議では、上記の内容の段階的普及とその他の先行試行改革措置の追跡評価、経験の総括、政策の改善、改革の深化を強化し、質の高い発展を推進するためのテクノロジー・イノベーションの重要な役割をさらに発揮させることが求められた。

専利権者の合法的権益の保護を更に強化し、発明創造を奨励するメカニズム・制度を改善し、実務における効果的な専利保護の成熟した手法を法制化するために、常務会議で、『中華人民共和国専利法改正案(草案)』が可決した。草案では、知的財産権の侵害取締り強化に重点を置いて、海外の制度を参考にして、専利を故意に侵害、模倣した場合の賠償額と罰金額を大幅に引き上げた。これによって、権利侵害に係るコストを顕著に増大させて不法行為の抑制を図る。また、権利侵害者が関連資料の提供に協力するといった挙証責任を明確に規定し、インターネットサービスプロバイダが速やかに権利侵害行為を阻止しなかった場合は連帯責任を負わなければならないことが示された。草案では、発明者或いは創作者 が職務発明創造の収益を合理的に享受できるようにするための奨励メカニズムも明確に規定され、また、専利付与制度も整備された。付録:[1] 考案者は実用新案の場合です。

 

台湾の知的財産局は2018年12月17日に改訂した専利審査基準の発明の単一性に関する章節を公布した。今回の改訂内容は既に2019年1月1日に発効されている。専利法については対応する改訂は行われず、単一性の法定要件に変更はないが、専利審査基準の単一性の章節の改訂後と改訂前の内容を比較すると、改訂後は少なくとも7割以上の変更があり、その変更の多くは、単一性の判断手順及び当該章節に記載された範例の追加や削除である。この手順は審査官が今後単一性の判断を行う際の心証形成の具体的なステップと言えるため、非常に参考にする価値がある。

専利法第33条には「特許出願は、一発明ごとに出願しなければならない。二以上の発明が一つの広義の発明概念に属するときは、一つの願書で特許出願をすることができる」と規定されている。広義の発明概念とは何かについては、専利法施行細則第27条によると、二以上の発明であって技術的に相互に関連しているものをいい、二以上の発明は一つ又は複数の同一の又は対応する特別な技術的特徴を含んでいなければならない。また、特別な技術的特徴とは、特許出願に係る発明全体が先行技術に対する貢献をもたらす技術的特徴のことをいう。

一つの出願案に二以上の独立項が含まれている場合、審査官は先行技術文献を検索する前に、まず独立項が明らかに単一性の要件を満たさないかどうかを判断しなければならない。明らかな要件違反はないと判断した場合、審査官は先行技術文献の検索を行って、「特別な技術的特徴」は何かを把握するとともに、その技術的特徴が先行技術に対する貢献をもたらすものか否かを判断する(もちろん、一つの独立項に特別な技術的特徴が一つだけとは限らない)。改訂後の手順では、単一性の判断は以下のステップで行われる。

(1)各独立項に係る発明が明らかに発明の単一性の要件を満たさないかどうかを判断する。各発明の間に同一の又は対応する技術的特徴がない場合、又は明細書、特許請求の範囲及び図面に記載された先行技術に基づいて、各独立項の同一の又は対応する技術的特徴が先行技術又は出願時の技術常識に属すると認定できる場合、二つの発明の間に明らかに同一の又は対応する特別な技術的特徴が存在しないため、出願案は発明の単一性の要件を満たさないと判断される。

(2)先行技術を検索する。各独立項に係る発明が明らかに発明の単一性の要件を満たさないものではない場合、先行技術を検索しなければならない。原則として、請求項1に係る発明から検索を行い、当該発明に特別な技術的特徴が存在するか否かを判断する。特別な技術的特徴が存在しない場合、各独立項に係る発明の間には、同一の又は対応する特別な技術的特徴が存在しないことになるため、出願案は発明の単一性の要件を満たさないと判断される。

