United States v. Pu, 814 F.3d 818 (7th Cir. 2016) (No. 15-1180)において、被告は、元雇用主2社から高速取 引ソフトウェアを密かにダウンロードして利用したとして起訴された。被告は、当該ソフトウェアを 個人的な取引に利用したが最終的に損失を出しており、被告が当該行為から利益を得た証拠はなかった。被告は有罪答弁を行い、36か月間の懲役、及び、元雇用主のうち1社が弁護士費用及び不正流用の 調査に要した費用である75万9649ドル55セントの支払いを命じられた。第7巡回区控訴裁判所が、U.S. v. Hosking, 567 F.3d 329, 331 (7th Cir. 2009)に依拠し、不正行為の調査に要した費用の支払いを命じるこ とは適切である、と判示したところ、被告は、十分な証拠による立証がないことを理由に、当該支払 い命令は不適切である、と主張した。この支払い命令は、弁護士が内部調査を実施するのに要し た15万1500ドル50セント(1時間あたり115ドル50セントから630ドルの、合計9人の弁護士・パラリー ガル・アシスタントが費やした費用の合計額)、及び、調査会社に要した60万8149ドル5セント(1時 間あたり171ドルから567ドルの調査人16人が1818.8時間を費やした費用)の合計額として、75万9649ド ル55セントを要したとの内容の元雇用主の代理委任弁護士からのレターに依拠したものであった。控 訴裁判所は、このレターだけでは不十分である、と判示した。控訴裁判所は、このレターにおいて は、弁護士又は調査人が実際に何を行ったのかが記載されておらず、費やされた時間が合理的なもの であったか否かが記載されていない、と指摘した。そして、「不正流用の調査にあたり専門家がそれ ぞれどのように時間を費やしたかにつき証拠に基づく説明がなければならず」、当該時間が合理的で あったことが示されなければならない、とした。よって、控訴裁判所は、支払い命令を無効とした。