2016年8月16日、北京知識産権法院は、一つ判決で、工業展覧会の主催者が特許権侵害案件において権利侵害補助責任を負うべきであると認定した。これは、類似事実に対し、中国法院による初めての判決である。

当該判決が上訴審で最終的に維持されると、展示会の主催者の法的責任を大いに強めるようなる一方、特許権者にとって、新たな権利行使の選択肢ができたことも意味する。

本案件は、張偉東が、北京国展国際展覧センター有限責任公司と北京中装華港建築科技展覧有限公司を訴えたケースである((2015)京知民初字第907号)。

被告のうち、国展公司は展示会場の管理人であり、展示会場の所有権者との管理協議に基づき管理を行なう。一方、中装華港公司は住まいの博覧会の主催者として、国展公司から場所を借り、展示会の主催期間中に各展示会の参加者にブースを貸す。

特許権者は展示会の参加者のブースから権利侵害品を購入し、当該購入行為に基づき訴訟を提起した。

判決書に列挙された事実によると、特許権者は当該具体的な展示会の参加者を共同被告にせず、法院も裁量権を行使して展示会の参加者を共同被告若しくは第三者に追加しなかった。最も関連する事実は、特許権者は事前に展示会の参加者に警告状を出したこともなければ、中装華港公司または国展公司へ申立もしなかった。

上記状況は、特許権者が最初から具体的な展示会の参加者ではなく、会場の管理者と展示会主催者をその訴訟の主な対象にするつもりであることを意味している。

判決の中で、法院は、国展公司が法的責任を負う必要がないと認定した。理由として、国展公司が中装華港公司へ場所を貸したときに既に「相応する義務」を果たしたのである(但し、法院は、会場管理者が展示会の主催期間中にどんな義務を果たすべきかを明確に示しなかった)。

中装華港公司が法的責任を負うべきであると認定したときに、法院の理由は下記の通りである。

「W4-C10Bブースの展示会の参加者が住まいの博覧会で対象となる権利侵害製品を展示と販売し、原告の特許権を侵害した。展示会の参加者にとって、中装華港公司は展覧会場の借主で、展示会び参加者の経営活動を管理する義務を有し、その中に、展示会の参加者の資質を確認する等を含む。しかし、中装華港公司は、相応な義務を果たさず、客観的に権利侵害補助の役割を果たしたため、原告の経済的損失及び権利侵害を差し止めるために支払った合理的費用を賠償する民事責任を負うべきである。」

当該判決が上訴審で維持されれば、展示会主催者の潜在的な特許権侵害の面での法的責任のリスクが大いに高められる。問題なのは、大型展示会の主催者は客観的に全ての展示会の参加者の全製品が他人の特許権を侵害したか否かを判断する能力を有するか、特に製品が大型で複雑な製品であればなおさらである。よって、本案件のように、特許権者が事前に警告も申立もせず、法院は主催者が権利侵害補助責任を負うべきであると認定する場合、問題があるかもしれないと思う。