北京知識産権法院は2014年に11月6日に成立された。統計によれば、2015年11月6日まで7918件を受理し、そこには一審案件、行政案件、及び渉外案件多いという特徴が見られる。

北京知識産権法院の院長である宿遅さんによれば、北京知識産権法院の設立一年以来、7918件を受理し、その中で一審案件が6699件、二審案件が1204件、上訴案件が15件である。また審決したのが3250件、その中で、民事案件が1200件、行政案件2050件である。最初に選ばれた18人の裁判官は一人あたり400件受理し、159件審決した。

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宿遅さんの分析によれば、全部受理した案件で一審案件が85%、行政案件が75%を占め、渉外当事者が多く、全部受理案件の80%を占め、技術類案件が25%占めている。

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また、北京知識産権法院は設立一年以内で審理した案件の中で典型案例12件を公布した。HFGのまとめによれば、この12件の典型案例は以下のような特徴がある。

1. 各類の案件に全て触れ、中国知的財産権の現状を表している。

 今回選ばれた12個の典型案例において、特許案件が2個、商標案件が3個、著作権案件が3個、情報ネットワーク伝達権案件が2個、不正競争案件が2個である。この12個の典型案件は、中国知識産権保護のあらゆる面が含まれている。

過去の典型案例トップ10の多くは商標案件だったのに対し、今年の著作権案件及び情報ネットワーク伝達権案件は典型案例の約半分にもなる。これは、現在著作権侵害およびこれに対する保護は中国知的財産権保護の主な内容となったことを意味する。

2015年、中国知的財産界で最も注目されている話題としてはネット上知的財産権の保護である。ひいて、ネット上知的財産権の主な内容は商標権、著作権の保護、ほかに特許権の保護も関わっている。そのため、情報ネットワーク伝達権に関する二つの案例が本年度の典型案例に選ばれており、中国知的財産権界のネット上権利保護に対する注目と重視の表しである。

中国の特許出願数はここ数年いつも世界一に立っている。特許権保護の案件は増加しているものの、多くの特許案件は特許出願であり、多くの企業が特許出願する目的は政府政策上の優遇を得るためであり、特許保護の目的から特許出願する企業は多くない。そのため、中国で特許保護の数は商標権に比べれば稀であり、著作権案件 著作権案件に比べてもあきらかに遅れている。

2. 法律上争議ある案件について突破があり、各地の知的財産法院に対一定の模範作用がある。

2015 年、中国知的財産界の最も注目されているのは情報ネットワーク伝達権の保護である。また、2015年後半に、中国法律界の各分野の専門家が「ネット上知的財産権保護」というテーマで、様々な議論が行われた。同時に、ネット上知的財産権保護というテーマに合わせ、新たな「電子商務法」も現在起草中である。12個の案例において、案例6はネット情報伝播者の「主観的悪意」について詳細な規制を作り、案例7は「比較的重い賠償処罰」の根拠に明確な規定を作り、今後各地の司法実務に明確の参考依拠を提供した。(案例6、7参照)

3. 裁判所の「証拠の保全」は多く運用される可能性がある。

現在、大量の知的財産権侵害案件は証拠収集難の問題が存在する。このような状況はソフトウェア著作権、特許権侵害案件で特に顕著である。当該案件が典型案例12に入選されたのも、当事者が初歩的侵害証拠の手がかりを提供したことに基づき、東方風行(北京)メデア文化有限公司、東方風行(北京)商貿有限公司営業所内300台のコンピュータ相関ソフトウェアの使用情報を証拠として保全したからである。

この案件は裁判所の司法救済の即時性と有効性を表し、北京知識産権法院の知的財産に対する保護力が過去より強かったことを意味する。

4. 時代とともに進化し、時代特徴を有し、司法国策を表す。

4.1 中国伝統的文化を保護する。

 今回の「案例1」が「典型案例トップ12」の一位に選ばれた原因は、主に本件における特許は自動的に加熱し、温度を調整する機能を有する艾灸治療機のためである。艾灸は中国伝統的な治療方法の一つであり、本件特許は相関漢方治療において高い応用価値を有する。知識産権法院は当事者の主張に基づき、一つひとつ詳細に説明し、法律により当事者の利益を保護し、中国伝統的漢方治療方法も保護した。

 4.2 企業の「自主創新」を保護し、中小企業の特許の保護を強化した。

2015年はちょうど中国の「大衆が創業し、全民が創新する」時期である。「案例2」の原告は国家創新基金が重点に支持する科学技術型の中小企業である。合議廷での案件審理で、相関技術に対し真剣な検査を行い、正確な認定をし、厳格に三歩法を適用し、係る発明特許の創造性について審理を行い、最終的に特許権有効を認めた。本件が本年度の典型案例に入選されたのも、一つの面では裁判所の案件審理の慎重性を表し、もう一つは国家が企業の自主創新を保護し、とりわけ中小企業の特許の保護を強化する態度が表れている。

4.3調停による結審は中国裁判所の特徴であり、また後の紛争の発生時にコミュニケーションによる解決方法を詳細に記載した

「調停による結審」は中国司法審理の一つ特徴である。本件が本年度知識産権法院のトップ案例の一つになったのも、裁判所の案件審理中、双方当事者と積極的に交流し、知識産権法院の6つの案件が調停により意見が一致し、また関係法廷と協力し、北京市内での一連の案件を調停し、双方の争議を基本的に解決した。双方の和解後の紛争の発生を防ぐため、双方当事者の共同願望により、北京知識法院は一つの重要な案件の調停書で双方の後に争議発生するときの解決方法等問題について詳細な記載をし、紛争の快速解決制度を初歩的に設け、紛争が発生することを最大限に回避し、双方当事者利益を保護する上で、双方の良好な協力関係の構築に基礎を作った。これは北京知識産権法院の審理中の創新の動きである。

上述はHFGが今回北京知識産権法院の成立一周年に際し、選出された「典型案例トップ12」に対する簡単なまとめである。すこしでも参考になれば幸いである。