1.知的財産事件の損害賠償がさらに高額化の見込み

最高人民法院の陶凱元副院長は、7月7日に南京で、知的財産事件の裁判は市場的価値の実現を指針とし、損害賠償をさらに高額化すべきであると語った。

全国人民法院知的財産裁判活動座談会及び全国人民法院知的財産裁判「三合一」推進会で陶副院長は、「知的財産権に関する損害賠償額を決定するにあたっては、知的財産権の市場的価値が客観性と不確定性という二重の特徴を有することに十分な考慮を払い、侵害された知的財産権の市場的価値を正確に反映することに努めつつ、侵害行為者の主観的状態も適切に考慮して、損害の填補を主として懲罰を補とする二重の効果を実現するべきである」と述べている。

話によれば、2015年の全国の人民法院における知的財産関係の民事事件、行政事件及び刑事事件の第一審事件の新受総数は、それぞれ13万件に達しており、前年比で11.7%増加している。知的財産関係第一審事件の既済件数は12万3000件で、裁判官の人数が増加していない状況で既済件数は前年比でそれぞれ11.7%増加している。

「反復侵害、故意侵害の行為者に対しては、具体的な事情を参酌して市場的価値より高い損害賠償額を適宜決定しても差し支えない」。しかし、一方で、陶副院長は、具体的な証拠を参酌して実損又は侵害所得を認定する裁量的な賠償額の決定方法を適切に運用するため、損害賠償について積極的に立証するよう当事者を指導することで、損賠賠償額算定の合理性をさらに向上させるべきであるとも述べている。

また、陶副院長は、次のようにも話している。各級人民法院は、国際的な経済貿易競争の変化によりもたらされる知的財産裁判に対する新たな要求を認識して、仮措置による保護を強化し、司法による救済の妥当性と有効性を高め、訴訟への信頼性の向上を強力に推進して、証拠制度を効果的に運用することで、厳格に保護するという法的効果を強化しなければならない。様々な事情に分けて、侵害行為の性質、作用、侵害者の主観的な悪性の程度に応じて、適切に保護を与えて賠償額を決定するベきである。

 

2.知的財産裁判の「三合一」を全国の人民法院で全面的に推進

7月7日、最高人民法院の陶凱元副院長は、全国人民法院知的財産裁判活動座談会及び全国人民法院知的財産裁判「三合一」推進会で、知的財産裁判の「三合一」活動を北京、上海、広州の知的財産法院以外の全国の人民法院で全面的に推進し、高級、中級、基層の各級人民法院で同時に開始すると表明した。

知的財産裁判の「三合一」とは、人民法院の知的財産裁判法廷で知的財産関係の民事事件、刑事事件及び行政事件を一元的に裁判するというものである。

最高人民法院により発令された『最高人民法院の全国の人民法院で知的財産民事、行政及び刑事事件の裁判の「三合一」活動を推進することに関する見解』に基づき、各級人民法院の知的財産事件を裁判する部門は、今後、「民事裁判第X法廷」と呼ばれることはなく、知的財産裁判法廷と名称を変更される。

陶副局長の話によれば、現在までに全国の6の高級人民法院、95の中級人民法院と104の基層人民法院で知的財産裁判の「三合一」試行活動が相次いで実施され、豊富な経験が蓄積されている。そして、「三合一」活動が司法の基準を統一し、裁判の質を高め、司法による知的財産権保護の制度を充実させて、司法による知的財産権保護の全体的効果を高め、知的財産権の全方位的な救済を実現することに資することが経験により証明されている。

そこで、陶副院長は、「各高級人民法院は、遅くとも今年年末までに調整機関を設置して、具体的な実施案を定めなければならない。裁判要員の配置においても、各級人民法院は、知的財産裁判法廷での業務に当たる者として、政治的にも信頼性が高く、業務に精通して、知的財産裁判の実務をよく理解している裁判官を選抜しなければならない」と指示している。

また、陶副院長は、知的財産権保護において司法が主導的な役割を発揮することは、司法の本質的属性と知的財産権保護法則の内在的な要求であり、法による国家の統治が全面的に推進され、司法の信頼性が高められることの重要な表れであると指摘している。