2015年10月30日、証券取引委員会(SEC)は、3対1の意見で、JOBS法第3章に基づき企業がクラウド ファンディングにより証券の売り出しや購入を行うことを認めた最終ルールを採用した。

 ラウドファンディングは、一般的にインターネットを通じて数多くの人から小額の投資を集める実 務で、資金調達の方法として一層人気を集めてきたものである が、連邦証券法における面倒な届出・ 報告手続が必要になる可能性があることから、証券の売り出しや購入には一般的に利用されていな かった。JOBS法は、クラウドファンディングを連邦証券取引法の例外として認め、今回SECが採用し た最終ルールはその例外を実行化しようとするものである。当該ルールは、以下の3つの規制フレーム ワークを通じて個人投資家を保護しつつ、小規模の会社が工夫を凝らした方法により資金を調達する ことを可能とするものである。

第1に、当該ルールにより、企業は、調達額により年間開示及び報告義務が増えることになるもの の、12か月間の間にクラウドファンディングを通じて最高合計額100万ドルの資金調達をすることがで きるようになる。非米国企業、証券取引法報告会社、特定の投資会社等には、当該ルールに基づくク ラウドファンディングは認められない。

第2に、当該ルールにより、個人投資家は、その収入及び純資産に応じて、12か月以上を超えて合 計2000ドルから10万ドルの投資を行うことができるようになる。しかし、当該ルールで購入可能は証 券は、一般的に1年間は転売できない。

第3に、当該ルールに基づき取引は全て、SECに 登録されたブローカー・ディーラー又はファンディン グ・ポータルの仲介者を通じて行われなければならない。ファンディング・ポータルのほうがブロー カー・ ディーラーよりも登録要件が厳しくないが、自身のプラットフォームに掲載された証券の勧誘 を行うことはできない等、その他の様々な制約を受ける。当該ルー ルにより、これらの仲介者は、売 り出し会社側の詐欺のリスクを減少させる様々な手段を講じたり、売り出し会社が公開しなければな らない情報を売り出し前及 び売り出し期間中に自身のプラットフォームで公開したりすることが義務 付けられる。

今回のクラウドファンディングのルールにより、発行者は、資金調達を行う新しくかつトレンディー な方法を得ることになるが、年間100万ドルという上限額に鑑みると、当該ルールに従う価値は乏しい かもしれない。証券取引法第506条により認可を受けた投資家への私募のほうが、投資の上限額もなく ルールに従うコストもはるかに低い。そこで、クラウドファンディングを行う前に様々な資金調達方 法の選択肢について検討すべきである。

この新しいクラウドファンディングのルール及びフォームは、連邦公報で公開されてから180日後に有 効となる。ファンディング・ポータルの証券取引委員会への登録を可能とするためのフォーム は、2016年1月29日に有効となった。