最近、国家工商行政管理総局から『工商行政管理総局の商標登録便利化改革の大々的な推進に関する見解』が公表され、ネット上でと地方での商標登録出願を漸進的に実現することが示された。来年から、商標代理機関のみに開放されていたオンライン出願がすべての出願人に拡大され、手続の範囲も従来の商標登録出願のみに限られていたのから商標の更新登録、譲渡、抹消登録、変更などの商標に関する手続に漸進的に拡大される。

 

商標登録出願のルートが拡張され、出願人に利便が提供される

  1. 商標登録出願の受理が地方に委託される。地方の工商行政管理部門、市場監督管理部門が商標局から委託されて、地方の政務ホールや登録ホールに商標受理処を設置し、商標登録出願の受理などの業務を代わって行うようになる。2016年には、四川省雅安市、浙江省台州市などで試行活動が実施されるが、試行状況を見て逐次増設される模様である。
  2. 北京以外の地方に商標審査協力センターが設置される。地域経済の発展水準と商標登録出願の規模に応じて、北京以外の地方に商標審査協力センターを合理的に配置して設置する試行活動が実施される。商標審査協力センターは、商標局から委託されて、商標審査等の業務を担当する。2016年にも試行活動が開始され、試行状況と業務上の必要に応じて時機を見て増設される見通しである。
  3. 地方に登録商標質権登録申請受理所が設置される。地方における商標質入融資の経験を総括して、全国に26ヵ所の登録商標質権登録申請受理所を新設するための業務指導が強化される。2017年から、全国範囲で登録商標質権登録申請受理所が徐々に増設されるとのことである。
  4. オンライン出願が推進される。商標代理機関のみに開放されていたオンライン出願がすべての出願人に拡大される。また、商標登録出願だけを受け付けていたオンライン出願が、商標の更新登録、譲渡、抹消登録、変更などの商標に関する手続に漸進的に拡大される。2017年から、出願人が商標登録出願をするときは、インターネットを経由するか、又は所在地の商標受理処若しくは商標局の登録ホールに出頭して手続をすることができる。

 

手続が簡素化されて改善され、出願人に優良なサービスが提供される

  1. 商標登録の手続が改善される。庁内での手続を調整することなどで、商標登録出願受理通知書が発送されるまでの期間が6ヵ月程度から3ヵ月以内に短縮される。商標登録出願の一部の資料と手続が簡素化されて、書類の書式が整理され、商標局からの通知書も簡略化される。商標登録後の手続の審査も迅速化される。
  2. 商標登録証明書を交付する方式が変更される。部門間での情報の共有と確認が推進され、関連部門及び間連団体で商標の登録状態を確認する際には、商標データベースで確認がされるようになる。商標局が登録商標の状態を書面により証明することが必要なときは、商標ファイルをプリントアウトしたものに「商標登録証明専用印」を押印する方式で処理され、今後、『商標登録証明書』は交付されなくなる。事務処理期間も短縮され、商標登録ホールで直接出願されたものは、その場で処理され、郵送で取り扱うものについては、商標局により5開庁日以内に処理が完了して差出しがされる。マドリッド国際登録商標の登録証明書については、取扱方式に変更がないとのことである。
  3. 商標登録の全手続の電子化が漸進的に推進される。書類の発送受付方法が改革されて、電子商標登録証及び電子送達事務が積極的に推進される。商標データベースが開放され、商標データベースの情報を活用して商標の監督管理活動を強化するよう地方の工商行政管理部門、市場監督管理部門に指導がされる。庁内での執務態勢と社会へのサービス態勢の「2つの態勢」の建設が強化されて、中国商標網のサービス体験の向上が図られ、オンライン調査、オンライン出願、オンライン公告の各システムのスピードアップ、ヴァージョンアップが推進される。
  4. 窓口でのサービス水準のさらなる向上が図られる。商標登録ホールの窓口サービス業務が改善されて、スムーズな意思疎通とサービスのみちが開かれ、商標相談サービスの質の向上が図られる。受け入れられる商品・役務項目のリストと各種商標関連申請の形式審査基準が公表されて、出願人に明確な指針が提供される。また、商標受理処等の商標サービス窓口の規律ある建設が強化される。

 

商標審査体制が改善され、商標審査効率の向上が図られる

  1. 商標審査業務の一部委託とサービス業務の全部外注が実施される。
  2. 独任審査制が積極的に推進される。商標局では、国際商標登録と商標異議申立ての審査にも独任審査が推進される。商標審査協力センターでは、2016年に独任審査の割合を70%以上まで拡大し、9ヵ月の法定期間を厳守した上で商標審査期間をさらに短縮するよう努められる。
  3. 商標審査能力の合理的な配分がされる。
  4. 品質監督管理体制の健全化が図られる。商標審査、商標審判の品質監督管理システムが確立され、抽出検査をする割合が適切に決定される。
  5. 審査経費の支出体制が改善される。現行の経費算定・支出方法が変更されて、商標審査業務を完了するために必要な経費については、サービス購入の形式がとられ、1件の審査コストと審査量に基づいて確保される。経費の前払い制が実施されて、審査業務の奨励体制が確立・改善される。