今年の初めに、シンガポール知的財産庁(IPOS)とカンボジア工業・手工芸省(MIH)の間の了解覚書について報告致しました。この協力関係の詳細が明らかになりました。具体的には、シンガポール特許/特許出願の所有者は、自身のシンガポール特許をMIHに再登録し、またはIPOSが発行した調査及び審査(S&E)報告書をMIHに提出し、カンボジアにおいて関連出願の特許を取得することができるようになりました。

1. カンボジアにおけるシンガポール特許の再登録

シンガポール特許の所有者は、カンボジアにおける再登録の際にシンガポールにおいて特許が有効である限り、シンガポール特許の権利存続期間中いつでもカンボジアに特許の再登録申請を提出することができます。この制度の興味深い点は、遡及的に適用されることです。すなわち現在シンガポールにおいて有効な全ての特許が対象となります。必要となる書類は、カンボジア特許の出願フォーム、シンガポール特許に関する以下の書類の認証謄本:特許証、特許査定時の明細書、発明者に関する陳述書(出願人が発明者でない場合)。申請には、適切な委任状、出願費用、特許査定費用も必要となります。

もしMIHが出願書類を適切とみなした場合、カンボジア特許の特許証が発行されることになります。カンボジア特許を維持するには、カンボジア特許の出願日に基づいて計算した年金を次の年から払わなければならないことにご留意ください。

2. IPOSが発行した調査及び審査報告書をMIHに提出

シンガポールとカンボジアの関連特許出願の出願人は、(i)IPOSにより発行された最終の調査及び審査報告書と、(ii)シンガポール特許出願の最終的な明細書のコピーをMIHに送付するようにIPOSに請求することができます。同じIPOSへの書面にて、出願人はカンボジア出願の明細書をシンガポール出願の最終的な明細書に合わせるように補正して、カンボジア出願の特許査定を早めるようにMIHに請求することもできます。IPOSへの書面は、シンガポール出願の代理人によって提出することが可能です。この手続きに庁費用は発生しません。

詳細につきましては、IPOSのウェブサイト(IPOS website)をご覧ください。

上記の2つの制度は、シンガポールとカンボジアが参加しているASEAN特許審査協力(ASPEC)に加えて、シンガポール特許/特許出願の所有者にとって有益な選択肢となります。シンガポールの明細書のクメール語翻訳文が現在必要とされないので、手続きは比較的複雑でなく、費用対効果が高いです。IPOSはこれらの制度がいつまで継続するかについて言及していませんが、もしカンボジアまで特許権による保護を広げたい場合には、できるだけ早く手を打つことをお勧め致します。

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