In re China Medical Technologies, Inc., 539 B.R. 643 (S.D.N.Y. 2015) (No. 12-BR-13736)において、倒産手続 における会社の清算人は、同社の監査委員会に向けて外部弁護士が実施した倒産前の内部調査に関連 する資料にアクセスすることを求めた。破産裁判所は、外部弁護士に対し、秘匿特権で保護されない 資料の提出を命じたが、弁護士と依頼人の間の秘匿特権や職務活動の法理(ワークプロダクトの法 理)で保護される資料については提出を命じなかった。清算人は、提出が命じられなかったこれらの 資料につき、控訴した。当事者は、本件で先例となる秘匿特権についての判例はCFTC v. Weintraub, 471 U.S. 343 (1985)であることにつき合意した。これは、連邦最高裁判所が、倒産前のコミュニケー ションに関する会社の秘匿特権は、破産管財人がコントロール・放棄し得るものである、と判断した ものであった。本件で問題となったのは、会社の経営陣ではなく監査委員会が外部弁護士と行ったコ ミュニケーションにまで、当該判例の理由付けが適用されるか、という点であった。破産裁判所 は、Weintraub判決は個人に関する事案には適用されない可能性を示唆し、監査委員会が独立性を有す る点を根拠に、個人に類似するものである、と判示した。連邦地方裁判所は、監査委員会の立場は個 人の立場と類似するものではなく、むしろ、監査委員会は取締役会からなる委員会で、会社基盤に とって重要なものである、とした。また、同裁判所は、秘匿特権が維持されることの保証がなければ 弁護士と依頼人の間でコミュニケーションは行われなかったはずである、との主張について、同様の 主張がWeintraub判決でも退けられたと指摘して、これを退けた。当該問題は、破産裁判所で部分的に 検討されており、よって、連邦地方裁判所は、外部弁護士がワークプロダクトの提出を拒否する理由 について徹底した検討は行わなかったが、ワークプロダクトによる保護は弁護士に帰属し、依頼人が 放棄し得るものではない、と指摘した。よって、清算人がワークプロダクトによる保護を一方的に放 棄することは認められない、と判示した。