夏季休暇が明け、日常に戻ったロンドンの金融街シティーには、さまざまなプロジェクトを進めようという意欲と活気がみなぎってい る。案件数も十分にあり、アドバイザーの多くが忙しい時期を迎え ようとしているが、まだ本格始動とはいかないプロジェクトもある ようだ。(ナイジェル・コリンズ/M&A専門弁護士)

人気が急上昇しているクラフトビール業界では、ブランドの商標登録件数が前年 比で104%増加し、2007年以降で最高の水準に達した。英知的財産庁によると、 英国におけるビール·ブランドの新規商標登録の件数は、昨年に1,983件とな り、2015年から19%増加した。

新ビール·ブランドの商標登録が急増している背景には、スーパーや大手飲料メ ーカーがかねてからのクラフトビール人気にあやかり、自前の「クラフトビー ル」型製品を導入していることがある。

スーパー各社は、新興の小規模ビール·ブランドの製品を積極的に仕入れるのと 並行して、独立系ビール醸造所によるOEM(相手先ブランドによる生産)など を通じ独自のクラフトビールを開発している。例えば、独格安スーパー大手アル ディは5月、新たに16種類のクラフトビールを発売すると発表した。また、英 小売大手マークス·アンド·スペンサー(M&S)はクラフトビール専門店リア ル·エールと提携し、全国の小規模ビール醸造所からさまざまなビールを調達し ている。各社とも、クラフトビールの豊富な品揃えをセールスポイントとして利 用し、競争力を高める狙いだ。

一方、新ビール·ブランド急増の背景には、全英で独立系醸造所が増えているこ ともある。こうした新興醸造所を触発したのは、カムデンタウン·ブリューワリ ーなど先発の醸造所が大きな成功を収めたことだ。同社は先に、ビールで世界最 大手のアンハイザー·ブッシュ·インベブ(ABインベブ、ベルギー)によって 8,500万ポンドで買収されている。