連邦巡回区控訴裁判所は、最近、当事者系レビュー(IPR)における特許審判部(PTAB)の判断を維 持する意見を発表した。最近の判断である Redline Detection, LLC v. Star Envirotech, Inc., No. 2015-1047 (Fed. Cir. Dec. 31, 2015)において、連邦巡回区控訴裁判所は、特許の有効性について争う者は、後に補 完的に情報を追加提出するのではなく、当初の申立てにおいて証拠とな る情報を全て提出しなければ ならない、と判示した。この判断は、特許権者に有利に働くものであるものの、当初の申立での証拠 提出における特定性に注目する ものである。

IPRにおけるレッドライン社の申立ては、本件特許につきPTABが無効と認めるべき12の理由を含むも のであった。当該申立 てにおいて、専門家証人による宣誓供述書は提出されなかった。12の理由のう ち2つについてPTABがIPR手続開始を決定した後、レッドライン社は、 37 C.F.R. § 42.123(a)に基づ き、60ページに及ぶ専門家証人による宣誓供述書や追加的な先行技術等の補完的情報の提出しようと した。これは、第 42.123(a)条で要求されるIPR手続開始から1か月以内に行われており、適時に行われ たものであった。専門家証人による宣誓供述書を申立て時では なくIPR手続開始後に提出したことに ついてのレッドライン社の説明は、後に提出するほうが費用効率性があるため、というものであっ た。実際、レッドライ ン社は、当初の12の理由全てについてではなくIPR手続開始が決定された理由 についてのみ専門家証人の意見を求めるほうが簡便であったため意図的に提出 を遅らせたことについ て、認めていた。PTABは、申立て時に合理的に提出し得なかった主張や証拠が新たに提出された宣誓 供述書で主張されているものでは ない、と判示した。よって、PTABは、レッドライン社は新たな証 拠を提出するのに必要な理由を示せなかった、と結論付けた。

連邦巡回区控 訴裁判所において、レッドライン社は、補完的証拠の提出申立てを第42.123(a)条を理由 に却下したPTABの判断につき、控訴した。その主張は、 PTAB規則の解釈に基づくものであった。

レッドライン社は、第42.123(a)条は適時に関連する証拠の補完的提出を行うことを要求するのみであ り、 PTABは同条における判断にあたり他の問題を考慮すべきでなかった、と主張した。連邦巡回区 控訴裁判所は、この主張を退け、同条の文言は、PTABが IPR手続を適時に完了させるための他の一般 的な規則の適用を排除するものではない、と判示した。また、レッドライン社は、PTABは自身の規則 に従って おらず、補完的情報の提出を認めたPTABの過去の判断に大きく依拠している、と主張し た。連邦巡回区控訴裁判所は、レッドライン社が依拠した判例につ き、これらにおいて検討された専 門家証人の報告書と、レッドライン社が補完的情報として提出しようとした「デノボの専門家証人報 告書」の間には「大きな違 い」があると指摘して、本件と区別した。

最終的に、連邦巡回区控訴裁判所は、レッドライン社の補完的情報提出申立てにあたり、PTABは適 切に行動したものであり、PTABの裁量の範囲でもあった、と判示した。また、連邦巡回区控訴裁判 所は、PTABによる非自明性の判断についても、反証さ れなかった専門家証人による証言等のPTABが 利用した証拠を指摘し、これを維持した。