「専利加速審査(AEP)」(「発明特許加速審査」)、「専利審査高速公路(PPH)」(「特許審査ハイウェイ」)など、智慧財産局(※台湾の知的財産主務官庁。日本の特許庁に相当)による発明特許審査の加速を追求する制度に相対して、智慧財産局は2015年4月1日から、発明特許出願の「実体審査繰延」請求の受理を開始した。これは、特許出願人の出願戦略、特許戦略及び特許の商品化のタイムスケジュールを考慮した結果であり、客観的にも、智慧財産局の案件審査のプレッシャーを軽減することができる。

実体審査繰延請求の期間は、現在の規定により、「実体審査請求と同時に又はその後に行うが、出願日から3年以内でなければならない」。優先権を主張する案件であれば、中華民国(台湾)に出願を提出した日を期間計算の開始日とする

実体審査繰延請求ができない状況は、以下のとおりである。

  1. 当該出願案につき、既に審査意見通知又は査定を受けている。
  2. 当該出願につき、既に分割出願が提出されている。
  3. 当該出願につき、第三者が実体審査の請求を提出している。
  4. 当該出願につき、既に加速審査(AEP)又は特許審査ハイウェイ(PPH)の申請を提出している。

その他の関連規定には、実体審査繰延請求は公開日に影響を及ぼさない、及び、出願人は実体審査繰延請求を取り下げることができるが、請求を取り下げた後、再度請求することはできない、などが含まれる。

注意しなければならないのは、実体審査繰延請求を提出する場合、「実体審査を続行する特定の期日(XX年XX月XX日)」を指定する必要があり、指定した実体審査続行日も申請書を以って再度変更できるが、いずれにせよ、当該特定日は出願日から3年以内でなければならない点である。

特許管理の角度から見ると、新制度では実体審査請求後に実体審査の繰延を請求することが認められているものの、我が国の「発明特許実体審査請求」の期限は「発明特許出願日から3年以内」であるため、遅くとも「出願日から3年」の期間が満了する前に実体審査を開始しなければならない。「出願日から3年」の期間が満了する直前まで引き延ばしてから実体審査を請求するのに比べて、早めに実体審査を請求し且つ実体審査の繰延を請求することで得られるメリットは、第三者(たとえば、競争相手など)が先に実体審査請求を提出するのを阻止できることのみであるようだ。新制度実施後の特許出願人の実際の運用状況については、引き続き考察する必要がある。