Omnicare, Inc. v. The Laborers District Council Construction Industry Pension Fundにおいて、連邦最高裁判所は、有 価証券登録届出書において誤った記載がされた場 合、1933年証券取引法第11章により当該証券発行者は 責任を負う、ということを明確にした。

2005年、製薬関連サービスプロバイダーであるオムニ ケア社は、製薬製造会社との契約等の事業実務が州法 及び連邦法を遵守するものである、との意見を記載し た登録届出書を提出した。連邦政府が、製薬製造会社 との契約において違法なキックバック支払いが含まれ ていたと主張した後、投資家は、登録届出書は「重要 な事実について誤った情報を記載するものであ」り、 また、オムニケア社は誤認を回避するために「必要な 事実を記載しなかった」と主張して、第11章違反に基 づき連邦地方裁判所においてオムニケア社を提訴し た。

連邦地方裁判所は、オムニケア社が同社実務につき違 法であると知っていたことを主張できていないとし て、投資家による請求を却下した。控訴審において、 第6巡回区控訴裁判所は、虚偽性についての認識は 第11章違反を主張するにあたり不要であり、原告は、 オムニケア社による遵法に関する届出が客観的に見て 虚偽であったことを主張すれば足りる、と判示し、原 審を覆した。

連邦最高裁判所は、事実に関する情報が後に誤りで あったことのみをもって虚偽の情報を含む届出があっ たとする第6巡回区控訴裁判所による判断を退け、こ れを覆した。しかし、登録届出が全て免責となるわけ ではなく、第11章違反により有責となる場面を2つ提 示した。

第1に、登録届出を行った人物が、記載内容が真実で あると実際には信じていなかった場合には、「虚偽の 届出」となる。裁判所は、登録届出は全て、記載内容 が真実であると主観的に信じていたとの事実に関する 黙示の主張を行うものである、と理由付けた。よっ て、有価証券発行者が、登録届出において表明された 記載内容に同意しない場合には、虚偽表示の重要性等 の他の要件も満たす場合、発行者は第11章により責任 を負う可能性がある。

第2に、登録届出は、記載事項が誤認を発生させるも のでないことを確保するのに必要な重要事実を開示し ていない場合、第11章の「非開示」要件により責任が 発生し得る。連邦最高裁判所は、合理的な投資家であ れば、登録届出における記載事項は、当該事項に関す る発行者の根拠事実を示すものと解釈することができ る、と説明した。例えば、合理的な投資家であれば、 製薬製造会社に対する支払いが正当なものであるとの オムニケア社による記載は、当該支払いの正当性につ き同社が弁護士に相談していたことを黙示に示すもの と理解し得る、とした。同社が実際には弁護士に相談 していなかった場合、当該事実を記載しなかったこと により、誤認を発生させる記載となり得る。

Omnicare判決により、有価証券発行者は、真摯な登録 届出がなされた場合、真摯しかし誤解による信頼につ き厳格責任を負うことへの不安を感じず、自信を持つ べきである。しかし、記載事項に会社の信頼を正確に 反映させるよう気をつけるべきであり、また、当該記 載事項が誤解を発生させるものでないことを確保する のに必要な重要事実を開示すべきである。