実務見解/法令ニュース

台湾の知的財産局より、2017年1月から12月までの発明特許加速審査(AEP)に関する出願件数の統計データを公表

2017年1月から12月まで特許加速審査(AEP)の出願件数は計364件である。そのうち、台湾出願人からの出願件数は189件、外国出願人からの出願件数は175件である。出願人の国別により、外国出願人よりの出願件数の上位4位は、日本(79)、米国(33)、オランダ(14)及びドイツ(9)である。また、上述364件の出願において、事由1(外国対応出願が当特許庁の実体審査により特許査定されたもの)によって出願されたのは209件であり、その初回通知(審査意見又は特許査定)の平均期間は71.1日であり、事由2(外国対応出願が米、日、欧州などの特許庁の実体審査により審査意見書及び検索報告が通知されたが、まだ査定されていないもの)によって出願されたのは11件であり、その初回通知の平均期間は79.4日である。事由3(商業上の実施に必要なもの)によって出願されたのは110件であり、その初回通知の平均期間は129.7日であり、事由4(発明はグリーンエネルギー技術に関連するもの)によって出願されたのは34件、その初回通知の平均期間は97.2日である。

特許出願に関する台、英微生物寄託制度の相互承認を正式に実施

2017年12月1日に、台、英両方は、「特許出願に関する台、英微生物寄託制度の相互承認」覚え書きがサインして、同日に相互承認を正式に実施する。台、英両方の協力協議により、出願者は、台湾の食品工業発展研究院、又はイギリス境内の寄託機構に寄託するとともに、台湾又はイギリス特許局にその寄託証明書類を提供すると、両方ともその寄託事実を承認し、再び寄託を必要としない。

台湾の知的財産局より、2017年1月から12月までの 特許審査ハイウェイ(PPH)に関する出願件数の統計データを公表

2017年1月から12月まで台米のPPHに関する出願件数は計542件である。2017年1月から12月まで台日のPPHに関する出願件数は計471件である。2017年1月から12月まで台西のPPHに関する出願件数は計0件である。2017年1月から12月まで台韓のPPHに関する出願件数は計14件である。

特許法第29条第4項に記載される「最先の優先権日」は、「復権申請において複数の優先権における最先の優先権日」と解釈すべき

知的財産裁判所は、106年度行専訴字第57号の判決により、特許法が2011年の改正により、第29条に規定される優先権証明書類を遅れて提出することの法律効果を「優先権喪失」から「優先権を主張していなかったことにみなす」に改正し、その法律効果は、あらゆる優先権を撤回することと同様であるため、出願者は、特許法第29条第4項にて優先権の復権を申請すると、その「最先の優先権日」は、改めて解釈すべきであるので、この「最先の優先権日」は、「復権申請において複数の優先権における最先の優先権日」に解釈すべきであり、出願者に救済手段を賦与する立法宗旨に相応しい。

当事者は、案件でその技術分野において通常知識を有する者の技術レベルを争う時に、具体的な証拠を提出すべき

最高行政裁判所は106年度判字第651号の判決では下記のとおり指摘した:当事者は、発明の技術分野において「通常知識を有する者」及びその出願日の「技術レベル」などの事実を争う場合、当事者より証拠を提出してその事実と進歩性の判断に対する影響を具体的に説明しない限り、当事者は、無効審判の証拠により係争特許を容易に完成できるかとうかについて論争した時、既に関連事実について弁論を行い、当事者の意見聴取の権利が保障されたとみなし、不意打判決の問題が存在しない。また、複数の引証案の技術分野は互いの関連性を有しない場合、一般には結合の動機を欠ける。一方、複数の引証案は、技術分野の関連性を有する場合であっても、解決しようとする問題や、生じる機能又は効果の共通性や、教示とアドバイスを有するかとうかなど事項に対してさらに判断を行った上、その技術分野において通常知識を有する者が複数の引証案の技術内容を結合する動機を有するかとうかを判断すべきである。

知的財産裁判所、「(AKA-ONI & AO-ONI及び図)」商標と普威実業株式会社の「(普威設計図)」」商標及び「(地蔵小王設計図)」商標の構成と近似し、かつ同一又は高度類似商品の使用に指定され、消費者に混同・誤認させるおそれがあるとして、登録を取消すべきと判断

