Cohen v. Cohen, No. 09 Civ. 10230 (S.D.N.Y. Jan. 30, 2015)に おいて、連邦地方裁判所は、ニューヨーク州法を適用 し、原告とその訴訟のための資金提供者の間のコミュ ニケーションは秘匿特権で保護されない、と判示し た。本件で、原告は、離婚手続において元夫が夫婦共 有財産をあえて隠匿した、と主張していた。原告は、 原告の訴訟資金を提供していたナップ氏との間 の100通を超える電子メールについて、弁護士と依頼 人の間の秘匿特権を主張した。これらの電子メール は、法的ストラテジー、裁判所への提出物、証拠開 示、訴訟のための資金提供に関する議論を含むもので あった。原告は、現在は弁護士として業務を行ってい ないナップ氏を、同氏は原告の「エージェント、従業 員、代理人の従業員ではない」とする2つのコンサル ティング契約を通じて、「訴訟サポートのため」雇っ ていた。裁判所は、ナップ氏は弁護士のエージェント でもなく、また、原告と共通の法的利益を共有するも のでもないため、弁護士と依頼人の間の秘匿特権で保 護されない、と判示した。Kovel判断のもと、第三者と のコミュニケーションも、当該第三者による関与が 「弁護士と依頼人の間のコミュニケーションを促進す ることを特別に目的としているか、これに不可欠であ るような場合」には、秘匿特権で保護される可能性が ある。本件では、コンサルティング契約において、 ナップ氏は原告のエージェントとして行動していない ということが明確に記載されており、裁判所は、ナッ プ氏は法的アドバイスを提供するにあたって必要不可 欠な役割を果たしたとはいえない、と判示した。ま た、裁判所は、共通の法的利益股はストラテジーを促 進するために同一又はほぼ同一の法的利益を有する第 三者との間で共有された、本来秘匿特権で保護される コミュニケーションは、共通の利益の法理で保護され る、とのニューヨーク州法についても検討し、本件コ ミュニケーションは同法理によっても保護されない、 と判示した。裁判所は、原告とナップ氏の関係は経済 的なものであり、法的なものではない、と判示した。 ナップ氏と原告の間の「共通の利益」契約によって も、内在的に経済的なものであり共通の法的利益の型 に入ることのない関係を変更するものではない、と判 示した。