最高裁は、HANA FINANCIAL, INC. v. HANA BANK, No. 13-1211において、優先権の有無を判断する目的で2つの商標のタッキング(使用期間の加算)の可否を判断するのは、タッキングが消費者の視点に基づいて事実を問う問題であることから、陪審が判断すべき問題であるという判断を下した。  

Hana Financial社は、「Hana Financial」という商標を侵害しているとしてHana Bankを提訴していた。Hana Bankは、先行商標であり継続的に使用してきた自社の商標「Hana Overseas Korean Club」基づき優先権を自社が保持していたと主張し、侵害を否定した。Hana Bankは、のちに「Hana World Center」と「Hana Bank」という商標を用いて営業したが、この2つの商標は先行商標と同じ継続的な商取引上の印象を作り出していたためタッキングの原則が適用されるとし、自社が優先権を保持していたと主張した。陪審は、タッキングに基づいてHana Bankを支持する評決を出した。第9巡回区連邦控訴裁判所もこの評決を支持した。最高裁は、商標のタッキングは陪審が判断すべきか、という争点に関する裁量上訴を受理し、第9巡回区連邦控訴裁の判決を支持した。  

最高裁はまず、審理する問題が普通の人またはコミュニティーがどのように評価するかを問うものである場合、通常は陪審が適切な判断者であるという一般原則を述べた。タッキングは、検討すべき問題が2つの商標が消費者が同じ商標と認識するような同じ継続的な商取引上の印象を作り出しているかどうかを問うものであるため、まさにその種の問題に合致する。陪審裁判が請求されており、事実が略式判決または法律問題としての判決を下すことを正当化するようなものではない場合には、タッキングは陪審によって判断されるべきである。 

次に、最高裁はHana Financial社の4つの主張について検討した。 第一に、最高裁は、陪審が法的基準を適用する例はよくあり、タッキングは法律問題と事実問題が混在している他の問題と何ら相違ないという見解を述べた。陪審への説示が注意深く練られたものであれば、陪審による法的基準の不適切な適用は防げると考えられる。第二に、最高裁は、陪審がタッキングの可否判断を行うことによって新たな法律が創り出され、そのために、これまで陪審が不法行為、契約または刑事に関わる事件について判断してきた範囲を超えて判事の領分を侵害することになるという主張には同意しなかった。第三に、最高裁は、商標制度が有効に機能するためには予測可能である必要があることによって、判事がタッキング問題に関する判断を下すことが義務付けられるという主張にも同意しなかった。最高裁は、陪審が不法行為、契約及び刑事に関する事件において法的基準を適用し処分を決定することはよくあり、商標のタッキングについて異なる扱いをする理由はないと述べた。最後に、これまでタッキング紛争は判事が解決してきたという主張について、最高裁は、Hana Financial社が例証として揚げたケースが非陪審審理と略式判決を伴う状況において発生したものであったと判断した。しかし、そうしたケースは、陪審が選任された場合および事実による略式判決も法律問題としての判決も必要とされない場合には、タッキングは陪審が審理すべき問題である、という最高裁の結論を変えるものではない。