知的財産裁判所の106年度行商訴字第43号行政判決は以下のとおり判断した:誼銘実業有限会社の「(AKA-ONI & AO-ONI及び図)」商標と普威実業株式会社の「(普威設計図)」」商標及び「(地蔵小王設計図)」商標と近似し、かつ第25区分のシャツ、ズボン及び運動靴等の同一又は高度類似商品の使用に指定され、上記の要素をまとめて考慮すれば、関連消費者は両商標の商品が同一の出所から出来た物であり、又は両商標の使用者の間に関連企業、ラインセンス関係、フランチャイズ関係若しくはその他の類似関係があると混同・誤認するおそれが非常に高いので、商標法第30条第1項第10号により、「(AKA-ONI & AO-ONI及び図)」商標の登録を取消すべきである。

他人の著名な登録商標を自らの社名とするのは、商標権侵害とみなす

知的財産裁判所は、被告の旺旺国際旅行社株式会社が原告の蔡合旺事業株式会社の同意を得ず、原告の登録済で著名の「旺旺」商標を自らの社名をとするのは、関連消費者に混同・誤認させるおそれがあるとして、商標法第70条第2号に基づき、原告の商標権への侵害に該当すると判断するとともに、被告に「旺旺」文字が含まれない社名の変更を台北市商業処に申込むことを命じた。裁判所���よれば、被告会社の2000年12月の成立の27年前に、原告が所属する宜蘭食品会社は既に「旺旺」商標をクッキー等商品に登録した。原告も1997年から、相次いで台湾及び中国に数十件ほど異なる種類の商品及び役務に登録される「旺旺」商標を取得し、その中は2005年に第39区分の「旅行手配」等の役務に登録された商標を含む。そして、原告はそのブランドで医療、飲食、ホテル、財産保険、メディア等分野に参入し、経営多角化の企業グループに至った。また、その「旺旺」商標は2008年に中国で馳名商標(即ち著名商標)と認定され、2009年から年々に台湾工業局が主催する「台湾国際ブランド価値調査」において上位10位の台湾国際的ブランドとして入選し、数多くの事案で知的財産局及び知的財産裁判所に著名商標と認められた。原告の「旺旺」商標が特定の商品に限り高知名度を有し、被告の経営する旅行業務と関係がないという被告の主張を受け入れることができない。なお、被告会社が同時に公正取引法第22条第1項第2号に違反するという原告の主張について、その条項の保護する表徴は登録済商標であり、同条第2項を参照すれば、上述の商標法の規定を適用すれば結構であり、同条によって重複に保護する必要がないとして、裁判所に棄却された。

訴願(行政不服申立)審議委員会、係争商標の「」と異議申立人の「」及び「SHIMANO XTR」商標と近似し、係争商標が異議申立人の商標と同一又は類似の商品の使用に指定される登録を取消すべきと判断

訴願会は2017年12月19日に訴願決定を下し、決定書では以下のとおり判断した:係争商標「」と異議申立人の「」及び「SHIMANO XTR」商標と比較した結果、共に完全同様の「XTR」を有し、フォントにはデザインがあるか否か、又はその他文字との組み合わせがあるか否かの些細な相違点があり、しかも、係争商標が使用を指定する「自転車」等一部の商品と異議申立人の商標が使用を指定する商品は同一又は類似の商品と考えられる。また、異議申立人の商標が表彰する信用・名誉は係争商標登録日前に既に関連消費者に熟知されている。なお、両商標は自転車及び関連部品における競合相手であり、係争商標権は係争商標登録前に既に異議申立人の商標の存在を認識しており、高等近似の外国語文字の「XTR」を係争商標の一部をとするとともに同一又は類似商品に使用を指定するのは、模倣の意図に基づいた行為と考えざるを得ない。係争商標の「自転車」等商品の使用指定に対する異議が不成立とする知的財産局の一部の決定を取消すべきである。

知的裁判所及び最高行政裁判所、「」(myBook & design)商標の「パソコン、パソコンハードウェアパソコンソフト、」商品の使用指定は米企業Western Digital Technologies, Inc.の登録済の第9区分の「MY BOOK」商標との近似に該当し、消費者に混同・誤認させるおそれがあるとして登録を取消すべきと判断

当事務所は米Western Digital Technologies, Inc.を代理し、既に台湾の関連消費者に認識されている「MY BOOK」商標をもって、台湾大哥大社の「パソコン、パソコンハードウェア、パソコンソフト、」の使用を指定する「」(myBook & design)商標の登録に異議を申し立て、「パソコン、パソコンハードウェア、パソコンソフト」の使用を指定する「」(myBook & design)商標の登録を取消す知的財産局の処分を成功に獲得し、当該取消しの処分を維持する知的財産裁判所及び最高行政裁判所の判決も獲得した。知的財産裁判所は以下のとおり認定した:係争商標「」の図が伝えるコンセプトは「myBook」であり、コンセプト上及び音読上で異議申立人の商標が使用を指定する商品と類似する「パソコン、パソコンハードウェア、パソコンソフト」に使用し、関連消費者は当該商標が表彰する商品の出所について誤認するおそれがあり、商標法第30条第1項第10号により、係争商標の「パソコン、パソコンハードウェア、パソコンソフト」商品における登録を取消すべきである。

