法令變動

司法院大法官会議解釈、有罪判決を受けた被告には少なくとも 1 回の上訴機会を与えるべき-2017 年 7 月 28 日に公布された司法 院大法官会議釈字第 752 号解釈によれば、刑事訴訟法第 376 条 1 号および 2 号に関わる案件は三審に上告することができないた め、二審が一審の無罪判決を取り消し、自ら有罪判決を下す場合、 1 回も上訴の機会を与えないのは、憲法第 16 条が定める人民の訴 訟権を保障する旨と相違する。よって、この部分は解釈が公布さ れる日より失効し、解釈公布日に上訴期間が経過していない案件 に対して、被告は上訴することができる。(顔正豪弁護士)

労働基準法違反過料共通性原則の制定-労働部は 2017 年 8 月 22 日に「労働基準法違反過料共通性原則」を制定した。当該原則に よれば、労働基準法第 80 条の 1 第 2 項に従って過料を課す場合、 違反行為に関係する労働者人数、違法の累計回数及び未払い金額 を裁量基準とするほか、違反行為の悪質性、もたらした影響、事 業者が違反行為によって得られた利益等も斟酌しなければならな い。また、労働基準法第 79 条第 4 項が示す「事業規模に応じて法 定過料最高額の 2 分の 1 まで加重することができる」で言う「事 業規模」は、事業者が違反した時点の所属機構等の雇用人数を含 む。なお、(1)取締役若しくはその他の代表権者の職務執行若しく は事業者の利益のために従事した行為が、これらの者の故意若し くは過失によって、事業者が罰された場合、又は、(2)事業者の職 員、労働者若しくは従業員の職務執行若しくは事業者の利益のた めに従事した行為によって事業者が罰された際、取締役若しくは その他の代表権者の故意若しくは過失によりその防止義務を怠っ た場合、主務官庁は行政罰法第 15 条、第 16 条の規定を斟酌し、 当該取締役又は代表権者に対して同様の過料を課さなければなら ない。(陳錫玉弁護士) 

中国大陸地区人民の台湾における不動産物権設定又は移転許可弁 法の改正-内政部は 2017 年 6 月 9 日に「中国大陸地区人民の台湾 における不動産物権設定又は移転許可弁法」を改正し、当該弁法 第 7 条によれば、中国大陸地区人民が取得する不動産所有権又は 地上権は登記済且つ住宅用のものに限る。また、1 人あたり単独 で 1 件のみ取得することができ、且つ賃貸借又は非住宅用に供し てはならない。中国大陸地区人民が取得した不動産所有権又は地 上権は 3 年間移転又は移転の予告登記をしてはならない。当該弁 法第 17 条の規定により、目的と一致しない使用が発覚された場 合、内政部は許可を取消し又は廃止した上、不動産所在地の地方 官庁に対して、1 年以内に移転するよう権利者に命じなければな らないと通知すべきであり、期間が経過しても移転されなかった 場合、当該弁法第 19 条の規定により、所在地官庁は直ちに競売に かけることができる。(陳家慶弁護士)

国際証券業務支社設置及び遵守事項弁法の制定-金融監督管理委 員会(以下「金管会」という)は 2017 年 8 月 8 日に「国際証券業 務支社設置及び遵守事項弁法」を制定した。当該弁法によれば、 証券会社が台湾で国際証券業務支社(Offshore Securities Unit, OSU)を設置するには、以下の条件を満たさなければならない: (1)ブローカー、アンダーライティング及びディーラー業務を同時 に経営する証券会社であり、且つ直近の会計士監査済財務報告の 純資産額が金管会の基準に満たしていること;外国証券会社が設 置する場合、専ら台湾での営業に使用する資金は前記基準に下回 らないこと;(2)財務状況及び自己資本率が金管会の規定に満たし ていること;(3)法律を遵守して健全に経営し、且つ申請までの 3 年間に重大な法令違反による処分記録がなく、又は処分を受けた が、違法事情が具体的に改善され、金管会又は中央銀行の認可を 受けたこと。(陳錫玉弁護士)

