2019年3月28日に中国で初の知的財産権証券化商品「第一創業―文科租賃一期資産支持専項計画」(以下、「文科一期ABS」という)が深圳証券取引所に上場した。文科一期ABSは国家知識産権局、中国証券監督管理委員会、北京市委員会宣伝部、北京市国有文化資産管理センター、北京市知識産権局などの指導の下で発行されたイノベーション商品であり、商品の総価値は7.33億人民元に達する。当該商品は北京市文化科技融資租賃股份有限公司(以下、文化テクノロジーファイナンスリースという)が原始権利者であり、その親会社の北京市文化投資発展集団有限責任公(下、北文投という)が差額の支払を約束し、第一創業証券股份有限公司が引受を担当する。

ü商品の原資産の対象物は全て知的財産権

中国で初めて承認され発行された知的財産権の証券化商品である文科一期ABSの最大の特徴は、原資産のリース対象が、特許、実用新案、著作権等、計51項目の知識財産権であり、芸術実演、映画制作発行、情報技術、デジタル出版等の文化創意分野の多数の細分化された産業が含まれている。原資産は、上記の知的財産権の将来の営業キャッシュフォローを債務返済の基礎としたリース料債権である。これによって、当該ABS商品の原資産が多様化し、リスト管理システムが成熟化、完備化し、発行主体の信用格付けも高くなる等の特有の優位性がもたらされる。ABSの発行は中国の知的財産権証券化の一里塚となり、知的財産権の資本価値転換のスピードも加速する。

ü文化テクノロジーファイナンスリースは企業の知的財産権資金調達の新たな道を開く

今回の発行主体である文化テクノロジーファイナンスリースは2014年に設立した、北文投の子会社である。同社は文化テクノロジー関連の企業を対象に融資・リースなどの総合的な融資サービスの提供を専門に行っており、全国で初めて知的財産権の融資・リース事業、すなわち、企業が所有する知的財産権をリース物とした企業への融資サービスの提供を始めた。これによって企業の無形資産を活性化させることができると同時に、銀行の無形資産での担保信用貸付が可能となり、文化テクノロジー関連企業にとって知的財産権による資金調達という新たな道が開かれた。

これまでに、文化テクノロジーファイナンスリースは、知的財産権の融資・リースで400社以上の文化テクノロジー企業に80億人民元の融資サポートを提供した。そのうち中小企業が占める割合は75%以上、民間企業プロジェクトの割合は92%であり、「北京市サービス業の拡大開放の総合的なバイロットモデル」と評価された。今回の文科一期ABSは、文化テクノロジーファイナンスリースが知的財産権の融資・リース事業を基礎とした資本市場における再度のイノベーションである。

ü様々な部門の努力により最初の発行が成功した

知識産権の証券化作業は、中国の財政部と国家知識産権局等の部門の努力により、知的財産権の担保融資と保険業務が発展し、知的財産権の証券化のための重要な基盤が築かれた。

長い間、知的財産権の証券化には、権利帰属の確認、価値評価、法律適合性とリスク軽減といった主要な4つの障害が存在していた。今回の文科一期ABSは、上記の障害を効果的に解消し、商品を順調に発行できるように、商品計画において慎重な設計が行われた。

(1)文化テクノロジーファイナンスリースは120人の専門チームを組織し、検討を経て知的財産権融資リスク管理システムを構築し、原資産のリスクに対して評価を行った。

(2)会計士、弁護士が商品の全ての資産に対して監査及び法的検証を行った。

(3)格付け会社は、評価結果の公正性と客観性を確保するために、商品のキャッシュフローに対して構造化した階層別格付けを行った。

(4)北文投は、中国で唯一主体信用格付けでAAA評価を獲得した省級の文化投資企業であり、商品の信用補完措置により商品のリスクに対する抵抗力も向上した。

様々な部門の努力により、今回文科一期ABSは市場で認められ、多数の銀行及び非銀行金融機関が今期の商品の投資に参加した。今回文科一期ABSで調達した資金は、全て新しい知的財産権融資・リースプロジェクトのために使用される。これにより、資金のクローズドループが形成され、更に業務規模が拡大することになる。