デラウェア州裁判所は、デラウェア州有限責任パート ナーシップにおける信認義務の内容を変更する明確、 明白、一義的な文言は、執行可能である、と一貫して 判断してきたところ、In re El Paso Pipeline Partners, L.P. Derivative Litigation. (Del. Apr. 20, 2015)において、デラ ウェア州衡平法裁判所は、信認義務が変更又は削減さ れた場合であっても、利益相反取引はパートナーシッ プ契約に記載された契約上の基準に違反する、と判断 した。

El Paso事件において、裁判所は、マスター有限責任 パートナーシップ(「MLP」)に関するドロップ・ダ ウン取引において有限責任パートナーシップ契約違反 があったか否かについて判断した。MLPは、主にエネ ルギー部門で利用されている。本件取引は、エルパ ソ・パイプライン・パートナーズ有限責任パートナー シップ(「エルパソMLP」)が、エルパソ社(「本件 親会社」)から液化天然ガス基地に関連する資産全て を譲り受ける、というものであった。本件親会社は、 エルパソMLPのジェネラル・パートナーを保有してお り、これによりエルパソMLPを支配していた。エルパ ソMLPは、パートナーシップ契約において、一般的な 信認義務は削除され、エルパソMLPのための行動を承 認することが求められる各個人は、当該行動がエルパ ソMLPの最良の利益のために行われたものであると主 観的に信頼していることが必要である、との契約上の 義務に置き換えられていた。独立した取締役で構成さ れる利益相反委員会は、法務及び財務アドバイザーを 利用し、当該取引は無関係のユニット投資信託投資者 に対して経済的に公平であるとの意見を得た後、本件 取引を承認した。

裁判所は、利益相反委員会による評価、及び、本件取 引の承認過程には、欠点が数点存在する、と判示し た。裁判所は、利益相反委員会は、伝統的な評価方法 における譲渡資産の評価を考慮に入れない一方、エル パソMLPの普通投資者に対する現金配当の増加額に非 常に注目していた、と判示した。そこで、裁判所は、 エルパソMLPが当該資産に支払った金額と当該資産の 公平な価値の差額である1億7100万ドルを損害賠償額 として認定した。本件親会社等他の被告はパートナー シップ契約の当事者ではなかったことから、ジェネラ ル・パートナーのみが当該損害賠償責任を負う、と判 示した。

本件は、デラウェア州有限責任パートナーシップに与 えられる契約による柔軟性が、厳格な基準で判断され る可能性があり、利益相反取引が裁判所の検討を回避 するためには、徹底した過程を経ることが必要であ る、ということを示している。