Rowe v. Liberty Mutual Group, Inc., No. 15-1536 (1st Cir. Feb. 12, 2016) において、連邦巡回区控訴裁判所 は、被告が、秘匿特権により文書提出を拒否できることについての詳細な根拠を長期間にわたり行わ なかった場合には、被告に よる秘匿特権の主張は認められない、との事実審の判断を維持した。本件 においては、弁護士と依頼人の間の秘匿特権又はワークプロダクトの法理により保護さ れる文書を 「機密」文書に指定することができ、かつ、相手方当事者はその指定につきいつでも争うことができ る、との保護命令が存在していた。被告は、原告 が被告の従業員であったためコミュニケーションン の当事者となっていた様々な文書を、機密文書に指定した。被告がサマリー・ジャッジメントで勝訴 した後、 原告は、いずれかの当事者から提出された主張書面の中で引用された文書等、2000ページ以 上にも及ぶ文書における被告による機密指定につき、異議を申し立てた。連邦地方裁判所は、被告に 対し、(1)機密指定の維持を希望する文書のリストと(2)各 文書を一般公開せずに添付し、かつ、証拠及 び法的根拠を付して各指定の根拠を説明した申立てを提出するよう命じた。被告は、「機密区分に関 する様々な一般 的原則について記載したメモランダムと、必要最小限度の秘匿特権ログに該当するも ののみ」を提出し、作成者又は受領者が代理人弁護士であったことや、各コ ミュニケーションがなぜ 秘匿特権で保護されるかについての情報は提出しなかった。被告はその後の回答メモランダムの中で はより詳細な情報を記載したもの の、連邦地方裁判所は、被告が当該情報を提出するまでは長期間が かかっており、最初の回答に記載された情報には依拠できなかった、と述べた。控訴裁判所 は、連邦 地方裁判所は裁量を逸脱していないとし、これを維持した。同控訴裁判所は、連邦地方裁判所は申立 てが認められるために被告が提出すべきものについ て事前に述べていたのであり、被告は責任を果た すために十分な証拠を示さなかった場合には不満を述べることはできない、と判示した。