コンピューターを利用した文書の検討についてのペッ ク裁判官の意見は、非常に著名であり、様々な訴訟で 引用されているところ、同裁判官は、Rio Tinto PLC v. Vale S.A., No. 14 Civ. 3042 (S.D.N.Y. Mar. 2, 2015)におい て、この問題につき新たな意見を述べた。ペック裁判 官は、「文書を提出する当事者が、証拠開示のための 文書検討方法としてTAR(技術を利用した文書の検 討)を利用することを希望する場合、裁判所はこれを 認めることができる、というのは確立された法であ る」と述べた。そして、様々な種類のTARを認めた最 近の連邦判決の例を示した。その上で、この分野にお いて「まだ残っている問題」は、どの文書が関連する ものかにつきコンピューター・システムに「教える」 ために利用される「練習用セットに関して、両当事者 にどの程度の透明性かつ協力が求められるか」であ る、とした。ペック裁判官は、この問題は、事案の性 質や利用される文書検討プロトコルの種類により、異 なる方法で取り扱われる、と述べた。しかし、「TARをキーワードによる検討や手作業での検討より も高いものとすることは」、「TARを文書検討に利用 することにより節約できる金額よりも、申立て等の手 続に要する費用のほうが高額となることをおそれ て、TARの利用が回避される可能性があるため」「不 適切である」と述べた。