Motorola Credit Corp. v. Standard Chartered Bank, 2014 N.Y. Slip Op. 07199 (N.Y. Oct. 23, 2014)において、原告モト ローラ社は、トルコ企業及びその社長ら(「ウザン ズ」)に対して、ローン収入を意図的に転換したとし て、30億ドルの損害賠償判決を得た。ウザンズが損害 賠償金の支払いを拒んだ後、ニューヨーク州連邦地方 裁判所は、ウザンズの財産を凍結させ、ニューヨーク 州に支店を有する外国銀行である被告に対して、財産 の所在場所に限らず、ウザンズの財産の移転を一切禁 止する命令を出した。ウザンズの財産は全て外国の支 店に所在していたため、「財産の所在場所に限らな い」という点は重要であった。控訴審において、 第2巡回区控訴裁判所は、ニューヨーク州控訴裁判所 に対し、「ニューヨーク州における『独立組織の原 則』により、裁判所が、差止命令を受けたニューヨー ク州に支店を有する銀行に対し、当該銀行の外国支店 に所在する債務者の財産の移転禁止を命じることは禁 止されるか」との質問を投じた。ニューヨーク州控訴 裁判所は、意見が分かれたものの、禁止されると解す る、との意見を述べた。同裁判所は、独立組織の原則 により、ニューヨーク州に支店を有する銀行に対人管 轄権が及ぶ場合でも、判決後の手続において同銀行の 他の支店は別組織として取り扱われる、と判示した。 換言すれば、ニューヨーク州の支店に対する差止命令 等の命令は、当該支店に所在する支店に対してのみ有 効であり、他の支店に所在する財産に対しては影響を 及ぼさない、と述べた。同控訴裁判所は、独立組織の 原則は、国際礼譲政策を促進するためのものであり、 競合する複数の国際請求や二重責任の可能性から保護 するものであるところ、本件でこのように解釈しない とすれば、数多くの外国支店における銀行口座の状況 を監視する「耐え難いほどの負担」を銀行に課すもの となる、と述べた。