食品医薬品局(FDA)は、生物製剤価格競争及び改革 法(「BPCIA」)において、認可済み生物製剤(「参 照製品」)についてのものと「生物学的に類似」する 生物製剤製品(「BLA」)の承認につき、簡易申請方 法を提供している。類似製品は、生物製剤製品のコ ピーであり、生物学的起源の中で製造されたか、これ から抽出された、医薬品である。

BPCIAによると、類似製品(バイオ後続品)の申請 がFDAに提出されると、一般的に「パテントダンス」 と呼ばれる特許紛争を解決するための手続が存在す る。この手続では、時期に関する厳格な要件があり、 先行品のスポンサー(先行品の承認申請手続のスポン サー。通常は、イノベーター・カンパニー)とバイオ 後続品申請者との間で複数回に亘って情報交換が行わ れる。例えば、当事者間で、侵害及び無効性に関する それぞれの主張についての情報及び資料を直ちに交換 することが求められる。また、BPCIAによると、バイ オ後続品申請者は、先行品スポンサーに対して、バイ オ類似品を最初に商業的に販促する少なくとも180日 前の事前通知を行う必要がある。

パテント・ダンスの手続及び180日前の事前通知条項 を連邦地方裁判所がどのように執行するか、製薬業界 では不明であった。最近、カリフォルニア州北部連邦 地方裁判所は、Amgen, Inc. v. Sandoz, Inc., 14-cv-4741 (March  19, 2015)において、これらの問題につき重要な 判断を出した。本件で、サンドズ社が、アムゲン社の 癌治療製薬ノイポジェンのバイオ類似品につき2014年 に申請を行ったところ、アムゲン社は、サンドズ社は パテント・ダンスを行わずBPCIAで規定される規則に 従わなかったとして、同社を提訴した。また、アムゲ ン社は、BPCIAにおいて、バイオ類似品申請者 は、FDAが当該製品を承認するまでは180日間の事前 通知を行うことができないとされている、と主張し た。サンドズ社は、パテント・ダンスは同法下で任意 とされているに過ぎないとし、また、180日間の事前 通知は、BLA申請者がバイオ類似品の販促前に十分な 通知を行えば要件を満たす、と主張した。

2015年3月19日、カリフォルニア州北部連邦地方裁判所 のリチャード・シーボーグ裁判官は、アムゲン社の主 張を退け、パテント・ダンスへの参加は任意に過ぎな い、と判示した。裁判所は、BPCIAは情報交換につき 特別な手続(パテント・ダンス)を規定しているが、 当事者はこの手続を行わないという選択をすることが でき、直ちに特許訴訟を行うことができる、と判示し た。そして、BPCIAで「しなければならない」との用 語が利用されているからといって、パテント・ダンス に参加しなければならないとするものではなく、これ は、パテント・ダンスに参加することにした場合に当 事者が行わなければならない事項を規定したものに過 ぎない、と判示した。

また、シーボーグ裁判官は、180日間の事前通知に関 するアムゲン社の主張につき、これを認めると「スポ ンサーが既に有する12年間に加えて、さらに6か月間 の市場独占機関を無条件で認めることにな」り、「問 題である」とした。そして、アムゲン社の主張を退 け、サンドズ社はアムゲン社に対しFDAの承認を受け る前に180日間の通知を行うことでもBPCIAに違反しな い、と判示した。

Amgen v. Sandoz 事件の当事者は、本件を連邦巡回区控 訴裁判所に控訴した。連邦巡回区控訴裁判所は、パテ ント・ダンスが任意か否かにつき、今年の夏又は遅く とも秋までに検討する予定である。