会社及び個人による創造的な研究開発活動をさらに奨励し、創造的な研究開発の成果の流通及び利用を促進し、また会社が有能な人材を採用できるようにするために、産業創造条例(注:台湾では日本と異なり国の法規にも「条例」という言葉が用いられています。)が2015年12月30日に改正され、研究開発奨励のための租税優遇措置が延長されました。また同改正により、知的財産権を対価として交付される株式及び従業員への報奨として交付される株式についての所得税が軽減されました。これらの改訂は2016年1月1日から施行されています。重要な点は以下のとおりです。

一、    会社に対する優遇措置

  1.  会社の研究開発への投資のための支出について、以下の方式のいずれかを選択して営利事業所得税(訳注:日本の法人税に相当)の額を減額することができます。一旦選択した後は、変更することはできません。また、その会社が当年度に支払うべき営利事業所得税の額の30%を上限とします。
    1. 支出金額の15%の範囲内で、その年度の営利事業所得税の金額を減額。
    2.  支出金額の10%の範囲内で、当年度から3年以内に各年度の営利事業所得税の金額を減額。
  2.  会社が自ら研究開発した知的財産権を譲渡し又はライセンスしたことにより得られた収益の範囲内で、当年度の研究開発支出額の最大200%を当年度の課税所得額から控除することができます。但しこの優遇措置及び上記1記載の研究開発支出投資による減税の双方を適用することはできず、いずれか1つを選択する必要があります。
  3. 会社が自ら研究開発した知的所有権を上場会社又は店頭公開会社に譲渡又はライセンスし、その対価として譲渡先(ライセンス先)の会社の株式を引受けた場合、当年度に法律の規定に従いに計算された株式引受けにかかる所得については、その全部について株式を引受けた年度の次の年度から5年間にわたり所得税の課税を繰り延べることを選択することができます(一旦選択した後は、変更できません)。但し、納税繰延期間内に当該株式を譲渡した場合、又は当該株式が帳簿振替で別途開設された有価証券保管振替口座に振替えられた場合、譲渡又は帳簿振替の手続きがされた年に所得税が課されます。
  4. 会社が自ら研究開発した知的財産権を上場、店頭公開していない会社に譲渡又はライセンスし、その対価として取得した譲渡先(ライセンス先)の会社の新株については、当年度の課税所得額に含めないことができます。但し実際に譲渡した時に譲渡価格の全額が譲渡した年度の収益となり、この額から当該株式に関する未認識の費用又はコストを控除した上で、所得税の申告をする必要があります。

二、個人に関する優遇措置

  1. 個人が自ら研究開発した知的財産権を他人に譲渡又はライセンスしたことにより取得した収益は、当年度の研究開発支出金の2倍の範囲内で当年度の課税所得額から控除することができます。支出を証明する文書を提出できない場合、収益金額の70%を課税所得とすることができます。
  2.  個人が自ら研究開発した知的財産権を上場会社又は店頭公開会社に譲渡又はライセンスし、その対価として譲渡先(ライセンス先)の会社の株式を引受けた場合、引受けた株式の額からコスト、費用(又は収益の金額の30%を費用とした額)を差し引いた後の課税所得について、当該株式を引受けた年度の翌年から5年間納税を繰り延べることがでます(一旦選択した後は、変更できません)。但し、税金繰延期間内に当該株式を譲渡した場合、又は当該株式が帳簿振替で別途開設された有価証券保管振替口座に振替えられた場合、譲渡又は帳簿振替の手続きがされた年に所得税が課されます。
  3. 個人が上場、店頭公開していない会社に譲渡又はライセンスした場合で、これにより新株を取得した場合、取得した新株は当年度の課税所得額に含まれません。但し実際に譲渡された場合、譲渡価格全額が譲渡年度の収益となり、前述の株式に関連し、かつ未だ認識されていない費用又はコストを控除した後(又は収益金額の30%を費用として認識した後)の額で、所得税を申告する必要があります。
  4. 従業員が会社からの報奨として株式を受領した場合、毎年500万元の限度内で、全額について所得年度の次の年から5年間所得税の支払を繰り延べることができます(一旦選択した後は、変更できません)。但し、税金繰延期間内に当該株式を譲渡した場合、又は当該株式が帳簿振替で別途開設された有価証券保管振替口座に振替えられた場合、譲渡又は帳簿振替の手続きがされた年度に所得税が課されます。