商標の使用は商標法が規範する核心的な問題の1つである。商標が連続して3年使用されていない場合、当該商標の商標登録取消事由を構成する可能性がある。また、著名商標に係る保護は、商標の使用状況が著名を構成するか否か考慮しなければならない。さらに、商標権権利侵害が成立するか否かは、商標の使用を前提としなければならない。

商標法第5条には「商標の使用とは、販売を目的として、並びに次に掲げる各号のいずれかに該当し、関連する消費者にそれが商標であると認識させることができることをいう。1.商標を商品又はその包装容器に用いる。2.前号の商品を所持、展示、販売、輸出又は輸入する。3.提供する役務と関連する物品に商標を用いる。4.商標を商品又は役務と関連する商業文書又は広告に用いる。前項各号の情況は、デジタルマルチメディア、電子メディア、インターネット又はその他媒介物の方式で行う場合も同様である」と規定され、また同法第57条第3項には「前項の規定により提出する使用に関する証拠は、商標が真実、使用されていることを証明でき、並びに商業取引の一般慣習に合致しなければならない」と規定されており、これは商標取消に関する第67条第2項に準用される。

商標法第5条の規定により、商標の使用は「販売の目的」に限られている。過去の実務見解によれば、いわゆる「販売の目的」は有償の行為に限定され、無償行為は含まない。したがって、景品は通常、商標の使用と認定されない。しかし、智慧財産局(※台湾の知的財産主務官庁。日本の特許庁に相当)が知的財産裁判所及びその他各界の専門家及び学者を集めて共同で議論し、並びに外国の立法例及び実務見解を参酌した後、智慧財産局又は知的財産裁判所は特定の条件下での景品について、具体的な個別案において商標の使用と認定している。

知的財産裁判所の103年(西暦2014年)度行商訴字第140号行政判決は、VALENTINO商標商品の景品に関する商標登録取消事件において、VALENTINOの各種商品を一定額購入した消費者にVALENTINOの「香水」を景品として提供する行為について、「VALENTINOの香水類商品を景品として提供する行為は、香水類における商標使用を構成する」と判示した。また、知的財産裁判所の103年(西暦2014年)度行商訴字第128号行政判決も、VALENTINOの別のシリーズの商標に係る景品紛争について、同一の見解を採用している。

知的財産裁判所は、次のように指摘している。係争のVALENTINO商標を「香水」商品及びそのパッケージに用いて商品と結合することは、消費者に係争商標を認識させるに足るものであり、且つ、販売を促進するという商業取引プロセスを利用して、係争のVALENTINO商標を標示する香水商品を景品として提供し、マーケットにおける販売というメッセージを伝達し、商品出所表示という機能を果たしており、香水の景品を通じて係争商標を消費者に認識させ、商標法第5条にいう「商標の使用」に合致する。

智慧財産局又は知的財産裁判所は商標使用に関する見解を変更し、一部の条件付きの景品について商標の使用と認定しており、勢い、今後の類似案件の審理について、かなりの影響を及ぼすだろう。