著作権法第22第1項には、「著作権法に別段の定めがある場合を除き、著作者は、その著作物を複製する権利を専有する」旨の明文規定が置かれている。「複製」には、同法第3条第5号の規定によれば、印刷・複写、録音、録画、写真、筆写その他の方法を用いて、直接的又は間接的、永久的又は一時的に複製するなどの形態が含まれる。したがって、著作者の同意を得ずに、当該著作権を有する著作物を商標の型態で商品に使用した場合は、著作者の複製権を侵害する可能性がある。しかし、他人の著作物を商標図案として智慧財産局(※日本の特許庁に相当)に商標登録出願したが、実際には商品に使用しなかった場合、それが著作権侵害を構成するか否かについては、なお、実務見解上の争いがある。

知的財産裁判所の103年(西暦2014年)度民商訴字第24号民事判決は、使用許諾を受けずに、他人が著作権を有する美術著作物を商標図案として出願書類に複製し、智慧財産局に商標登録出願する行為は「著作者の複製権を侵害する」と認定している。

かかる知的財産裁判所の見解は、著作者の権利を十分に保護し、他人が悪意で商標を冒認出願する行為を有効に阻止することができる。

本事案には、複製権侵害以外にも、著作者人格権の氏名表示権を侵害するか否かに係る紛争が含まれている。本事案の原告は、「被告は係争の美術著作物を智慧財産局に登録出願し、被告を商標権者として登録している。これは、一般の人々に、被告が係争の美術著作物の著作者であると誤認させるに足るものであり、原告の著作者人格権の氏名表示権を侵害している」と主張した。

これに対し、知的財産裁判所は、「著作権法第16条第1項及び第4項には、『著作者は、その著作物の原作品又はその複製物において、若しくは著作物を公表する時に、著作者の実名若しくは変名を表示し、又は無名とする権利を有する。著作者は、その著作物から派生する二次的著作物についても、同一の権利を有する』が、『著作物利用の目的及びその方法が、著作者の利益を害するおそれがなく、かつ、その利用が社会的慣行に反しない場合には、著作者の氏名又は名称を省略することができる』とする明文規定が置かれているから、著作者の氏名表示権を侵害するか否かは、著作物利用の目的、方法及び社会的慣行などの要素を斟酌して総合的に判断しなければならない」と判示した。