デラウェア州迅速仲裁法(「DRAA」)が2015年5月4 日に施行された。この新法は、会社取引の当事者に、 迅速、低費用、秘密の手続により事業に関する紛争を 解決する仲裁手続の選択を可能とするものである。

DRAAは、同法について明確に言及する契約から発生 した紛争にのみ適用される。よって、付属定款や定款 の条項に追加しておくだけでは、同法の適用を選択し たものとは認められない。また、DRAAが適用される ためには、(i)契約当事者の少なくとも一当事者がデ ラウェア州法に基づき設立されたか、又は、主拠点を デラウェア州内に有すること、(ii)契約当事者が消費 者でないこと、(iii)同契約においてデラウェア州法が 準拠法として選択されていること、が必要である。

DRAAには、複数の役立つ条項が規定されている。契 約当事者は、誰が仲裁人を務めるか、又は、仲裁人の 選択方法について、特定することができる。紛争を迅 速に解決するため、DRAAにより、仲裁人は、 (当事者が別途合意しない限り)仲裁人が選択されて から120日以内に最終判断を出すことが求められる。 仲裁人は、迅速に判断を出すことができなかった場 合、当事者が負担する仲裁人の費用が減額されること により制裁を受ける。DRAAによる仲裁手続におい て、当事者は、当事者間の合意で別途規定することは 可能であるものの、関連する証拠を提出し証人の反対 尋問を行うことができる。仲裁人は、証人の出廷や文 書の提出を強制することができる。

DRAAにおける合理化のためのさらなる特徴として、 以下の点が挙げられる。仲裁人は、手続上及び実体上 の仲裁可能性について判断する排他的権限を有する (よって、仲裁契約の範囲についての裁判所での訴訟 が回避される)。デラウェア州最高裁判所 は、DRAA仲裁手続に従って仲裁人が出した最終裁定 に対する控訴についてのみ、検討する管轄を有する。 また、当事者は、控訴権を完全に放棄することについ て合意することができ、かつ、他の仲裁人や仲裁人に よる合議体に最終裁定の再検討をさせるような別の控 訴手続について合意することも可能である。これら は、センシティブな情報を保護するにあたり特に有用 であると考えられる。DRAAにおける仲裁手続は一般 的に秘密であるものの、紛争解決方法に裁判所が関与 した場合には、本来秘密として保護されるはずの情報 が開示される可能性があるためである。

DRAAは、時間と費用を節約する機会を提供するもの である。しかし、DRAA仲裁は紛争時の手続的権利を 大幅に制限するものとなる可能性があることか ら、DRAA仲裁条項を契約に追加する前に、弁護士に アドバイスを求めるべきである。