Tyson Foods, Inc. v. Bouaphakeo, 136 S. Ct. 1036 (2016) (No. 14-1146)において、連邦最高裁判所は、クラ ス認証が不適切であるとの主張にもかかわらず、クラス評決を維持した。タイソン社は、クラスメン バーはそれぞれ異なる損害を受けているか又は一切損害を受けていないため、連邦地方裁判所はクラ スを認証すべきではなかった、と主張した。Tyson事件において、従業員は、保護道具一式(衣類等) に関する製造ライン前後の作業に費やす時間も時間外給与として支払われるべきである、と主張して いた。連邦地方裁判所は原告の主張を認め、サンプルとしてピックアップされた従業員が実際に使っ た時間の分析に基づいて損害額を計算した。被告は、保護道具一式に関する製造ライン前後の作業に 費やした時間はクラスメンバーごとに異なり、「個々に費やした時間についての各人ごとの個別の質 問」が共通の質問に優先する、と主張していた。連邦最高裁判所はこの主張を退け、サンプルとして ピックアップする方法が唯一の現実的な方法であると認め、原審を維持した。連邦最高裁判所は、サ ンプルが個別の事案を立証するために利用できないような場合に、そのような代表的なサンプルに依 拠することは不適切であることは認め、そのような場合にクラスという手段を利用することは、クラ スにより「重要な権利」を害することはできないとの規則実施法における指示に違反することにな る、とした。しかし、連邦最高裁判所は、特に雇用主が記録保管義務に違反して従業員が自身の主張 を立証する手段がないような場合には、代表的な従業員をサンプルとして利用し立証することも許さ れる、と判示した。連邦最高裁判所は、Wal-Mart Stores v. Dukes, 564 U.S. 338 (2011)においても、クラ ス全体に対する責任を立証するためにサンプルを利用することはできないとは判示していない、と明 示した。そして、同事件では、原告であったWalmartは同様の状況になかったため、同事件におけるサ ンプルは不十分であると判示したに過ぎない、と述べた。また、Tyson事件と異なり、Walmart事件の 原告が個別の訴訟を提起していたとしたら、代表的な証拠の役割はなかったはずであった、と述べ た。