2016年5月16日、連邦最高裁判所は、現実の損害がない場合に原告は当事者適格を有するか否かという 争点に関するSpokeo, Inc. v. Robinsにおいて、意見を出した。ロビンズ氏は、個人データを収集する ウェブサイトであるスポケオ社が、公平信用報告法(FCRA)に違反して同氏及び他のクラスメンバー に関する不正確な情報を流布したとして、同社を提訴した。連邦地方裁判所が当事者適格がないこと を理由に請求を却下した後、第9巡回区控訴裁判所はこれを覆し、ロビンス氏はFCRAに基づく制定法 上の権利違反を適切に主張しており憲法第3条の要件を満たす、と判示した。連邦最高裁判所は、 第9巡回区控訴裁判所の判断は、損害が適切な程度に具体的かどうかを検討するのではなく、特定の損 害を主張していたか否かに注目するものであり、「不完全」であった、と判示した。連邦最高裁判所 は、「具体的」な損害が有形のものである必要はないとしつつも、損害は「抽象的な」ものではなく「真実」のものであることが必要である、とした。このような判断にあたり、制定法に「手続的に違 反しただけ」では憲法第3条を満たすには不十分である、と明示し、「憲法第3条の当事者適格には、制定法違反の場合においても具体的損害が必要とされる」と明確にした。連邦最高裁判所は、「FCRAに手続要件に違反しても損害が発生していないこともあり得る」としつつも、ロビンス氏が十 分具体的な損害を主張していたか否かについて判断することはせず、この点につき判断させるべく第9巡回区控訴裁判所に本件を差し戻した。