現在知的財産権領域内において、「電子商務法」、「反不正当競争法」、「著作権法」および「特許法」は起草または改正中である。上海HFG法律事務所は一部法律の起草および意見募集に参加した。本文執筆者である上海HFG法律事務所のパートナー李蕾弁護士は、前三部法律の改正状況について、簡単なまとめを紹介したい。

一、「電子商務法」はまもなく起草される

 「電子商務法」の起草は2015年中国知的財産権界の重点でありそして注目の話題の一つである。同法は将来の一定時期において、電子商務領域内の基本法律になると予測される。

現在、中国ネット上権利侵害の概況

電子商務はディジタル技術とインターネット技術が伝統的商務活動との結合で、前例のないスピードで発展している。現在、中国の電子商務は主に以下のような四つの形がある。すなわち:電子商取引プラットフォーム、その主な代表は淘宝;ソーシャルプラットフォーム、その主な代表は微信(wechat);検索プラットフォーム、その主な代表は百度;自有サイト、つまりドメインを利用して侵害品を販売する。中国で前の三種類の電子商務は、いずれもプラットフォームがあり、権利者を保護している。

電子商務立法の概述

現在、中国の電子商務は発展しているものの、立法は比較的に遅れている。現在中国で電子商務と関連する立法成果として、法律面では「電子捺印法」のみであり、他に例えば「契約法」、「消費者権益保護法」等法律では電子商務関連の条文はすこしだけある。また、全国人民代表大会常務委員会から公布された「インターネット安全保護に関する規定」、「インターネット情報保護に関する決定」はインターネット安全および電子商務における情報保護に対する特別規定とみなすことができる。

立法趣旨

現在、多くの討論を経て、今回の「電子商務法」の基本精神としては「発展を促進 

し、秩序を規範し、権益を保護する」こととしている。

打撃の重点

討論の段階において、「電子商務法」は打撃の重点をネット上模倣品販売およびネット上海賊版の打撃に集中している。

現在各主要電子商取引プラットフォームが使用している規則を導入

現在、各主要電子商取引プラットフォームは各自の運営状況に基づき、自己のプラットフォーム上での権利侵害行為に対し相応の管理規制を制定した。制定中の「電子商務法」は、これらの管理規則を検測し、継続して利用する可能性がある。例えば、淘宝規則から提出したネット上市場の特徴に適応した管理規則、即ち「信用評価」、「店舗点数付け」等;騰訊の著作権自助的保護制度;京東の消費者保護基金制度;凡客誠品の30日内の理由なき返品期間制度はは、いずれも消費者とユーザーから好評を受けている取引規則または措置であり、「電子商務法」からその姿を見れる可能性がある。

各電子商務参加者の法的責任を追う

現行中国の法律によれば、ネットサービス提供者の責任に対する規定は比較的に多く、法律界では普遍的にセーフハーバー原則を取っている。すなわち、ネットユーザーがネットサービスを利用して侵害行為を実施した場合、被害者はネットサービス提供者に通知し、リンクの削除、遮蔽、切断等必要な措置を取るよう求め、ネットサービス提供者が通知を受けた後、即時に必要措置をとらなかった場合、損害の拡大部分を当該ユーザーと連帯責任を負わせる。ネットサービス提供者がすでに必要な措置を取った場合、如何なる侵害責任も負わない。

制定中の「電子商務法」では、電子商務の各参加者の責任と義務を実行する。そこで、初歩的な規定は以下の通りである。

  1. 電子商務企業の責任。今回「電子商務法」の指導思想としては、電子商務企業の内部の監視制度を強化し、虚偽の取引等の方法で商家の信用をアップしてはならなく、同時にこのような企業に侵害品情報の検索や整理および取引記録、日誌の保存、違法犯罪手がかりの報告等の責任があり、また法執行部門と協力し、電子商務プラットフォーム上の侵害品経営者の相関情報を探す義務があると法律で明確に規定する。
  2. ネットサービス提供者の責任。最新の立法思想としては、「セーフハーバー原則」は一貫してネットサービス提供者には適用されなく、一定の状況下で、ネットサービス提供者は侵害人と連帯責任を負うべきでとの考えである。なぜなら、多くの場合、ネットサービス提供者はもはや第三者プラットフォームではなく、公告利益も得ている。そのため、侵害責任を負う場合、一貫して「セーフハーバー原則」を適用して保護することはできない。
  3. 依頼者・下請け者に関する責任。現行法律では、依頼者・下請け者の責任については規定されていない。今回「電子商務法」において立法界では依頼者・下請け者の責任に関する規定を定める傾向があり、そこには、配送、倉庫、郵政、配達等企業の実名制度の導入を指導、監督し、荷物の検査、安全確認制度を完備し、侵害品の受理、運送、配送、配達を拒絶し、また相関企業は法執行部門の違法犯罪手がかりの 検索に協力すべき等の内容を入れる考えがある。

