インターネットを通じて商標権侵害商品を販売するというビジネスが増加している。しかしながら、インターネットには国家や地域の境界線がないから、誰でも、いつでも、どこでもサイトを閲覧し、さらにサイトに展示されている商品を購入することができる。インターネットを通じて商標権侵害商品を販売する行為の行為地又はその結果発生地は、どう認定されるべきかは、裁判所の管轄権有無の判断に関わり、実務上の重要な論争となっている。知的財産裁判所の106年(西暦2017年)度刑智上易字第5号刑事判決では、インターネットにアクセス可能な地域を犯罪行為(本件の展示行為)の結果発生地と見なすことができないわけではないという見解が判示されている。

刑事訴訟法第5条第1項では、刑事事件は、犯罪地、被告の住所、居所又は所在地の裁判所が管轄すると、明文で規定されている。最高裁判所72年(西暦1983年)度台上字第5894号刑事判例、及び88年(西暦1999年)度台上字第1134号刑事判決の要旨によると、刑法第4条の規定を参照したうえ、刑事事件でいう犯罪地は、行為地と結果地の両方が含まれると解釈される。

知的財産裁判所の106年(西暦2017年)度刑智上易字第5号刑事判決にかかわった事実の概要は、以下のとおりである。本件被告は、インターネットに、商標の模倣品らしいワイヤレス充電ボードの販売情報を掲載する疑惑があるので、宜蘭県政府警察局刑事警察大隊の警察は、かかるサイトを通じて模倣品らしいものを購入し、被告から宜蘭県のセブンイレブンに郵送された模倣品らしいものを、コンビに受取という方法で受領した。被告は、新竹県にある居住地に、パソコン設備を利用してインターネットに接続し、「露天拍賣(台湾の大手オークションサイト)のアカウントで、上述模倣品らしいものの情報を掲載していた。

知的財産裁判所は、被告がインターネットを通じて不特定多数の者が直接商標模倣品の外観を閲覧できるようにさせたので、インターネットを利用する者が模倣品らしいものをネットで購入できる状態については、被告が予見できるはずである。言い換えれば、被告による模倣品らしいものの販売行為は、被告の展示行為から始まっており、この二段階の行為には、互いにその犯罪の高度、低度関係がある。各段階における展示行為、販売行為が犯罪を犯したかどうかについては、それぞれの主観・客観的構成要件の違いにより結果も異なるが、被告が模倣品販売の罪の構成要件に該当した場合、模倣品を展示する軽度行為は、模倣品販売の重度行為に吸収されるべきであり、たとえ模倣品らしいものを購入した警察には購入の真意がなく、被告模倣品販売の罪が成立しなかったとしても、前段階の展示行為については、依然として商標法第97条で規定されている、「販売の意図をもって商標模倣品を展示する罪」に該当した。

展示行為の後、模倣品らしいものの最終販売先がどこにあるかについては、確かに原展示者が確実に予見できない。しかし、展示当時、被告は、も異なる地域にいる取引対象との取引によって、裁判の管轄が拡大される可能性があることを予見できるため、被告は、最終販売先につき予見する可能性があると考えられる。予見可能性がある以上、最初の展示行為を行なった場合、かかる展示行為の最終結果地を知らないという弁解は採用できない。このことは、インターネットを通じて犯罪または権利侵害が行なわれたという状況において、より一層明らかになる。よって、インターネットにアクセス可能な地域を犯罪行為(本件の展示行為)の結果発生地と見な巣ことができないわけではない。本件被告は、新竹県にある居住地に、パソコン設備を利用してインターネットに接続し、露天オークションサイトのアカウントで模倣品らしいものの販売情報を掲載、展示しており、その販売地点も新竹地区に限られていないので、被告が模倣品らしいものをパソコン設備を利用してインターネットに接続し、露天オークションサイトに展示することを決定した時には、かかる模倣品らしいものが台湾各地に出回る可能性があることをすでに予見できるが、やはり展示行為を行い、宜蘭県の警察及びその他不特定多数の者に模倣品らしいものの外観を閲覧できるようにさせたので、宜蘭県は、本件の模倣品らしいものの展示行為地及び結果地に含まれると考えられる。