『最高人民法院による知識産権法廷における若干問題に関する規定』は2018年12月3日に最高人民法院審判委員会第1756回会議において可決された。ここにこれを公布し、2019年1月1日から施行する。

最高人民法院

2018年12月27日

 

最高人民法院による知識産権法廷における若干問題に関する規定

(2018年12月3日に最高人民法院審判委員会第1756回会議において可決、2019年1月1日から施行、法釈〔2018〕22号)

 知的財産権事件の裁判基準を更に統一し、法律によって各種市場主体の合法的な権益を平等に保護し、知的財産権の司法による保護を強化し、科学技術イノベーションの法治環境を最適化し、イノベーション主導型の発展戦略の実施を加速させるために、『中華人民共和国人民法院組織法』、『中華人民共和国民事訴訟法』、『中華人民共和国行政訴訟法』、『全国人民代表大会常務委員会による専利等知的財産権事件の訴訟手続きにおける若干問題に関する決定』等の法律規定に基づき、実際の審判業務を考慮して、最高人民法院の知識産権法廷における関連問題について以下のとおり規定する。

第一条 最高人民法院は、専利(特許、実用新案、意匠)等の専門性・技術性が高い知的財産権に係る上訴事件を主に審理する知的財産権法廷を設置する。

2 知的財産権法廷は、最高人民法院の出先機関である常設の審判機関であり、北京市に設置される。

3 知識産権法廷が下した判決、裁定、調解書及び決定は、最高人民法院の判決、裁定、調解書及び決定とする。

第二条 知識産権法廷は次の各号の事件を審理する。

一 高級人民法院、知識産権法院、中級人民法院が下した特許、実用新案、植物新品種、集積回路配置図設計、ノウハウ、コンピュータソフトウェア、独占など民事事件第一審の判決又は裁定を不服として、上訴を提起した事件。

二 北京知識産権法院が特許、実用新案、意匠、植物新品種、集積回路配置図設計の権利付与、権利確定について下した行政事件第一審の判決又は裁定を不服として、上訴を提起した事件。

三 高級人民法院、知識産権法院、中級人民法院が特許、実用新案、意匠、植物新品種、集積回路配置図設計、ノウハウ、コンピュータソフトウェア、独占の行政処罰などについて下した行政事件第一審の判決又は裁定を不服として、上訴を提起した事件。

四 全国範囲内の重大で複雑な本条第一号、第二号、第三号における第一審民事及び行政事件。

五 本条第一号、第二号、第三号における既に法的効力が生じた第一審事件の判決、裁定、調解書について、法律により再審を請求し、抗訴(人民検察院が判決、裁定に誤りを発見した場合に行う控訴)を提起し、再審するなどの審判監督手続きが適用される事件。

六 本条第一号、第二号、第三号における第一審事件の管轄権に係る紛争、罰金、拘留の決定に対する復議の申立、審理期間延長の申請などの事件。

七 最高人民法院が知識産権法廷によって審理されるべきと判断したその他の事件。

第三条 本規定の第二条第一号、第二号、第三号における第一審事件の審理法院は、規定に基づき速やかに知識産権法廷に紙文書及び電子文書を移送しなければならない。

第四条 当事者の同意を得て、知的財産権法廷は電子訴訟プラットフォーム、中国審判プロセス情報公開サイト及びファックス、電子メール等の電子方式により訴訟書類、証拠資料及び判決文書等を送達することができる。

第五条 知識産権法廷は、電子訴訟プラットフォーム又はオンラインビデオ等の方法を通じて証拠交換、開廷前会議の招集等をすることができる。

第六条 知識産権法廷は、事件の事情に応じて現地又は原裁判の人民法院の所在地で事件の巡回審理をすることができる。

第七条 知識産権法廷は、保全等の措置を講じる場合、執行手続きに関する規定に従って実施する。

第八条 知識産権法廷が審理した事件の立案情報、合議廷の構成員、審判プロセス、判決文書等は、法律により当事者及び一般に公開されるとともに、電子訴訟プラットフォーム、中国審判プロセス情報公開サイトを通じて照会することもできる。

第九条 知識産権法廷の裁判官会議は、裁判長、副裁判長及び若干のシニア裁判官で構成され、重大、困難、複雑な事件などについて議論する。

第十条 知識産権法廷は、関連する事件の審判業務に関する研究調査を強化し、適時に裁判基準及び審理規則を総括して、下級人民法院の審判業務を指導しなければならない。

第十一条 知識産権法院、中級人民法院による法的効力が生じた本規定の第二条第一号、第二号、第三号における第一審事件の判決、裁定、調解書について、省級��民検察院が高級人民法院に抗訴を提起した場合、高級人民法院は、法律により最高人民検察院から最高人民法院に提起するよう省級人民検察院に通知しなければならない。また、審理は知識産権法廷が審理する。

第十二条 本規定の第二条第一号、第二号、第三号における第一審事件の判決、裁定又は決定のうち、2019年1月1日より前になされたものについて、当事者が法律により上訴を提起し又は復議を申立てた場合、原裁判の人民法院の一級上の人民法院が審理する。

第十三条 本規定の第二条第一号、第二号、第三号における第一審事件の法的効力が生じた判決、裁定、調解書のうち、2019年1月1日より前になされたものについて、法律により再審を請求し、抗訴を提起し、再審をする場合、『中華人民共和国民事訴訟法』、『中華人民共和国行政訴訟法』の関連規定を適用する。

第十四条 本規定の施行前に許可を得て専利、ノウハウ、コンピュータソフトウェア、独占の第一審民事事件及び行政事件を受理することができていた基層人民法院は、上記の事件を受理しないものとする。

2 基層人民法院が2019年1月1日の時点でまだ審理を終了していない前項規定の事件について、当事者がその判決、裁定を不服として法律により上訴を提起した場合、一級上の人民法院が審理する。

第十五条 本規定は2019年1月1日から施行する。最高人民法院が以前に公布した司法解釈が本規定と一致しない場合は、本規定に従うものとする。