商標法第30条第1項第7号には、商標が「公序良俗を害する場合」、登録することができない、と明確に規定されている。商標の登録が公序良俗を害するか否かの判断は、商標自体について、登録当時の社会環境、経済活動及びその指定商品又は指定役務などの要素を参酌して、総合的に判断しなければならない。「公序良俗を害する」の適用範囲を整理、区別することによって、その内在する意味をより明確にするため、智慧財産局(※台湾の知的財産主務官庁。日本の特許庁に相当)は「商標妨害公共秩序或善良風俗審査基準」(「公序良俗を害する商標に関する審査基準」。以下、「審査基準」)を制定した。当該審査基準は2015年5月11日に経済部によって公布された後、即日施行された。

本審査基準には、公序良俗を害する商標に関する審査において考察すべき要素が明確に規定されており、公序良俗を害する類型として、以下の10種類が例示されている。

  1. 犯罪、暴力、テロリズム、反乱をまねく、又は社会秩序を乱すおそれがある。
  2. 国家民族の尊厳を犯す。
  3. 宗教の尊厳を犯す。
  4. 特定のコミュニティ又は団体の尊厳を犯す。
  5. 特定の人物の尊厳を犯す。
  6. 人に恐怖の念を抱かせる又は迷信を信じさせることで、心身の健康に影響を与える
  7. 風俗を乱す、猥褻、低俗、下品な言葉又は図形。
  8. 著名な歴史上の人物又は近代の著名な故人の肖像又は名称。
  9. 著名な歴史小説の虚構の人物の名称。
  10. その他の社会公共の利益に反する、又は倫理・道徳観を破壊する。

智慧財産局は、各類型すべてについて具体的に実務事例を列記し説明を加えており、実務上の類似案件の参考とすることができる。