【出典:中国知識産権網】

「北京福蹄餐飲管理有限公司」(以下、「北京福蹄」という)は、インターネットで人気な中国企業であり、2014年9月に設立された。北京と上海の直営店を持ち、その他の地区は加盟店という方式は、設立当初からの経営方式で、現在、広州、深圳、浙江、山東、河北、江蘇などに加盟店が広がれた。商品は焼き豚足、揚げ豚足、醤油味豚足、おやつ豚足など様々な味の豚足であり、加盟店がSOPに従って料理しやすいように、全て半製品の状態で発送する。主な顧客は女性である。

2年余りで、北京福蹄は既に280店舗を開店させた。食事の時間や否やに関わらず、どの店舗も顧客でいっぱいである。店の商標を守るために、北京福蹄は2016年10月31日中国国家工商行政管理総局の商標局に、「功福咖小蹄大作」という文字商標の登録出願をした。出願番号は、21733696で、第40類の果実の圧搾、食品の加工、食品及び飲料の保存加工、動物のと殺サービス及び剥製加工、食品の冷凍加工、茶っぱの加工、油の加工、製粉、動物の標本の剥製などの商品を指定商品としている。

中国商標局が審査した結果、2017年7月29日に、当該商標の登録出願の拒絶を下した。北京福蹄は初審、復審とも拒絶査定されたことを不服として、北京知識産権法院に訴訟を提起した。2018年8月北京知識産権法院は、北京福蹄が原国家工商行政管理総局商標評審委員会(以下、商標評審委員会)を被告として、商標出願拒絶査定についでの復審行政紛争事件に対して訴訟の結審を発表した。当該事件は、登録商標が漢語文化において「熟語の不適切な使用」に関わり、中国商標法第10条第1項第8号の規定に違反し、商標として使用してはならない問題にあたる。

商標評審委員会は、当該事件の係争商標「小蹄大作」(訳註:「小題大作」が正しい四字熟語である)は間違えた四字熟語で、商標と認可されることは、中・小学生が正しく熟語を認識し、使用することに悪い影響を与え、中国商標法第10条第1項第8号が規定する使用禁止の状況に当たるため、係争商標の登録出願を拒絶した。

北京福蹄は、商標評審委員会が出した上記の決定を不服として、北京知識産権法院に訴訟を提起した。北京福蹄は、「係争商標は「小蹄大作」が含まれているけれども、商標全体は「功福咖小蹄大作」の7文字であり、「小蹄大作」の四字熟語ではなく、この4文字を特別に強調してもいない。係争商標の指定した商品/役務は、中小学生が含まれない一般公衆を対象にして、中小学生の学習と生活に関わらないため、中小学生が熟語に対する正しい認識と使用に影響を生じない。係争商標はその独創性によって、使用されてから極高い知名度と影響力を獲得し、実務的には社会に積極的な影響を与えた。よって、北京福蹄は法院に訴訟に関わる決定を取り消すよう請求する」と主張した。

北京知識産権法院が審理した結果、係争商標は文字商標であり、漢字の「功福咖小蹄大作」で構成されている。北京福蹄が提出した証拠によると、店の標識に明らかに「小蹄大作」の4文字が強調されている(実際の使用形態は写真を参照)ため、社会公衆に係争商標と熟語の「小題大作」(訳註:針小棒大だ)と結びつくことをさせやすい。商標標識は商業のシンボルであり、文化のシンボルでもあり、漢字で構成されたもの又は漢字を主要な識別部分とする標識が特にそうであり、商品の識別または役務の出所の識別の機能のほかに、中国文化の建設発展を促進させる機能も有すべきである。係争商標は我が国の熟語の規範的な使用を外れた標識で、このような熟語の規範的な使用でない商標標識が商標として登録及び使用される場合、中国語の文字に対する正確な理解及と認識に消極的な作用を生じさせ、教育文化に対してマイナスであり、中国語の歴史文化の伝承及び国家文化建設の発展にも悪い影響を与える。これにより、北京知識産権法院は、係争商標は��「その他の悪影響を及ぼす標識」として、登録を認めるべきではないとして、北京福蹄の請求を棄却する判決を下した。

中国で熟語の一部分を同じ発音の文字に切り替えてできた商標について、一部の人は、熟語の発音が同じ又は類似することで、消費者に覚えてもらいやすいため、登録を許可されるべきと考える。しかしながら、現在の商標審査機関及び法院の主流となる意見は、当該種類の商標は中国語の文化伝承及び発展に悪い影響を与えるため、商標の標識として使用することが禁止されている。台湾では、実際に、この類の熟語の駄洒落の商標について、登録可能と考えるのが大半で、中国と違う見解を持っている。

現在、当該事件の一審判決は既に発効され、2018年9月20日までの現時点で、北京福蹄は上訴を提起していない。