最高行政裁判所、CD-Rディスクの標準規格を設けるが許諾実施料を不当に維持するフィリップス社の行為が公正取引法に違反したと判断

オランダ企業フィリップス社は太陽誘電株式会社、ソニー社とオレンジブックを作成しCD-Rディスクの標準規格を制定した上、共同許諾の方式でCD-Rディスク技術市場の独占地位を獲得したが、市場の状況が明らかに変更してもライセンシーに交渉の機会を与えず、引き続き従来の許諾実施料の計算方式を維持する行為は、既に行為時の公正取引法10条2号に反したため、公正取引委員会は2001年から処分を下しフィリップス社に違法行為を停止するよう命じ、過料も課した。フィリップス社は何度も行政救済を提起したが、公正取引員会は2015 年4 月2 日に公処字第104027号処分をもってフィリップス社に180万台湾元過料の処分を下した。フィリップス社は当該処分に不服し行政訴訟を提起したが、知的財産裁判所は2016年6月17日に104年度行公訴字第1号行政判決をもってフィリップス社の主張を棄却し、「特許権者はライセンシーと自由に許諾実施料の金額について交渉することができるが、ある市場の独占企業である場合、私的契約自由の介入を避けるため被告(即ち知的財産局)は実質的に許諾実施料金額の決定に介入してはならないが、特許権者が市場における独占地位に依存し、市場の需要供給の法則を無視して勝手で一方的に許諾実施料の金額を決定し、契約締結するかどうかの選択肢のみをライセンシーに提供し、許諾実施料の交渉余地を与えないのは、独占力の濫用に該当する」と指摘した。フィリップス社は当該判決に対し控訴したが、最高行政裁判所は2017年12月14日に106年度判字第690号行政判決をもって棄却したため、本件は確定した。

法律コラム

薬事法の改正案について

台湾立法院は2017年12月29日に薬事法の一部改正案を可決し、特許連結制度を増訂し、この制度の確立により、ジェネリック薬品の市場販売前に特許侵害紛争を解決することが期待され、ジェネリック製薬会社より特許回避を行うことに促す。

将来の新薬製品許可免許の所有者は、薬品許可免許の受領日から45日以内に、物質、組成物または製法、及び医薬用途の特許情報を提供しなければならない。医薬用途の発明である場合、請求項の項番も記載しなければならない。ジェネリック薬品許可免許の請求者は、薬品許可免許を請求すると同時に、新薬に記載された特許権に対して、下記事項の声明をしなければならない:(1)当該新薬では何らかの特許情報に記載されないこと;(2)当該新薬に対応する特許権は既に消滅したこと;(3)当該新薬に対応する特許権が消滅した後、主管官庁は初めて薬品許可免許を発行すること;(4)当該新薬に対応する特許権が取消すべきであるか、薬品許可免許を請求するジェネリック薬品は、当該新薬に対応する特許権を侵害していないこと。

ジェネリック薬品許可免許の請求人は、登録された特許権が取消すべき、又は権利侵害していないことを主張した場合、新薬薬品許可免許の所有者に通知しなければならない。新薬薬品許可証の所有者は、通知を受けた翌日から45日以内に、侵害の疑いを明確にするために、特許権侵害訴訟を提起することができる。主管官庁は、新薬薬品許可免許の所有者が通知を受けた翌日から15ヶ月以内に、ジェネリック薬品許可免許の請求を審査し続けることができるが、特定の事情(裁判所による未侵害の判決、無効成立、当事者による和解、特許権の消滅など)を除き、薬品許可免許の発行を中断すべきである。先に特許有効性を挑戰する、又は回避に成功するジェネリック薬品許可免許の請求案について、薬品許可免許を取得した後、12ヶ月の販売専有期を有することになる。

最後に、新成分以外の新薬の性質は特殊であるため、新薬薬品許可免許の請求規定を適用し、特許情報を提供しなければならない他に、既に販売許可を受けた新成分新薬の特許権に係わる可能性があるため、ジェネリック薬品許可免許の声明手続も準用すべきである。