商標法第39条第1項には「商標権者は、その登録商標の使用を指定した商品又は役務の全部又は一部について、地域を指定して地区で専用使用権(exclusive license;台湾では「専属授権」という)又は通常使用権(non-exclusive license;台湾では「非専属授権」という)を許諾することができる」と規定され、また同法第39条第6項には「商標権が侵害された場合、専用使用権の許諾範囲内で、商標の専用使用権の許諾を受けた者(専用使用権者)は、自己の名義を以って権利を行使することができる」と規定されている。「専用使用権」の意味とは何か、「独家授権(sole license)」が当然「専用使用権」であるか否かは、実務上重要な議題となっている。

知的財産裁判所は103年度(西暦2014年)民商訴字第29号民事判決で、「いわゆる「専用使用権」とは、商標の被許諾者が専用使用権の許諾範囲内で完全に独占的かつ排他的な権利を取得し、専用使用権者は許諾範囲内で商標権者及び第三者による登録商標の使用を排除するものをいうため、商標権者も当該商標を使用することができず、商標権が侵害されたとき、原則として専用使用権の許諾範囲内で専用使用権者は自己の名義をもって権利行使することができ、かつ登録をすることによって初めて第三者に対抗することができる(商標法第39条における専用使用権の定義を参照)。「専用使用権」に対して、「通常使用権」とは、被許諾者は許諾範囲内の使用権しか取得できず、商標権者は依然として当該商標を使用し続けることができるとともに、他人に使用を許諾することもできるものをいう。また、いわゆる「独家授権」は、商標権者の使用を排除しないため、通常使用権に属する」という判断を示した。

本件に関し知的財産裁判所は、「本件使用許諾契約第5.1条では、「許諾者は、被許諾者以外のいかなる第三者に対しても本契約の発効日より『地域』内で添付資料Aに明記される許諾商品に係るいかなる商標の権利も許諾していることはないことを保証する」と約定されている。これによると、上述した約定には「専用」の文字もなく、許諾者の使用権も排除されておらず、商標権者が同じ地域内で他人に使用を許諾していないことを保証したことは、多くても商標権者が、その年台湾において本件の被許諾者に「独家授権」により商標の使用を許諾したと読み取れることができるだけで、主張された「専用使用権」ではない」と判じた。