最近、商標行政訴訟で、北京知識産権法院と北京市高級人民法院は、貴州茅台酒厰グループによる「季工坊」商標への無効宣告請求案件で茅台酒厰の訴訟理由を支持した。当該判決は、企業リーダーの氏名が商標として不正登録された場合、企業が利害関係者として異議申立又は無効宣告請求が提起できるが、その前提条件は当該リーダが如何に企業の利益と関連するか、及び当該個人の氏名が商標として不正登録されると企業の利益を損なうことを証明しなければならないと表明した。

案件紹介

貴州茅台鎮国威酒業(グループ)有限責任公司(以下、「国威社」)は2012年3月7日に第33類の「酒(飲料)」等の商品に第9162734号「季工坊」商標を登録した。

茅台酒厰は2013年10月24日に国家商標評審委員会(商評委)へ商標無効宣告請求をし、当該商標が会社の名誉董事長の季克良の氏名権を侵害し、季克良の先登録した「季克良」商標と類似商標に該当すると主張した。2014年5月1日に、修正後の商標法が正式に発効した。2014年12月3日に、商評委は茅台酒厰に争議商標登録の取消を請求する主体資格がないと判断し、茅台酒厰の無効宣告請求を却下すると裁定した。

茅台酒厰は北京知識産権法院へ起訴した。裁判所は商評委の裁定を取消し、改めて裁定を下すよう商評委に命じた。商評委は一審判決に不服し、北京市高級人民法院へ上訴した。北京市高院は審理したうえ、一審判決を維持した。

裁判所の論証

裁判所は次のように判断した。即ち、季克良は嘗て茅台酒厰の厰長で、且つ、季克良が既に明確に茅台酒厰に対して、その氏名権及び商標権に基づき争議商標取消請求することを授権したので、茅台酒厰は季克良の利害関係者である。これを基に、茅台酒厰には2001年の『商標法』第二十八条により争議商標に対して争議取消請求をする資格がある。故に、商評委の裁定の法適用が誤った。

それに、裁判所は次のことをも示した。即ち、季克良が白酒の業界で高い知名度を有し、「季克良」、「季工」に含まれた利益が同じく茅台酒厰と緊密に関連したので、茅台酒厰は「季克良」、「季工」氏名権の利害関係者である。国威社は第三十三類の酒(飲料)等の商品に争議商標「季工坊」を登録出願し、関連公衆に当該商標が季克良と関連する茅台酒厰からきたと誤認を生じさせ、茅台酒厰の商業的優位性からもたらす利益を損なうことになる。