環太平洋経済協定(TPP)の概要

TPPはもともとアジア太平洋地域の貿易自由化を促進する手段として、シンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイ(P-4協定)の間で2006年に締結した環太平洋戦略経済協定として知られていました。その名の通り、本来の協定の目的は経済問題に対処するためだけでした。2008年9月に米国が参加するとその他の国々も続いて参加し、2013年7月までにオーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシア、カナダ、メキシコ、そして日本とP-4協定の参加国の数が増加することにより、この協定はTPP貿易大臣により「貿易・投資を自由化し、新たなそして伝統的な貿易問題や21世紀の課題に対処する包括的そして次世代地域協定」として合意されています。2015年6月に米国はオバマ大統領に対し貿易促進権限を承認しました。2015年9月にアトランタで開かれた最終交渉ラウンドがもっとも具体的な交渉だと思われ、厳しい交渉会議を重ねる中で今日協定が最終的にまとまり、TPPは2015年10月6日に締結しています。

TPP交渉の成功裡の妥結は世界のGDPの40%(およそ$28.1兆)を占め、世界貿易の3分の1($11兆)、また約8億人の消費者を占める12カ国のクラブにベトナムを追加することでした。

ベトナムはこの貿易協定の最大の受益者と言われています。ベトナムのGDPはベースラインシナリオよりさらに13.6%の増加するとみられています。世界経済フォーラムによると、ベトナムは他のTPP経済、RECP経済とRCEP-only経済と比較して2025年(すなわち28.2%)にGDPで最も重要な変化を有すると予測されています。TPP加盟国のうち2番目に高い高所得の国のマレーシアをおいて、ベトナムの実質所得は2025年までにまた10.5%増加するとみられています。

TPPはベトナムに国際協力の機会、つまり主要市場とのバランスの関係、米国、日本またカナダを含む巨大市場へのアプローチ、輸出入の後押し、輸入赤字の削減、そして外国からの投資を誘致する機会を最大限活用する為に役立つでしょう。さらに、TPPはまたベトナム経済の再編過程を活発的に支援し、規制改革及び改善、また行政改革を改善できるようにするといった機転の手助けを効果的にするでしょう。

何が次世代貿易協定のためのTPPのテンプレートを作り出しているのか‐WTOレベルを超えて何が約束されているのか?

自由貿易地域

商品に対する取引の誓約

TPPの下で商品、サービスの全ての取引に対する関税及び非関税の障壁は減少し実質的に除去されています。加盟国間での商品の取引に対する輸入税は100%減少し、この協定が施行されれば直ちに90%以上除去される予定です。TPPはまた輸出税、再製造品に対する輸入関税、修理調整品の市場介入、輸出入免許の規制強化、独占商品の輸送といったWTOで対処されていない問題をカバーしています。

TPPによる低関税障壁はベトナムに米国、日本、カナダそしてオーストラリアといった巨大消費市場への参入をよりし易くします。TPPはベトナムの輸出を2025年までに37%以上増加を後押しするような、取引上において潜在的なポジティブ効果が変革するでしょう。特に、ベトナムは8月にEUとのFTAを締結し、4大輸出先のうち3つ(つまりEU、日本そして米国)と自由貿易協定の締結を完了しました。

サービス及び投資に対する取引の誓約

全12カ国の加盟国はこの分野での貿易の自由化について同意しています。電気通信、流通、製造業などWTOと比較するとTPPではより多くの分野が開かれています。

さらに、基本的なWTOの原則(内国民待遇原則(NT)、最恵国待遇原則(MFN)、市場参入、現地拠点)を取り入れたほかに、TPPは加盟国の誓約(すなわち、不適合対策)に示されている以外、加盟国の市場は他のTPP加盟国からのサービス提供者に完全に開放しているといったネガティブアプローチもとっています。条件を明確にするために、加盟国は保全の必要性を証明し、他の加盟国と交渉しなければなりません。もし承認されれば、不適合対策は別のリストに含まれる特定のセンシティブな分野での対策を除くリストのみに制限されます。加盟国は既存の条項よりもより良い規制を導入することが許可されています(ラチェット条項)。TPPには性能除去の義務(すなわち、無条件のローカルコンテンツの要求、輸出条件、特定技術の使用、投資計画の場所など)、また上級管理職と取締役会の合理的な要件が含まれています。特に、TPPの投資章では初めて最恵国待遇原則に関して明確そして透明になり、投資が行われる国に関係なく、マルチ体制をしている国は全ての加盟国の最良投資条件を外国投資家に提供しなければなりません。投資家はまた投資登録段階から政府に対して請願することが可能です。

繊維

繊維製品はベトナムの主要交渉分野の1つです。米国からの提案によると、繊維製品の交渉は他の商品に対する市場参入の交渉とは別に行われます。TPPの特恵関税を適用する為には、繊維商品はTPP加盟国の原糸で生産されなくてはならない原糸基準原則を適用します。しかし、TPPには以下の例外も含まれ(i)TPP以外から供給される特定の材料(供給不足リスト)(ii)TPP以外で行われる特定製造段階(例えば、染め、織りなど)、そして(iii)ある国に特定の繊維製品の輸出と引き換えに別の国で非TPP材料を使用できること。

政府調達

TPPでは特定の商品とサービスの調達を特定の量で公開入札の対象でなければならない政府機関や当局のリストを作成します。この章には内国民待遇原則(NT)及び最恵国待遇原則(MFN)が含まれ、現地商品や現地サプライヤーの使用、技術移転の条件、また双方向の取引及び投資などの現地入札者に有利な入札条件を削除しています。これらの規則は全ての当事者に該当し、中国の入札者が低価格で低品質のサービスで入札に勝利している背景から、特にベトナムは入札手続きを改善し、低パフォーマンスや低容量の入札の資格を剥奪することにより彼ら自身の利益を保護する必要があります。

投資家と国との紛争解決

TPPは投資家と予定地での彼らの投資を非差別の要件を導入することにより保護することを目指しています。つまり、公正衡平待遇、完全な保護及びセキュリティー、補償また適正手続きの無い公共目的のためでない収用の禁止、投資に関係する資金の無料転送、国籍に関係なく上級管理職の任命の自由。

TPPはまた投資家と との間で紛争解決する手段として仲裁手続きを含まれています。これには既存の協定と比較しての次のような新しい条項が入っています。(仲裁手続き、提出書類及び仲裁判断の開示、裁判所に法廷助言者の提出をするための関心のある非紛争当事者の参加)

TPPと古い/既存協定の適用

全てのTPP加盟国はそれぞれが当事者であるために(例えば、WTO協定、北米自由貿易協定(NAFTA)、2カ国間協定)、または少なくても2カ国が当事者として既存の国際協定に下づき既存権利及び義務を承認する必要があります。少なくてもTPP加盟国の2カ国当事者間にTPPの条項とその他の協定の条項との間に一貫性がある場合、当事者間で相互に満足のいく解決策に到達するよう協議を行います。TPPのもとで提供される協定よりもさらに有益な商品、サービス、投資、消費者に対する協定がある場合は矛盾してとらえないようご注意ください。

TPPの遂行期日

この条約が正式に有効になる前に次のステップとして各加盟国で批准されるために、貿易大臣はこの条約の署名式を2016年2月4日にニュージーランドで開催します。TPPは施行されません。TPPは少なくても国のGDPの85%を占める6カ国が批准しない限り施行されません。ベトナム産業貿易省のブー・フイ・ホアン大臣によると、TPPは2018年に有効になる見込みです。