(3)請求項1に係る発明に特別な技術的特徴が存在する場合、更に他の独立項に係る発明がその特別な技術的特徴と同一の又は対応する特別な技術的特徴を有するか否かを判断する。有する場合、他の独立項に係る発明と請求項1に係る発明の間には、同一の又は対応する特別な技術的特徴が存在することになるため、出願案は発明の単一性の要件を満たすと判断される。有しない場合、他のどの独立項に係る発明も請求項1に係る発明と同一の又は対応する特別な技術的特徴が存在しないことになるため、出願案は発明の単一性の要件を満たさないと判断される。

また、通常、以下のような場合、特許請求の範囲が明らかに発明の単一性の要件を満たさないとされる。

(1)各独立項に係る発明間に同一の又は対応する技術的特徴がない。例えば、二つの独立項に係る発明がそれぞれ除草剤と草刈機の場合、除草剤の技術的特徴は組成物の成分であるが、草刈機の技術的特徴は異なる素子の組合せ及びその連結関係であり、二つの発明の間に同一の又は対応する技術的特徴が存在しないため、出願案は発明の単一性の要件を満たさないと判断される。また、例えば、二つの独立項に係る発明がそれぞれ携帯電話用アンテナと携帯電話用ディスプレイの場合、携帯電話用アンテナの技術的特徴はアンテナ素子の組合せ及びその連結関係であるが、携帯電話用ディスプレイの技術的特徴はタッチパネル素子の組合せ及びその連結関係であり、二つの発明の間に同一の又は対応する技術的特徴が存在しないため、出願案は発明の単一性の要件を満たさないと判断される。

(2)明細書、特許請求の範囲及び図面に記載された先行技術に基づき、各独立項の同一の又は対応する技術的特徴が先行技術又は出願時の技術常識に属すると認定できる場合、出願案は発明の単一性の要件を満たさないと判断される。

二以上の独立項を含む出願案において、一つの独立項に新規性又は進歩性がない場合、それは当該独立項に特別な技術的特徴が存在しないことを意味するため、審査官は、当該出願案は単一性の要件を満たさないとの理由で他の独立項について検索しない。この場合、台湾の知的財産局の從来の実務上の処理方法では、他の独立項について検索をしない理由を出願人に特別通知することはなかったが、今回の改訂後の専利審査基準によれば、審査官は、出願人に明確に理解させるために、拒絶理由通知に発明の単一性の要件を満たさない旨の拒絶理由を記載するとともに、単一性の要件を満たさないために検索しなかった請求項を明示しなければならない。

請求項の記載順序における戦略

出願人の立場からすれば、通常、一回の実体審査手数料納付で、出願の全ての請求項が審査対象となることが望ましい(発明の単一性の問題で分割出願となれば、実体審査手数料が更にかかるため)。しかしながら、上述のとおり、審査官は、選択した独立項の検索結果に基づいて出願が単一性の要件を満たさないと判断すれば、他の独立項についての検索を中断する。これは他の独立項の特許性を知りたいという出願人の希望に反するものである。

改訂後の専利審査基準では、前述の判断手順(2)の先行技術を検索する際、審査官は原則として「請求項1」に係る発明から検索をしなければならず、「権利範囲が最も広く」記載された請求項から検索をしなければならないわけではない。これは、請求項1が一般的に最も権利範囲の広い独立項であるとの仮説に基づいている。そのため、請求項1に特許性がない場合でも、より多くの技術的特徴を含む他の独立項に特許性がないというわけではない。これらを踏まえて、当事務所が提案する特許請求の範囲の記載方法は次の通りである。それは、逆に権利範囲の最も狭い独立項(つまり技術的特徴を最も多く有する独立項)を請求項1とし、次に他の独立項を権利範囲の狭いものから広いものという順序で記載するという方法である。このような方法であれば、技術的特徴を最も多く含む独立項でさえ特許性がないという場合を除き、審査官は全ての請求項を順に審査しなければならなくなるため、出願人の納付した実体審査手数料の効果と利益を最大化することができる。