以上は制定中の「電子商務法」の主な立法思想と変化である。順調であれば、2016年に同法は制定し始まる。

二、「反不正当競争法」改正案はすでに制定済み

1993年「反不正当競争法」公布から22年が経ち、現在大きな改正を迎えるになった。

今回の「反不正等競争法」の改正は不正競争行為の類型を増加するほか、行政処罰の程度を増加し、法執行の主体等問題にも関わる。主に以下の通りである。

不正競争保護範囲の拡大

不正競争の保護範囲はさらに拡大する可能性がある。現行法において、不正競争行為は主に勝手に知名商品特有の名称、包装、インテリア、またはこれらに類似する商品を使用し、他人の知名商品と混同させる場合のみ違法になる。改正案においては、違法行為は勝手にドメイン名、企業名称、企業略称、字号、姓名等の行為まで拡大する可能性がある。これは商業標識の保護範囲を拡大したことを意味する。知名度を持つ如何なる商業標識性に対し、同類、または異類で商業標識を模倣し、購買者の誤認をもたらすときは、市場混同行為であり、不正競争になる。

処罰力の拡大

現行の「反不正当競争法」は、法執行手段が弱く、行政措置が足らなく、業界でいつも批判されている。改正においては、不正競争経営者に対する罰金は大幅に増加する可能性がある。不正競争行為によって、改正案では処罰額を確定する可能性があり、最低で100万元以上を超え、最高では400万元に達する可能性がある。

法執行主体の明確

新たな改正案では、工商行政部門は最も重要な、もしくは唯一の法執行管理部門になる可能性がある。現行「反不正当競争法」では、工商行政部門以外のその他の部門、例えば質量検査検疫、物価、衛生、建設、文化等部門は自己の管轄範囲内で不正競争行為について監督権を有し、多くの法執行主体間での衝突を生じている。

新たな改正案では、工商行政部門は唯一の法執行主体となり、法執行の程度に有利し、法執行の標準を統一する。

以上は「反不正当競争法」改正案の主な変化である。しかし、2016年に新たな「反不正当競争法」の実施可能性は低いと思われる。

三、「著作権法」第三回改正審議稿が討論中

今回「著作権法」の第三回改正案審議稿は、評議中である。今回審議稿は導入した内容が多く、その中で、比較的に争議があり、また変化が大きい内容は芸術品の「追続権」を導入するか否かの問題、およびネット環境下での著作権の侵害およびその保護である。

現在中国のネット環境下での著作権侵害の形は主に以下のようなものがある。

  1. 他人の作品をネットにアップロードし、ネットユーザーのダウンロードまたは 

閲覧に供する。一般的には、著作権者の許可なく勝手に伝統的な媒質に掲載された作品をデジタル化しネットにアップロードし他人の使用に供することをいう。

  1. ネット上にすでにある作品を転載または複製する。
  2. ネット上で作品の違法複製、発行のために補助性サービスを提供する行為。
  3. ハイパーリンク技術を通じて、他人サイトのページ内容を自己のページにリンクし、他人サイトの相関利益を損害する。
  4. 許可なく、サイト間でお互いに著作権作品を転載する。
  5. 許可なく、権利管理情報を削除または変更する。例えば、作者姓名を盗用または作品使用許可の条件を改ざんするなど。
  6. 違法解読技術によりパスワードを解読し、著作権保護の技術的保護の役割を失わせる。

現在、中国ネット著作権侵害責任紛争案件は、急に増加し、被害者の範囲も拡大している。ネット侵害のもう一つの特徴は相互間の関連案件が比較的に多いことである。上述のような状況に基づき、今回「著作権法」第三回の改正案ではネット著作権集団管理制度について、多くの具体的改正を行った。そこには、著作権集団管理組織の定義、性質、権利来源、具体的権利範囲、著作権者と集団管理組織間の相互関係等が含まれる。今回の改正案は権利の根源から規定し、その後具体的権利と義務を詳細にしている。

毎回の改正案に内容の変動が多いため、本文はいちいち説明しない。改正案が確認後、弊所はまた詳細な注解をしたい。