2015年4月29日、証券取引委員会(SEC)は、ドッド・ フランク・ウォール・ストリート改革及び消費者保護 法(ドッド・フランク法)で要求される、役員報酬対 パフォーマンス開示(支払われた役員報酬と企業のパ フォーマンスの連動性に関する開示)についての規則 案につき、3対2で賛成した。この規則は、役員報酬と 企業のパフォーマンスの間の関係に関し何を伝えるか についての会社の柔軟性を維持しつつも、会社内で比 較し得る標準化された情報を投資家に提供するための ものである。開示について計算することが容易である ことから、パブリックコメントを得る過程と規則の採 用がスムーズに進めば、役員報酬対パフォーマンス開 示は次の委任状シーズンにおいて開始されることとな る。

この規則のもと、委任状と役員報酬開示に関する開示 を行うにあたり、過去5年間に亘る以下の情報を含む 表を記載することが必要となる。(1)CEO、及び、現在 の報酬要約に関する表における合計額を修正すること により得られるその他の主要な重役に「実際に支払わ れた」報酬合計額、(2)その他の名前を挙げられた重役 (NEO)に対して実際に支払われた報酬合計額の平 均、(3)会社の株主に対する支払合計額(TSR)、(4)会 社が自ら判断した同種会社におけるTSR、である。こ の新たな表においては、比較のため、報酬要約に関す る表に記載された金額も記載されることが必要とな る。

表による開示に加えて、企業は、新たな表中のデータ ポイントを利用して、報酬と企業パフォーマンスの間 の関係についても説明することが必要となる。企業 は、このような関係を説明するための方式を柔軟に決 定することができ(文字やグラフ利用等)、また、さ らなるデータポイント等を利用することもできる。

企業は、役員報酬対パフォーマンス開示を、既存の開 示要請や提案されているCEO報酬割合開示とともに検 討する必要がある。新たな開示に必要となる基本的な 情報は、現在の開示で要求される情報に基づきかなり 簡単に収集し得るはずではあるものの、単純化され たTSRデータポイントにおいて企業の複雑な役員報酬 対パフォーマンスを伝えることは難しいと予想され る。委任状アドバイザーがパフォーマンス対報酬の評 価において既に利用している複雑なモデルが利用され ることもあり得る。役員報酬開示に影響を与える今回 の規則案について、パブリックコメント が2015年7月6日まで公募されるが、今後の動向に注意 を払う必要がある。