In re Cuozzo Speed Technologies, LLC., 2014-1301 (Fed. Cir. Feb. 4, 2015)において、連邦巡回区控訴裁判所は、当事 者系レビュー(IPR)手続における最終判断について 初めて再検討を行った。IPRとは、2011年米国発明法 (AIA)により創設された行政手続であり、連邦地方 裁判所での特許訴訟に代替する、低費用かつより効率 的なものとなることを目指して創設された。連邦巡回 区控訴裁判所は、IRPの2つの重要な手続に関して判断 を出し、(1)IPR開始を決定する判断について再検討し 得るのは、特許商標審判部(PTAB)が明確に権限を 逸脱した場合にのみ限られると判示し、ま た、(2)IPRにおけるクレーム解釈では、「合理的な範 囲で最も広い解釈」を利用すべきである、と判示し た。また、連邦巡回区控訴裁判所は、Cuozzo いて問題となっていた、本件クレームは自明性により 無効であり提案されたクレーム変更は認められない、 とのPTABの判断につき、これを維持した。

まず、連邦巡回区控訴裁判所多数意見は、米国特許法 第314条(d)項により、IPRを開始するとのPTABの判断 を最終判断について控訴審で検討することは認められ ない、と判断した。クオッゾ社は、PTABは申請人 がIPRの理由として特定しなかった技術に依拠して判 断しており、PTABによるIPR開始判断は不適切であっ た、と主張していた。連邦巡回区控訴裁判所は、この 主張を退け、第314条(d)項は、IPR開始判断には控訴審 での再検討が認められない、ということが明確に規定 されている、と判示した。しかし、PTABの最終判断 の後の再検討の可能性については議論の余地を残し、 米国特許庁(PTO)が「明確かつ疑いようもなく権限 を逸脱した場合」には、「裁量上訴により」IPR開始 判断を争うことも可能である、とした。連邦巡回区控 訴裁判所多数意見は、本件でのこの可能性について、 連邦巡回区控訴裁判所がクオッゾ社の控訴を最良上訴 として取り扱ったとしても、明確かつ疑いようもない 軽減の逸脱との要件を満たさない、と判示した。

続いて、連邦巡回区控訴裁判所多数意見は、クレーム 解釈における、合理的な範囲で最も広い解釈という基 準を、IPR手続でも利用する、とのPTABの判断を維持 した。多数意見は、IPRを創設したAIAは、いかなる 基準がIPRでのクレーム解釈に利用されるかについて 述べていない、と認定した。そして、AIAにおい て、PTOが100年以上に渡り様々な手続で利用してき たクレーム解釈の基準を変更する意図があったことを 示唆するものは存在しない、と認定し、「よって、合 理的な範囲で最も広い解釈という既存のルールを採用 することについて、議会が黙示的に認めていたことが 推認される」と述べた。そして、仮に議会が、AIAに おいて合理的な範囲で最も広い解釈という基準を採用 する、ということを黙示的に認めていなかったとして も、PTOは基準を設定する権限を有している、と述べ た。

連邦巡回区控訴裁判所多数意見は、これらの手続的な 点について判断した後、PTABによるクオッゾ社のク レームについてのクレーム解釈を維持した。当該ク レーム解釈において外部的証拠は関連していなかった ため、連邦巡回区控訴裁判所は、PTABによる合理的 な範囲で最も広い解釈をデノボの基準で判断した。ま た、連邦巡回区控訴裁判所は、本件クレームは先行技 術により自明である、とのPTABの法的結論を維持し た。そして、連邦巡回区控訴裁判所多数意見は、ク オッゾ社によるクレーム変更申立てはクレームの範囲 を不合理に広げようとするものであるとして、これを 認めなかったPTABの判断を維持した。

本件は、IPRにおける最終判断について、連邦巡回区 控訴裁判所が判断した最初の事件である。今年は、ビ ジネス方法特許の手続における最終判断の再検討に加 えて、IPRに対するさらに多くの再検討が控訴審で行 われるものと予想される。これらの控訴審での判断に より、PTABでの新しい手続についての数多くの問題 が解決するものと予想される。