實務見解/法律新聞

労働部、休息日残業の際に天災に遭遇した場合の残業代支給基準 を解釈-労働部の 2017 年 7 月 28 日付通達によれば、労働者が法 定休息日の出勤を同意したにもかかわらず、天然災害が発生し、 「天然災害出勤・登校停止作業弁法」による出勤停止命令が発布 された場合、労働者は出勤しないことができる。労働者が既に出 勤したが、労使のいずれかが安全を配慮して勤務を途中で停止し た場合、既に出勤した分の勤務時間及び賃金は、労働基準法第 24 条 2 項、3 項及び同法第 36 条 3 項の規定に基づいて計算する。(陳 錫玉弁護士)

短文

特許権侵害者の不当利得返還義務

陳家慶弁護士

特許権は固定した形を持たない無体財産権であり、立法者が法律 で創出した権利である。ライセンスなしに他人の特許を実施すること は、他人の特許権を「損耗」させるのではなく、「特許権者の独占的 利益」を侵害することに該当する。但し、「独占的利益」の価値を判 定することは容易ではない。1 つのハイテク電子製品又は通信機器は 常に複数の特許にかかわり、複数の特許が集約される状態において、 個別の特許が侵害されたことによって生じた損害、または利益の範囲 を認定するのはさらに困難でなる。このため、特許権者が侵害者に対 して不当利得の返還を主張する際、受けた利益をどのように計算すれ ば当事者の間の利益のバランスを保つことができるのかは興味深い問 題である。 

民法の規定によれば、法律上の原因なく利益を受け、そのために 他人に損害を及ぼした場合、受けた利益を返還しなければならない。 返還範囲の認定について、実務上、台湾の裁判所は、他人が受けた損 害の程度ではなく、受けた利益を基準に計算すべきと考えている。よ って、この不当利得の概念を特許に当てはまると、特許実施者が他人 の特許を実施し、そのために特許権者に損害を及ぼした場合、特許の 実施によって受けた利益を特許権者に返還しなければならないことを 指す。

施した場合、その受けた利益は免れたライセンス料に相当する額であ る。しかしながら、ライセンス料の計算について、裁判所は未だに統 一見解に至らず、特許権者と特許実施者の間に契約があることを仮定 してライセンス料を推算する説がある一方、製品の税引前平均販売利 益の半分をライセンス料の基準とする説もある。近頃、これらとは別 の見解を持つ知的財産裁判所判決が下された。この判決によれば、た とえ特許を 1 件のみ実施したとしても、特許権者が市場で提供する複 数の特許の包括的ライセンス契約におけるライセンス料を計算基準に することができる。 

特許権者の包括的ライセンス料を計算基準とすることは、「特許 権者の受けた損害」又は「特許権者の失った利益」を「特許実施者の 受けた利益」と混同していると思われる。特許実施者が包括的ライセ ンス契約の全ての特許を実施したわけではない以上、どのようにして 包括的ライセンス料に相当する利益を受けたと認定するのだろうか。 よって、不当利得で受けた利益は、特許実施権者が当該特許を実施す ることによって実際に受けた利益にするべきと思われる。

台湾国内外において、他人の特許を実施する場合に支払うべき合 理的ライセンス料は、「特許の貢献度」を考慮した上で特許実施者が 実際に受けた利益を認定する傾向にある。特許の貢献度を考慮するこ とは、まさに侵害された特許の製品に対する実際の経済価値を考慮す ることである。上記のとおり、1 つの電子製品や通信機器は常に複数 の特許及び様々な資源によって成り立っており、特許の貢献度を考慮 せずに特許実施者の受けた利益を剥奪することは、かえって特許権者 の不当利得となり、当事者間の利益の衡平を図る不当利得制度の本旨 に反すると思われる。