米国政府が、第2弾となる25%の輸入関税を発動した。これにより、第1弾と合わせると計500億ドル相当の中国からの輸入品(リスト1およびリスト2)に対して同関税が賦課される事態となった。こうした事態を受け、多くの企業が、中国の工場を介さずに自社の製品や部品を生産できないか、あるいは中国の工場を介すにしても、そこでの生産を最小限に留めることができないかと、自社のサプライチェーンの見直しに乗り出している。米通商代表部(USTR)においては現在、6,000品目を超える中国製品に対する10%の関税賦課(リスト3)に関して、米国企業や輸入者からの意見を精査する一方で、トランプ大統領の要請により、同関税の25%への引き上げについても検討している。

リスト3の関税に関する公聴会は8月23日に終了したが、書面での最終コメントの提出期限は8月30日までとなっていた。リスト2の関税が発動に至るまでのスピードをかんがみると、リスト3の関税は9月末までに発動されるものと推測される。リスト3の関税が10%または25%のいずれになるのかを予測するのは難しいが、現時点でリストに列挙されている対象品のほとんどが最終的なリストにも含まれることになるものと、当事務所では見ている。

ちなみに、リスト1の関税の適用除外を希望する輸入者は、10月9日までUSTRに適用除外申請を行うことができる。現在のところ、USTRが受領済みの適用除外申請のいずれかを認める方向であるか否かについては明らかになっていない。但し、米国商務省が鉄鋼およびアルミニウムに対する別の輸入関税の適用除外を認めたことから、USTRもリスト1に関する適用除外申請を慎重に検討すると信じる理由はあるかと思う。なお、USTRは、リスト2に関する適用除外手続きについては、何ら発表を行っていない。当事務所としては、リスト2に関する適用除外手続きもリスト1のそれとほぼ同じになると考えるが、提出期限はリスト1よりもずっと後になるものと予想する。

以上のような状況を踏まえた上で、米国に製品や部品を輸入する企業は、次の2つの重要な事実に留意すべきである。

第一に、中国製品に対する当該関税(リスト1, 2および3)は、当該リストに記載されている品目分類に該当し、法律上、中国原産品とされるあらゆる輸入品に対して適用される。つまり、これら製品を輸入する者や販売する者の国籍は問われない。企業の多くは、中国製とみなされる製品の組立作業を単に第三国に移転すれば、当該関税を回避できると、誤った理解をされているように見受けられる。しかし、米国の法律上、製品の原産地を変更するには、第三国において中国製部品・構成部材に「実質的な変更 (substantial transformation)」を加え、新たな製品にすることが要求される。

第二に、米通商法第301条に基づく中国製品に対する関税は、輸入鉄鋼およびアルミニウムに対して課せられる米通商拡大法232条に基づいた関税とは別のものである。米通商拡大法232条関税は、ほとんどの国から輸入される鉄鋼およびアルミニウムに対して課せられている。