デラウェア州衡平法裁判所は、Gorman v. Salamone, 2015 WL 4719681 (Del. Ch. Jul. 31, 2015)における最近の意見に おいて、「デラウェア州法では、株主が、付属定款に おいて授与された権限を通じて会社役員を直接解任す ることは、認められていない」と判示した。この判決 は、デラウェア州企業の運営にあたっての取締役会の 優位性を強めものである。

原告のジョン・ゴーマン氏はウェステック・キャピタ ル社の株主であり、他方、被告のゲイリー・サラモー ン氏は、同社の取締役及びCEOであった。ゴーマン氏 は、取締役会の支配権を得るべく様々な試みを行った 後、株主の過半数により役員を解任し、かつ、この場 合取締役会は当該解任を実施する必要がある、とする 内容にウェステック社の付属定款を変更する書面決議 を得た。そして、ゴーマン氏は、サラモーン氏をCEO から解任して、自身をCEOに指名した。サラモーン氏 は、次の取締役会においてゴーマン氏のこのような行 動につき争い、取締役会はサラモーン氏を支持した。 そこで、ゴーマン氏は、サラモーン氏の同社CEOから の解任が有効であることの確認を求めてデラウェア州 衡平法裁判所に提訴した。

同裁判所は、株主は会社の事業に関する付属定款を採 用する広範な権限を有するものの、「取締役の優位性 の原則を制定法上規定した」デラウェア州一般会社法 第141条(a)項で取締役に与えられた権限及び義務に、 付属定款により不適切に介入することはできない、と 指摘した。同裁判所は、付属定款においてビジネス判 断を行う「過程と手続」を規定することは可能である が、取締役会が「特定の重要なビジネス判断を」どの ように行うべきかについて規定することはできない、 と判示した。

同裁判所は、ゴーマン氏による付属定款の変更は、重 要なビジネス判断に介入するものであり、無効であ る、と判示した。このように判断するにあたり、同裁 判所は、取締役が信任義務に違反することになる場合 であっても、取締役による役員解任を株主が強制する ことが本件の付属定款では認められている、との事実 を非常に重視した。また、本件の付属定款では、コー ポレート・ガバナンスにおいて株主が「アドバイザー としての役割以上の」権限を行使することが認められ ていた。

本判決は、問題となった付属定款を無効とすることに より、取締役会の反対を押し切って株主がデラウェア 州会社の役員を解任することは認められない、という ことを示したものである。より重要な点として、本判 決は、取締役の優位性の原則を強めるものであり、デ ラウェア州会社法において法制化された取締役と株主 の間の力のバランスについて明確なガイダンスを与え るものである。