日本での食品規制は米国のものよりも厳しい傾向にあ るが、米国でも議論が激化しているものがある。特に カリフォルニア州では数多くの食品関連クラスアク ションが提起されており、注意しておくことが望まし い。

カリフォルニア州北部連邦地方裁判所は、「食品関係 の裁判所」とも知られており、ここ数年、食品、飲 料、化粧品会社に対して、表示に関連する数多くの訴 訟が提起されている。これらの訴訟は、「All Natural」 「Good Source of Antioxidants」「0 Grams Trans Fat」と いったようなパッケージの前面の表示に関するものが 多いが、含有物、分量、パッケージ自体のサイズ等に 関するものも対象となっている。プロクター&ギャン ブル社、ネスレ社のようなフォーチュン500社該当企 業や、ブルームレイ・ティー社、レッドウッド・ヒ ル・ファーム社等の小規模会社に対してもこのような 訴訟が提起されている。

このような表示に関する訴訟は、一見したところ馬鹿 げている・些細なものであるように見受けられるかも 知れないが、数百万ドルの損害賠償判決を受ける可能 性があるだけではなく、主張反論も難しく、また、証 拠開示やクラス認証の段階での重要な争いに備えての 準備も必要となり得る。高額の和解につながったり、 クラスアクションの原告側代理人により革新的な理論 を与えることになったりする可能性がある上、カリ フォルニア州各地やフロリダ州、イリノイ州、ニュー ジャージー州、ニューヨーク州等の連邦・州裁判所で 類似訴訟が発生することも多い。

これらの訴訟では、クラスアクションの手続的要件に ついて十分理解しているだけではなく、連邦法による 優先の原則や技術規制、食品医薬品局、米国農務省、 その他の州・連邦政府機関が発行するガイダンスにつ いての理解が必要となることが多い。「100% Natural」 というのが過去数年間にわたりターゲットとなること が多かったが、そのような表示の食品が少なくなって きていることから技術的規制違反について争われるこ とが多くなるにつれて、そのような傾向が強くなって きている。

例えば、タバコ会社を提訴したことで有名となった原 告の一団が、カリフォルニア州北部連邦地方裁判所に おいて、様々な食品及び飲料の表示がFDAの規制に違 反していると主張して、40件以上の訴訟を提起した。 これらの訴訟での主張は、多くの製造業者が記載する 「濃縮サトウキビジュース」との表示について、本来 は「乾燥サトウキビシロップ」と記載すべきであっ た、と主張するものから、ブレスミントについて1つ のミントではなく4つのミントの分量を記載すべきで あったと主張するものまで、様々である。原告側が勝 訴するか否かについては判断を待つ必要があるが、こ れらの訴訟は非常に高額なものであり、消費者製品の 製造業者に対して、表示や販促関連資料を発行前に注 意深く確認する必要があることを示すものである。